アイちゃん

高校1年生の少女。149センチでありながら肉感的な体つきをした、トランジスタグラマー。クラスの学級委員長を務めていることから、クラスメートなどからは「いいんちょ」と呼ばれている。外見や性格も含めて非常に魅力的な人物で、外見だけでも大きな目をした整った容貌、保護欲をそそる小柄な体軀、オシャレに結わえた艶やかな髪、一点の曇りもない白い肌、とさまざまな形容で称えられている。また、性格もまじめで清楚にして明るく健気と賞賛されており、性別を問わず、その素材の質の高さを認められている。しかし、何より注目を集めるのは小柄ながらもグラマーな体つきで、日頃から不躾な視線を向けられいる。そのため、異性からの告白が絶えず、自己防衛の手段も含めて頭を悩ませている姿が散見される。それゆえに自分が周囲から必要以上に「大人」であることを求められていると感じており、同年代が早く大人になりたがる中で自分はもう少し子供でいたいという、願望を抱えている。今でこそ、このような魅力溢れる人物だが、中学時代までは三つ編みに眼鏡を掛けた外見で、自分に自信を持てずつねに背筋を丸めて歩くような冴えない少女だった。そのため高校入学と同時に心機一転、髪型を変え、コンタクトレンズを着用し、明るい雰囲気へイメージチェンジを図ったという過去がある。だが、いわゆる高校デビューという形で臨んだ自己改革は、その素材の高さが明るみに出たことで異性からの絶大な人気を招き、結果として異性のみならず同性からも身のほどが釣り合わないという意識を抱かれ、迂闊（うかつ）に近寄れない状況を招いてしまい、その時の試みは失敗に終わる。結果としてクラスの中で浮いた存在となってしまい、入学からしばらくは居所のない日々を過ごすこととなったが、彼女のことを気にしていたクラスメートのバレー部ちゃんが、なにくれとなく構うようになると状況は好転し、彼女の忌憚（きたん）ない接し方のおかげで徐々にクラスに溶け込んでいく。現在では誰からも省かれることなくクラスの一員として慕われる存在になっており、そのことから、バレー部ちゃんには感謝の念を抱いている。ただ、日頃から行われるバレー部ちゃんからのセクハラじみた接し方には断固とした怒りをぶつけており、常日頃からじゃれ合いのような喧嘩を繰り広げる、気のおけない仲となっている。その一方で、バレー部ちゃんからは、アイちゃんが現在のような自信を手に入れたのは自分だけではなく、本当のきっかけになった人物がほかにいると思われている。その人物は、夏のある日の月曜日、委員会の用事から朝早くに通学しなければならなくなった初日に、慣れない満員電車で出会ったお兄さんで、不慮の事故から階段で蹴つまずいて彼の上に落下してしまったことをきっかけに、知り合うことになった。その時は幸い、酷いケガを負わせることはなかったが、満員電車という環境を気遣ったお兄さんの配慮とケガの経過観察という理由から、毎週月曜日に駅のホームで待ち合わせて、彼を壁役にいっしょの車両に乗るようになる。当初こそある程度の距離感を保った付き合いで、「アイちゃん」という偽名を名乗るほどだったが、その後、月曜日の出勤が憂鬱なお兄さんを元気づけるなどするうちに親しくなり、自分の魅力とお兄さんからの視線や感情を自覚した、蠱惑（こわく）的な行動や言動が増えるようになっていった。さらに、学校に内緒で働いているバイト先に招いて通学時以外でも会うなど、お兄さんとの時間を彼女自身も楽しみとしている。また、お兄さんを元気づけるため、鞄の中から咄嗟に渡した、弾け飛んでしまった胸元のボタンは、その後、二人のあいだで彼を元気づけるための「お守り」として認識され、月曜日までに弾け飛んだそれを渡すことが毎週の恒例行事となっている。お兄さんと出会った際に元気になる様子は周囲にも察せられており、バイト仲間からはお兄さんが来た日に限ってはしゃいでいる様子を不思議がられている。また、電車内でのお兄さんとのやりとりに偶然居合わせた前髪ちゃんからは、その親密な様子から歳の離れた恋人同士とカンちがいされている。出会った当初から使われている「アイちゃん」という偽名は明確に明かされていないものの、彼女のなんらかのサイズに起因することを示唆されており、作中では成長に伴って「ジェイちゃん」になったという自己申告がされていた。しかし、成長するたびに呼び方が変わることが予想されるため、以後も出会った当初の「アイちゃん」という名前で現在でも呼んでほしいと告げており、そのとおりに呼ばれ続けている。家族には妹が一人おり、彼女もまたアイちゃんと同じ、トランジスタグラマーなスタイルの持ち主。また母親も同様で、彼女からは食べたものの栄養が身長ではなく胸にいってしまうのも、異性からのあけすけな視線に晒されるのもすべて「一族のさだめ」であるとの佳言を事あるごとに賜っている。