概要・あらすじ
阿良々木暦が戦場ヶ原ひたぎを始めとした5人の少女に纏わる怪異絡みの問題解決のために奔走した一学期を経て、暦の妹2人と怪異との関係を巡って一悶着のあった夏休みも終わった新学期。彼らはそれぞれがまた異なった形で、再び怪異との関わりを持つ事となる。
登場人物・キャラクター
阿良々木 暦 (あららぎ こよみ)
私立直江津高校3年の男子生徒で、性格は優しく、お人好し。春休みに吸血鬼に襲われたことをキッカケに、現在でも驚異的な治癒能力を持つ「吸血鬼もどき」である。自らを襲った吸血鬼そのものである忍野忍とは表裏一体の関係となっており、忍に血を吸われることで、一時的に吸血鬼としての能力を取り戻すことが出来る。 戦場ヶ原ひたぎとは彼女に関する問題を解決したことがキッカケで告白され、現在恋人同士。 『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』全てのエピソードに関わりを持ち、特に「まよいキョンシー」と「しのぶタイム」において、忍や八九寺真宵を連れたって大きく行動することとなる。
忍野 忍 (おしの しのぶ)
ミスタードーナツが大好きな金髪の幼女。その正体は伝説の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。しかし現在は能力をほぼ失った「吸血鬼の成れの果て」でしかなく、元眷属である暦に血を提供してもらうことで生きながらえている。 『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』では「ひたぎエンド」を除く4エピソードに登場。特に「しのぶタイム」においては、400年前に日本へとやって来た際に起きた謎の存在「くらやみ」との出会いの出来事、および最初の眷属である「初代怪異殺し」との関係について語り始める。
忍野 扇 (おしの おうぎ)
私立直江津高校へと転校してきた女子生徒。阿良々木暦たちがかつて怪異に関して世話になった忍野メメという男の姪を自称する、不穏で謎に包まれた人物。『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』においては「まよいキョンシー」「なでこメドゥーサ」「しのぶタイム」にて登場。
八九寺 真宵 (はちくじ まよい)
巨大なリュックサックとツインテールが特徴的な、小学5年生の少女。性格は慇懃無礼。母の日に、離婚した母親の家に辿りつけずに公園で迷っていたところ、阿良々木暦と出会った。その正体は怪異「迷い牛」そのもので、暦とのやりとりを経て一度は成仏したものの、現在は道に憑く浮遊霊となり以前と変わらず街をふらついている。 暦とは出会う度に苗字をわざと噛んで間違える一方で、逆に暦からはセクハラまがいの過剰な愛情表現を受ける仲。 『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』では「まよいキョンシー」「しのぶタイム」の2エピソードに登場。双方のエピソードにおけるキーパーソンである。
苛虎 (かこ)
「つばさタイガー」にて羽川翼の前に突如現れた白く、巨大で、人語を話す虎。その正体は翼の嫉妬心が生んだ新たなる怪異であり、翼の嫉妬の原因たる場であった羽川家や学習塾跡を焼きつくした。
千石 撫子 (せんごく なでこ)
阿良々木暦の母校である中学校に通う少女。同級生との色恋沙汰からの嫉妬がキッカケで「お呪い」の呪いにかけられ、その結果として怪異「蛇切縄」に巻きつかれてしまった過去を持つ。阿良々木月火とは幼馴染であり、そのため暦とも面識が深く、「暦お兄ちゃん」と慕うと同時に恋心を抱き続けている。 『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』では「なでこメドゥーサ」の主人公であり、「ひたぎエンド」にも登場。 「なでこメドゥーサ」においては、白い蛇の怪異「クチナワ」から、失われてしまった自らのご神体を探して欲しいと頼まれる。
戦場ヶ原 ひたぎ
私立直江津高校3年の生徒で、阿良々木暦のクラスメイトであり、恋人。容姿淡麗かつ学業優秀だが、とんでもない毒舌家で、嫉妬深い。高校入学直前に怪異「おもし蟹」に行き遭い、体重を根こそぎ持って行かれた経験を持つ。 その際に5人の詐欺師に続けざまに騙されており、貝木泥舟はその一人。その後、3年次のゴールデンウィーク明けに暦と忍野メメの手によって怪異から救われた。『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』では「つばさタイガー」「なでこメドゥーサ」「ひたぎエンド」に登場。 「ひたぎエンド」においては、蛇神と化した千石撫子に自らと暦、忍野忍が殺害される未来を防ぐべく、憎き相手である貝木へと詐欺の依頼を持ちかける。
羽川 翼 (はねかわ つばさ)
私立直江津高校3年の女子生徒。阿良々木暦のクラスの委員長で、規律正しく折り目正しく、恐ろしく真面目で面倒見の良い性格をしている。暦にとっても初めての友達と言える人物であり、彼と吸血鬼に纏わる過去の出来事にも関わりを持つ。 一方で自身も怪異「障り猫」に取り憑かれており、過度にストレスが蓄積することを引き金に、新種の怪異「ブラック羽川」として顕現してしまった経験を持つ。 『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』では「つばさタイガー」の主人公であり、人語を操る白い虎に出逢った直後、実家が火事となってしまったことから、寝床を転々とすることとなる。また「まよいキョンシー」「ひたぎエンド」にも登場する。
斧乃木 余接 (おののぎ よつぎ)
影縫余弦に付き従う童女。周囲からの影響を大いに受けた、その時々で変わる特徴的な喋り方をし、また無表情のまま奇妙なポーズを度々とる。その正体は余弦の式神であり、人間の憑藻神である怪異。 『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』では「まよいキョンシー」「しのぶタイム」「ひたぎエンド」の3エピソードに登場。特に「しのぶタイム」においては、クラヤミから逃走する阿良々木暦と八九寺真宵の前に現れ、行動を共にすることとなる。 「ひたぎエンド」の時点での口癖は「いえーい。お兄ちゃん、ピースピース」。
神原 駿河 (かんばる するが)
私立直江津高校2年の女子生徒。元バスケットボール部のエース兼主将。左腕が怪異「レイニー・デヴィル」と一体化しており、それを隠すために包帯を巻き、また怪我という名目で部活動を引退している。 その本性は同性愛者であり、BLを始めとした数々の変態趣味を持つ。『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』では「つばさタイガー」にて登場。阿良々木暦から呼びつけのメールが届いたことを、廊下で出くわした羽川翼に嬉々として伝える。
ブラック羽川 (ぶらっくはねかわ)
羽川翼に蓄積したストレスと怪異「障り猫」が結びつくことで現れた新種の怪異であり、翼の人格を乗っ取る形で発現する。所持する能力は接触相手の力を吸い取る「エナジードレイン」。怪異でありながら主人である翼の想いに則した行動を取る。 本来「障り猫」は低級の怪異とされるが、翼の頭脳と結びつくことにより吸血鬼に匹敵するまでの能力を獲得している。『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』においては「つばさタイガー」にて登場。 過去2度の発現時とは異なり、翼の本来の人格とは切り離され、凶暴性も薄く理性的な行動を見せる。
怪異 (かいい)
『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』に登場する存在。神や幽霊、悪魔、妖怪等の総称。多くは動物の名を冠しているが、その名は姿形でなく本質を表すとされる。都市伝説・信仰・噂などによって生まれ、人間がいることで初めて認められる存在であり、阿良々木暦曰く「世界そのもの」。
クチナワ
「なでこメドゥーサ」にて撫子の前に現れた、白い蛇の怪異。北白蛇神社にて祀られている神であり、撫子に自分の神体を探すようけしかけた。その後、シュシュに擬態することで撫子の手首に巻かれ、行動を共にする。
臥煙 伊豆湖 (がえん いずこ)
「何でも知っている」と豪語し、常に全てを見透かしている様に、先回りをした振る舞いを見せる女性。神原遠江の妹であり、神原駿河にとっての叔母にあたるが、面識はない。また忍野メメ、貝木泥舟、影縫余弦、手折正弦の大学時代の先輩でもあり、現在は怪異専門家の元締め的存在として活動している。 『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』においては「つばさタイガー」「しのぶタイム」「ひたぎエンド」にて登場。
貝木 泥舟 (かいき でいしゅう)
詐欺師であり、金のためなら女子供を騙すことも厭わない男。忍野メメ、影縫余弦、臥煙伊豆湖とは大学の同期およびオカルト研究会の仲間で、旧知の中である。また、かつて怪異「おもし蟹」に悩まされていた戦場ヶ原ひたぎとその一家に「ゴーストバスター」を名乗り近づき、騙した張本人。 その後、再び街へとやってくると中学生を相手に「お呪い」と称して大規模な詐欺を働いていた。『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』では「ひたぎエンド」に登場。 戦場ヶ原ひたぎからの依頼を受け、蛇神の怪異となってしまった千石撫子を騙すべく、二度と来ないと誓った街へひっそりと訪れることとなる。
場所
北白蛇神社 (きたしらへびじんじゃ)
『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』の舞台の一つ。街の外れ、山奥にある、蛇神を祀っていたとされる神社。本殿が今にも崩れ落ちそうな状態であるなど、すっかり寂れてしまっており、訪れる者は皆無と言ってよい。 春休みにキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードがこの地を訪れた影響で、一時はよくないものの吹き溜まりと化してしまったが、現在では忍野メメの命で貼られた御札の効力により封印が成されている。
その他キーワード
妖刀『心渡』 (ようとう こころわたり)
『〈物語〉シリーズ セカンドシーズン』に登場する武器で、全長2メートルほどある大太刀。余りの切れ味の良さから、物質を切断することは出来ず、怪異のみを斬る事が出来る。忍野忍ことキスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレードにとって、初めて眷属にした人物の形見の品。 普段は彼女の体内へと格納されており、彼女の「怪異殺し」という異名の元となっている。忍が所持しているものは実はオリジナルではなく、初代眷属が自らの骨身から作りだしたレプリカ品である。