概要・あらすじ
朝霞勇希は、大月刑務所の刑務医を務めるために地元に戻る道中で、囚人を運ぶバスと並走する。勇希はバス運転手の体調異常を発端としたバス乗っ取り事件に巻き込まれるが、なんとか事態を収束させバス運転手の治療に成功する。その後、大月刑務所に勤務するが、勇希はここでもさまざまな事件に関わっていく。
登場人物・キャラクター
朝霞 勇希 (あさか ゆうき)
高齢の祖母に代わって大月刑務所の刑務医となった女性。男勝りな性格なうえに、何にでも関わろうとして騒動を起こすトラブルメーカー。幼い頃から高名な拳法家である父親から格闘技を習っていたため腕っ節も強い。医者としての腕はかなり高く、勤めていた大学病院の院長と政治家が患者を軽視した不正を公にするなど、患者のことを第一に考えている。
辰巳 (たつみ)
天月署の男性刑事で、朝霞勇希とは幼なじみ。勇希からは「チョロ」と呼ばれており、今は勇希の祖母の家に下宿している。勇希に危険が及んだり、トラブルメーカーの彼女が騒動を大きくすることを心配して忠告することが多いが、勇希はそれに反発するためよく口喧嘩となる。自分を守ってくれた勇希との約束を果たすために刑事になるなど、小さい頃からずっと勇希に好意を持っている。
牧瀬 (まきせ)
大月刑務所の監守長を務める男性。大月刑務所に囚人を運ぶバスに乗っており、バス乗っ取り事件で朝霞勇希と知り合う。普段の勤務中でも勇希の行動に振り回され、文句を言いつつも勇希のフォローをしている。
尾形 利典 (おがた としのり)
大月刑務所に入所している男性囚人。秋山が一人娘の美咲を殺そうとしている場面に遭遇し、バットで滅多打ちにしたことが過剰防衛と判断されて服役している。娘の幸せを第一に考え、自分の出所を待たずに美咲が結婚式を挙げることを望んでいる。
秋山 (あきやま)
尾形利典の一人娘である美咲と同じ会社に勤めていた男性。美咲に告白するが美咲にはすでに婚約者がいたことを知ると、美咲を殺して自分のものにしようと考える。実際に美咲を殺そうとしたところを尾形に阻止されて刑務所に送られるが、犯行時の精神状態を考慮されて刑期は軽いものとなった。仮出所後は再び美咲殺害を実行しようとする。
日野 誠 (ひの まこと)
朝霞勇希が東京で勤めていた帝都医科大学病院の男性医師。非常に真面目な性格で、勇希の医者としての姿勢を尊敬しており、大学病院を辞めた勇希に戻ってきてもらうために大月を訪れる。勇希が戻る気がないことを知ると、彼女の祖母の家に世話になりながら根気よく説得を続ける。
遥 (はるか)
帰宅途中の朝霞勇希が出会った女子高生。性格は勝気で、高校生のボーイフレンドが麻薬中毒にさせられたため、自分を囮にしてバイヤーから証拠を掴もうとするなど行動的だが無鉄砲。最初は勇希や辰巳に対して敵対心を持っていたが、自分を助けてくれたことで逆に好意を寄せるなど惚れっぽい一面もある。
新田 唯法 (にった ただのり)
元帝都医科大学病院の男性教授で、朝霞勇希の恩師。病気の精神的な原因を取り除く治療方法を行い、患者1人1人に親身となって治療することを信条としている。また社会の悪を排除することで苦しむ患者が減るという考えも持つ。麻薬中毒者が再び麻薬に溺れることのないように、治療の一環として麻薬ルートに関係する人物を殺したが、勇希の通報を受けた警察に逮捕される。 そして今は大月刑務所の凶悪犯が入る独居房に収監されている。
阿部 尚久 (あべ なおひさ)
表向きは輸入業の会社を経営する男性だが、裏の顔は関東圏の麻薬ルートを牛耳るメンバーの1人。コカインの密輸を一手に握っていた女ボス「ブラッディローズ」の部下だったが、ブラッディローズを裏切り彼女の組織を自分のものにした。以降はブラッディローズに代わってコカインの密輸を阿部尚久がほぼ独占している。
辻井 憲治 (つじい けんじ)
関東圏の麻薬ルートを牛耳るメンバーの1人。阿部尚久からコカインを買い込み、暴力団に売りさばいている男性。阿部とは取引しているが阿部に対して不満を持っており、朝霞勇希の計画に乗って阿部を裏切る。
早川 敏信 (はやかわ としのぶ)
大臣も務めたことのある政治家だが、裏では関東圏の麻薬ルートを牛耳るメンバーの1人として私腹を肥やしている。麻薬ルートのメンバーがつぎつぎに殺されたことから、身の安全を確保するために軽井沢の別荘に籠る。
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