概要・あらすじ
奥村燐は、双子の弟である雪男と養父の藤本獅郎と共に修道院で暮らす15歳の少年。ある日悪魔たちにその身を狙われた燐は、祓魔師である獅郎によって悪魔の存在と悪魔の王サタンの息子という自身の出生の秘密を知らされる。
登場人物・キャラクター
奥村 燐 (おくむら りん)
人間と、悪魔の王であるサタンとの間に生まれた少年。幼い頃に孤児となり、以降双子の弟の雪男と共に修道院の神父である藤本獅郎に育てられた。やや乱暴で短気な面もあるが明るい性格。 獅郎に告げられるまで自身の出生や悪魔のことについては何も知らずに過ごしてきたが、幼少の頃からその片鱗として並外れた怪力を持ち合わせており、それが災いして周囲からは浮いた存在であった。 悪魔としての力が覚醒した後は、降魔剣倶利伽羅に力を封じ込めているが、一度その剣を抜けばしっぽや牙など悪魔としての特徴が現れ、実の父であるサタンと同様に青い炎を全身に纏う。 自分を生かすために死んだ獅郎の仇を討つため、祓魔師になることを宣言し、正十字学園内部に設けられた祓魔塾へと通うことになる。
イゴール・ネイガウス (いごーるねいがうす)
魔法円と印章術を担当する祓魔塾の講師。上一級祓魔師であり、左目を眼帯で覆っている。ナベリウスという屍系の悪魔を従えており、その使い魔で出雲らを襲わせるなど不可解な行動が目立つ。
アマイモン
地の王を冠する、虚無界の第7権力者。メフィストの弟であり、サタンの息子の一人。異母弟に当たる燐に興味を示しており、持て余した時間を潰すため度々襲いかかる。
勝呂 竜士 (すぐろ りゅうじ)
祓魔塾に通う少年。京都の由緒ある寺の出自であり、京都の方言で話す。同郷の廉造と子猫丸からは坊と呼ばれている。少々直情的な性格で、複数のピアスと前髪に金のメッシュが入った不良然とした風貌だが、祓魔塾での成績は優秀で態度も至って真面目である。
神木 出雲 (かみき いずも)
祓魔塾に通う少女。平安時代を思わせる麻呂眉が特徴的。巫女の血統で、手騎士(テイマー)としての才能を持ち白狐を2体使役している。自分の力に自信を持っているため、度々クラスメイトを見下すかのような言動が見られるが、その一方で、かわいい物が好きなどの女の子らしい面も持ち合わせている。
志摩 廉造 (しま れんぞう)
祓魔塾に通う少年。勝呂竜士の父の弟子にあたり、勝呂や子猫丸と共に上京して祓魔師になるための勉学に励んでいる。特徴的なピンク色の髪をしており、出身地である京都の方言で話す。 女好きでスケベな一面を持ち、飄々とした性格だが、虫だけは大の苦手。戦闘時はキリクという錫杖を使う。
サタン
悪魔の王であり、燐の実の父親。物質界を手に入れることを目的としている。物質界に干渉するため度々人間に憑依するが、その強大な力故に物質界に耐えられる者が存在せず、憑依者の身体が崩壊する結果となってしまう。 人間とサタンの子である燐ならば、物質界に悪魔として存在することができるため、一時獅郎の身体に憑依することで燐を虚無界へ連れ去ろうとした。
奥村 雪男 (おくむら ゆきお)
燐の双子の弟で、中一級祓魔師の少年。燐と同じく、幼い頃から修道院に引き取られ、その神父である藤本獅郎に育てられた。眼鏡をかけており、兄とは正反対の穏やかさと冷静さを合わせ持つが、怒りにかられ、根底に秘めた荒々しい性質を覗かせることもある。 燐とは違いサタンの力を受け継いではいないが、悪魔である燐から受けた傷「魔障」によって、物心がつく頃は既に悪魔が見えており、悪魔に狙われる燐を守るため祓魔師の道を志した。 その才能は7歳から祓魔について学び、史上最年少の13歳で祓魔師の称号を得た程に秀でており、現在では祓魔塾にて対悪魔薬学の講師も務めている。
霧隠 シュラ (きりがくれ しゅら)
上一級祓魔師の称号を持つ女性で、サタンに関係する燐の監視を命じられ、ヴァチカン本部より派遣された上級監察官。素性を隠すため山田という偽名を用い、祓魔塾生として潜入していた。 雪男とは、かつて獅郎の弟子として教えを受けていた頃からの付き合いである。非常に露出度の高い格好をしており、胸元から臍の辺りにかけて刻まれた入れ墨から、魔剣を抜き出し戦う。
杜山 しえみ (もりやま しえみ)
本作のヒロインで、祓魔塾に通う少女。祓魔師用品店の娘で、雪男とは彼が祓魔師になったころに知り合い、雪ちゃんと愛称で呼んでいる。人見知りの激しい性格だが、燐とは彼の持ち前の明るさもあり出会ってすぐに打ち解けることが出来た。 悪魔による傷、「魔障」を受けたことにより足が不自由であったが、奥村兄弟の尽力により解決、それによって祓魔塾へと通うようにもなる。手騎士(テイマー)の素質を持っており、体から植物を生やす力を持つ、緑男(グリーンマン)のニーちゃんを使い魔として使役する。
藤本 獅郎 (ふじもと しろう)
南十字男子修道院の神父であり、養父として燐と雪男を育てた人物。祓魔師としての顔も持ち、正十字騎士團日本支部の上一級祓魔師として、最強である聖騎士の称号を得ていた。 人間で唯一サタンによる憑依に順応する可能性を持つために、長年その身を狙われていたが、類いまれな精神力でその脅威を退けてきた。しかし、燐との諍いをきっかけとして、ついに憑依を許してしまう。 サタンは獅郎への憑依を足がかりとして燐を虚無界へ連れ去ろうとした為、燐に危害が及ぶ前にと、自らその命を絶った。
メフィスト・フェレス (めふぃすとふぇれす)
藤本獅郎の親友を名乗る男。燐と雪男の後見人であり、燐に祓魔師への道を示した人物。名誉騎士の称号を持つ祓魔師として正十字騎士團日本支部長を任される身でありながら、処分対象になるであろうサタンの息子である燐を受け入れ、その存在を隠している。 表向きの顔として正十字学園の理事長も務めるが、その正体はサタンの息子の一人であり、アマイモンの兄。 燐にとっては異母兄に当たる。
三輪 子猫丸 (みわ こねこまる)
祓魔塾に通う少年。勝呂竜士の父の弟子にあたり、勝呂や廉造と共に上京して祓魔師になるための勉学に励んでいる。高校生としては小柄な体格で、坊主頭にやや大きめの眼鏡をかけている。 出身地である京都の方言で話す。優しく穏やかな性格で、感情的になりがちな勝呂を落ち着かせたり、皆のまとめ役になることが多い。
クロ
獅郎の使い魔であった猫又。普段は通常の猫程の大きさだが、人を乗せられるまでに巨大化することが出来る。獅郎の死を知り、巨大化の末暴走するが、燐に宥められ悲しみを受け入れる。 正十字学園南裏門の門番であったが、後に燐の使い魔となる。
アーサー・オーギュスト・エンジェル (あーさーおーぎゅすとえんじぇる)
正十字騎士團ヴァチカン本部の上一級祓魔師であり、霧隠シュラの直属の上司。魔剣カリバーンを振るう、現在の聖騎士。悪魔に対し非常に厳しく、全くの容赦はない。
場所
物質界・虚無界 (あっしゃーげへな)
『青の祓魔師』に登場する場所の名称。物質界とは人間の住む世界を指し、虚無界とは悪魔の棲む世界を指す。本来、物質界と虚無界は互いに干渉することは不可能だが、悪魔は物質界の物質に憑依することで人間に干渉することが可能。
その他キーワード
祓魔師 (えくそしすと)
『青の祓魔師』に登場する役職。悪魔を倒すだけの力を持つ、悪魔払いを行う者たちのことを総称して祓魔師と呼ぶ。祓魔師を志す者は、まず「祓魔塾生(ペイジ)」として基礎を学び、その後「候補生(エクスワイア)」に進んだ後、技術資格である称号(マイスター)を取得することによって、晴れて祓魔師として認められる。 称号は計五種が存在しており、祓魔師は刀剣で戦う「騎士(ナイト)」、銃火器で戦う「竜騎士(ドラグーン)」、使い魔を使役し戦う「手騎士(テイマー)」、聖書や経典を唱えて戦う「詠唱騎士(アリア)」、そして魔障に対する知識を持ち医療を担う「医工騎士(ドクター)」のいずれかに分類される。 また階級によるクラス分けもあり、下から下二級、下一級、中二級、中一級、上二級、上一級、さらにこれらの上に名誉称号として「名誉騎士(キャンサー)」、「四大騎士(アークナイト)」、そして最強の称号としてただ一人にのみ与えられる「聖騎士(パラディン)」が存在している。
クレジット
原作
青の祓魔師 (あおのえくそしすと)
悪魔と人間の間に生まれた奥村燐を中心に、祓魔師と悪魔との戦いを描く加藤和恵の代表作。 関連ページ:青の祓魔師