概要・あらすじ
怪異に取り憑かれた5人の少女、彼女たちの問題解決に奔走した後の、高校3年生の夏休み。阿良々木暦は気づけば、その5人の少女のうちの一人であり、現在では恋人でもある戦場ヶ原ひたぎによって学習塾跡地に監禁されていた。
その日の午前中、同じく怪異に憑かれた少女のうちの一人・千石撫子から、かつて彼女を苦しませた「お呪い」を流行らせている人物がいること、そして自らの妹である阿良々木火憐と月火姉妹が、それを止めさせるべく動いているということを聞かされていた暦。
その人物、貝木泥舟こそ、かつて怪異に苦しむ戦場ヶ原家を騙した詐欺師の一人であった。一方その頃、貝木の居場所を突き止めた火憐は単身彼の元へと乗り込むが、返り討ちにあい、怪異「囲い火蜂」に掛かってしまう。
登場人物・キャラクター
阿良々木 暦 (あららぎ こよみ)
私立直江津高校3年の男子生徒で、性格は優しく、お人好し。春休みに吸血鬼と出逢ったことをキッカケに一時は自らも吸血鬼化、現在でも驚異的な治癒能力を持つ「吸血鬼もどき」である。その際に身を差し出した吸血鬼そのものである忍野忍とは表裏一体の関係となっており、忍に血を吸われることで、一時的に吸血鬼としての能力を取り戻すことが出来る。 戦場ヶ原ひたぎとは彼女に関する問題を解決したことがキッカケで告白され、恋人同士となっており、その言動に度々振り回される日々を送っている。
貝木 泥舟 (かいき でいしゅう)
詐欺師であり、金のためなら女子供を騙すことも厭わない男。忍野メメ、影縫余弦とは大学の同期およびオカルト研究会の仲間であり、旧知の中である。かつて怪異「おもし蟹」に悩まされていた戦場ヶ原ひたぎとその一家に「ゴーストバスター」を名乗り近づき、騙した張本人の一人。 その後、再び街へとやってくると中学生を相手に「お呪い」と称して大規模な詐欺を働いていた。
千石 撫子 (せんごく なでこ)
阿良々木暦の母校である中学校に通う少女。色恋沙汰からの嫉妬がキッカケで、同級生の手により「お呪い」の呪いにかけられ、その結果として怪異「蛇切縄」に巻きつかれてしまった過去を持つ。阿良々木月火とは幼馴染であり、そのため暦とも面識が深く、「暦お兄ちゃん」と慕うと同時に恋心を抱き続けている。 暦からの電話を受け、彼を両親が不在の自宅へと誘う。
阿良々木 月火 (あららぎ つきひ)
阿良々木暦の下の妹で、中学2年生。姉である阿良々木火憐と仲が良く、2人合わせた「栂の木二中のファイヤーシスターズ」の参謀担当として知られる、自称「正義そのもの」。和服好きであり、一見大人しそうに見えるが、実際は非常に短気で攻撃的な性格をしている。 本人にも自覚はないが、その正体は不死身の怪異「しでの鳥」そのものであり、怪異が人間に擬態した姿。それ故に不死身の怪異を専門とする陰陽師、影縫余弦に狙われることとなる。
忍野 忍 (おしの しのぶ)
ミスタードーナツが大好きな金髪の幼女。その正体は伝説の吸血鬼、キスショット・アセロラオリオン・ハートアンダーブレード。しかし現在は能力をほぼ失った「吸血鬼の成れの果て」でしかなく、元眷属である暦とは血液を提供してもらう共生関係にある。
神原 駿河 (かんばる するが)
私立直江津高校2年の女子生徒で、元バスケットボール部のエース兼主将。左腕が怪異「レイニー・デヴィル」と一体化しており、それを隠すために包帯を巻き、また怪我という名目で部活動を引退している。 戦場ヶ原ひたぎを心から慕っており、尊敬以上の想いを寄せている。その他にもBLを始めとした数々の変態趣味の持ち主。部屋の片付けが苦手で、時折、阿良々木暦に掃除をしてもらっている。
八九寺 真宵 (はちくじま よい)
巨大なリュックサックとツインテールが特徴的な、小学5年生の少女。性格は慇懃無礼。母の日に、離婚した母親の家に辿りつけずに公園で迷っていたところ、阿良々木暦と出会った。その正体は怪異「迷い牛」そのもので、暦とのやりとりの後に一度は成仏したものの、現在は道に憑く浮遊霊となり以前と変わらず街をふらついている。 暦と出会う度に苗字をわざと噛んで間違える一方で、逆に暦からはセクハラまがいの過剰な愛情表現を受けている。
怪異 (かいい)
『偽物語』に登場する存在。神や幽霊、悪魔、妖怪等の総称。多くは動物の名を冠しているが、その名は姿形でなく本質を表すとされる。都市伝説・信仰・噂など人間の想いによって生まれ、人間がいることで初めて認められる存在であり、阿良々木暦曰く「世界そのもの」。
羽川 翼 (はねかわ つばさ)
私立直江津高校3年の女子生徒。阿良々木暦のクラスの委員長で、規律正しく折り目正しく、恐ろしく真面目で面倒見の良い性格。以前は三つ編みに眼鏡姿だったが、イメチェンを図りショートカットにコンタクト着用となった。 暦にとっても初めての友達と言える人物であり、彼と吸血鬼に纏わる過去の出来事にも関わりを持つ。一方で自身も怪異「障り猫」に取り憑かれており、過度にストレスが蓄積することを引き金に、新種の怪異「ブラック羽川」として顕現してしまったことがある。
影縫 余弦 (かげぬい よづる)
京都弁を操る女性であり、不死身の怪異を専門とする陰陽師。地面の上を決して歩かず、自らの式神である斧乃木余接の頭上やブロック塀の上を常に渡り歩いている。また忍野メメ、貝木泥舟とは大学の同期およびオカルト研究会の仲間であり、旧知の中。 不死身の怪異そのものである阿良々木月火を狙い、余接とともに街へとやってくる。
阿良々木 火憐 (あららぎ かれん)
阿良々木暦の上の妹で、中学3年生。妹である阿良々木月火と仲が良く、2人合わせた「栂の木二中のファイヤーシスターズ」の実戦担当として知られる、自称「正義の味方」。ジャージ姿を好むなど非常に活発で行動的な性格をしており、習っている空手では黒帯を所持するほどの高い運動能力を持つ。 中学生の間で流行っていた「お呪い」を止めるべく行動を起こすが、その元凶である貝木泥舟と対峙した結果、怪異「囲い火蜂」に当てられてしまう。
戦場ヶ原 ひたぎ
私立直江津高校3年の生徒で、阿良々木暦のクラスメイトであり、恋人。高校入学直前に怪異「おもし蟹」に行き遭い、体重を根こそぎ持って行かれた経験を持つ。その際に5人の詐欺師に続けざまに騙されており、貝木泥舟はその一人。 その後、3年次のゴールデンウィーク明けに暦と忍野メメの手によって怪異から救われた。容姿淡麗かつ学業優秀だが、とんでもない毒舌家で、嫉妬深い。貝木から暦を守るために、かつて忍野メメが不法滞在していた学習塾跡地に暦を監禁する。
斧乃木 余接 (おののぎ よつぎ)
影縫余弦に付き従う童女。「僕はキメ顔でそう言った」と語尾に付けるのを始めとして、特徴的な喋り方をし、また無表情のまま奇妙なポーズを度々とる。その正体は余弦の式神であり、人間の憑藻神である怪異。 不死身の怪異そのものである阿良々木月火を狙い、影縫余弦とともに街へとやってくる。
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