概要・あらすじ
2年生になった千早たち瑞沢高校かるた部の面々は、部員が5人増えなければ部室返上という難題を突きつけられ、新入部員の獲得に日々奔走していた。中でも、かるた部を強豪にしたいという思いを抱く千早は殊更に張り切っていたが、入部届けを出しにくるのは、太一目当てのミーハーな女の子ばかり。
そんな状況に部員の面々は辟易し、自分たちの練習に支障が出ると後輩の教育に難色を見せる。最終的に残ったのは、太一目当ての恋愛体質な女の子、花野菫と根拠のない自身に満ちあふれる筑波秋博の二人だけであった。
大きな不安を抱えながらも瑞沢高校かるた部は全国大会地区予選へと挑む。
登場人物・キャラクター
綾瀬 千早 (あやせ ちはや)
瑞沢高校に通う2年生。容姿端麗だが、言動や動作が残念なため「無駄美人」と呼ばれている。小学6年生の頃に綿谷新と出会ったことがきっかけで競技かるたの世界にのめり込み、クイーンになることを夢見るようになる。 瑞沢高校に進学後は、かつて新や太一と共に戦った団体戦が忘れられず、高校で再会した太一と共に瑞沢高校かるた部を設立する。非常に優れた聴力を持っており、読み手の音になる前の音を聞き分ける「感じ」の良さが最大の武器。 小学生の頃から府中白波会というかるた会にも所属しており、責任者の原田先生は師匠と言っても過言ではない存在である。 階級はA級。
瑞沢高校かるた部 (みずさわこうこうかるたぶ)
『ちはやふる2』に登場する部活。綾瀬千早と真島太一が設立した部活であり、大江奏、駒野勉、西田優征ら創設メンバーの他、新たに筑波秋博、花野菫の2名を加えた計7人が所属する。 競技かるたの団体戦で優勝することを目標に掲げ、日々活動している。
花野 菫 (はなの すみれ)
瑞沢高校に通う1年生。新しく千早と太一が設立した瑞沢高校かるた部に所属した新入部員。千早たちの後輩で、太一に目を付け入部した恋愛体質の少女。当初は太一の気を引くことや身だしなみに一生懸命で、注意されても伸ばした爪を切ろうとしないなど多数の問題が見られたが、真剣にかるたへと取り組む部員たちの姿に次第に心を動かされる。 真剣に競技かるたへ取り組むようになったが、まだまだ未熟なため、情報収集など勉のサポートとして部に貢献する。
綿谷 新 (わたや あらた)
福井の高校に通う2年生。小学6年生の頃に、福井から東京へ転校し、千早のクラスメイトとなった少年で、千早に競技かるたの魅力を伝えた存在。永世名人である祖父からかるたを教わり、小学生学年別のかるた大会では毎年優勝を攫う実力者であった。 小学校を卒業後は福井に戻り、介護が必要となった祖父の側に付いていたが、その死をきっかけとしてかるたから離れてしまう。 それを知った千早と太一が福井へと訪れた際は、二人を冷たく突き放すが、その再会がきっかけとなり再びかるたへと向き合うようになる。福井南雲会に所属するA級選手であり、数年のブランクを感じさせない程、圧倒的な強さを持つ。
西田 優征 (にしだ ゆうせい)
瑞沢高校に通う2年生。千早と太一が設立した瑞沢高校かるた部に所属しており、大柄な体格で肉まんくんの愛称で呼ばれている。部内で一番かるた歴が長く、小学生の頃には千早と対戦したこともある。 その縁で千早からかるた部に勧誘されるが、かるたから離れテニス部に所属していたために一度はその誘いを断る。その後、まだかるたに未練を残していると千早に見抜かれたことから勝負を持ちかけられ、紆余曲折の末かるた部への入部を決める。 入部後は長いかるた歴により磨かれた「流れの読み」を駆使し、かるた部の即戦力となる。
大江 奏 (おおえ かなで)
瑞沢高校に通う2年生。千早と太一が設立した瑞沢高校かるた部に所属する。「呉服の大江」という呉服屋の娘で、和服と古典が大好きな少女。当初は和服が着られるという理由で弓道部に所属したが馴染むことが出来ず、ある日、優美な遊びをする部活だと勘違いしてかるた部を訪れる。 百人一首を歌として愛するが故に競技かるたの実情を目の当たりにし愕然とするが、千早の勧誘を試合では袴を着るという条件を付けて承諾しかるた部に転部することとなった。 和歌の背景や意味を千早に説くことで、かるたを札としてしか認識していなかった彼女へ新たな影響を与える。
駒野 勉 (こまの つとむ)
瑞沢高校に通う2年生。千早と太一が設立した瑞沢高校かるた部に所属しており、目元が見えない程の分厚いメガネをかけ、机くんの愛称で呼ばれている。太一に告ぐ学年で2番の秀才であり、その頭の良さから千早にかるた部へ勧誘される。 当初は自分に出来ることは勉強だけだと卑屈な言動をする節があり、かるた部に対しても遊びだと取り合うことはなかったが、太一のかるたに対する情熱に心を動かされ、入部を決める。 入部後は部員の対戦傾向を細かくノートにまとめ的確なアドバイスをするなど、かるた部の戦力強化に多大な貢献をしている。
若宮 詩暢 (わかみや しのぶ)
京都の高校に通う2年生。現クイーンであり、史上最年少の中学3年生でその座についた。札の角一点のみを払う、美しく音のないかるたで、圧倒的な強さを誇る。千早にとって最大の超えるべき壁であり、彼女のかるたへ多大な影響を与える存在でもある。 また、容姿端麗だがファッションセンスに乏しい面があり、千早と同様に残念だと噂されている。
周防 久志 (すおう ひさし)
現在の名人であり、千早と同様に非常に聴力が優れている「感じ」の良い選手。通常7枚しかない最初の一文字で取ることが出来る一字決まりの札が、28枚あると公言している。また、東京大学を4年連続で留年しており、その他の問題行動も多々見られるためかるた界関係者からはあまり良い印象を持たれてはいない。
筑波 秋博 (つくば あきひろ)
瑞沢高校に通う1年生。新しく千早と太一が設立した瑞沢高校かるた部に所属した新入部員。千早たちの後輩で、根拠のない自信に基づいた発言が目立つ。北海道出身であり、そちらで主流な下の句かるたの経験者。 そのため動きは良いが、下の句かるたのルールに引っぱられ反則行為を行ってしまうことも多い。自信満々に舌をぺろりと出す癖があるが、その顔は相当に不気味である。また、3人の弟に良いところを見せるため度々大見得を切ってしまう悪癖もあり、それは団体戦のオーダーを無断で書き換え出場しようとするなどの行為にも及ぶため、周囲に厳重注意を受けている。
真島 太一 (ましま たいち)
瑞沢高校に通う2年生で、千早の幼なじみ。容姿端麗、スボーツ万能、成績も優秀なため女性から度々好意を寄せられるが、本人は千早に片思いをしている。小学6年生の頃、かるたを通じて千早と仲良くなった新へ対抗するためかるたを始めたが、次第にその世界に引き込まれて行く。 瑞沢高校に進学後、再会した千早と共に瑞沢高校かるた部を設立し、部長として部を支える存在となる。 非常に優れた記憶力を持ち、札を全て覚えるなどの暗記を駆使した戦法を武器とするが、肝心なところで運に恵まれず、勝ちきれないことに苦しむ。小学生の頃から府中白波会というかるた会にも所属しており、階級はB級であったが昇級しA級となった。
その他キーワード
競技かるた (きょうぎかるた)
『ちはやふる2』に登場する競技。小倉百人一首を用いて社団法人全日本かるた協会が定めた規則に則り行われる競技。百人一首の100枚の札のうち50枚を使用し、それを自陣、敵陣で25枚ずつに分けて並べる。 競技が開始される前に15分間の暗記時間が設けられ、札の配置を覚えた後に競技が開始される。まず、百人一首に含まれていない序歌が詠まれた後、ランダムに百枚の札の中から歌が詠まれ、自陣の札が全てなくなった方が勝者となる。 全日本かるた協会では、大会に出場するクラスとしてA級からE級までの級位を定めており、A級の選手は名人戦・クイーン戦への参加資格を持つ。