月曜日のたわわ

月曜日のたわわ

比村奇石の同人作品『月曜日のたわわ』の商業誌版。肉感的なヒロインたちが繰り広げる恋愛模様や、日常の風景がオムニバス形式で描かれる。「ヤングマガジン」2020年第51号から連載の作品。2016年10月と2021年9月に、原作の同人誌版がWebアニメ化。

正式名称
月曜日のたわわ
ふりがな
げつようびのたわわ
作者
ジャンル
ラブコメ
 
青春
レーベル
ヤンマガKCスペシャル(講談社) / プレミアムKC(講談社)
関連商品
Amazon 楽天

作品誕生のいきさつ

本作『月曜日のたわわ』は、原作者の比村奇石のTwitterアカウント上で2015年2月23日から投稿され始めたイラスト群が原作となっている。脱サラをして漫画家へと転向した作者が、漫画を描いていればいい生活に罪悪感を覚えたのがきっかけで、月曜日に出勤するサラリーマンの癒やしになればと投稿を始めたのが始まりとなり、その後も活動が続いた結果、シリーズ化されることとなった。当初は「月曜朝の社畜諸兄にたわわをお届けします」というタイトルだったが、2016年1月4日に投稿された「その46」から「月曜日のたわわ」というタイトルに変更されている。それまでは台詞のないイラストを中心とした作品群だったが、「コミックマーケット89」で頒布された同人誌において、イラストの収録のおまけとして描き下ろしの漫画が初めて掲載された。こちらは、イラストでは示唆的にしか表現されていなかったキャラクターに、しっかりとした台詞やストーリーが描き加えられた内容となっており、以後の投稿されるイラストや同人誌のみならず、2016年にwebアニメ化を果たした際もこれらのストーリーがベースとなっている。そのような経緯を経てきた作品だが、本作『月曜日のたわわ』はヤングマガジンでの連載が2020年11月に開始されるにあたって、連載漫画であることを念頭にキャラクター設定や時系列、関係性などが調整されたものとなっており、それまでの作品群とは異なる内容となっている。

あらすじ

ある夏の月曜日、会社勤めのお兄さんは早朝の満員電車で小柄ながらも肉感的な体つきをした少女と、偶然にも向かい合わせになる。意図せず彼女の体が自分に押しつけられる状況に、痴漢冤罪の恐怖が頭をよぎったお兄さんは、過去に偶然見知った対処法から、現行犯逮捕を避けるために名刺を渡してその場をあとにすることを思い出す。しかし名刺入れを取り出した際に、手の震えから名刺入れを落としてしまう。それを目の前で見ていた少女は、車内の床に落ちた名刺入れをかがんで拾い上げてくれたのだが、その拍子に彼女と触れ合っていた部分が刺激されてしまい、いたたまれなくなったお兄さんは電車が停車すると同時に勢いよく車両を飛び出す。慌てたのは名刺入れを渡そうとしていた少女で、お兄さんのそんな様子を見て急いで追いかけたのだが、駅の急な階段で蹴つまずいてしまう。逃げていたお兄さんは背後で上がった悲鳴に何事かと振り向くと、そこに階段で転んだ少女が降ってきて、彼女の体が頭に直撃してしまう。頭に傷を負ったお兄さんに病院まで付き添い、少女は責任を取ると謝罪する。幸いにも軽症だと判明し、即日退院となった帰り道、名前を尋ねたお兄さんに少女は「アイちゃん」という明らかな偽名を名乗る。お兄さんはその様子から責任を取るつもりがないことを察しながら、なぜ満員電車に乗っていたのか話を聞くと、彼女はこの日から委員会の都合で満員電車に乗らなくてはならなくなったため、不慣れなのだと語る。そんなやりとりを経て、アイちゃんとお兄さんは「ケガの経過観察」と「満員電車のボディーガード役」という建前で、月曜日の朝だけ駅のホームで待ち合わせるようになる。休日明けの月曜日に会社へ出勤するのを憂鬱に感じていたお兄さんは、学生時代のあこがれを絵に描いたようなアイちゃんと通勤できるこの日を癒やしと感じている。しかし、高校の最寄り駅でアイちゃんと別れる際に、会社へ出勤する憂鬱さが勝ってしまい、気落ちする様子を彼女に見せてしまっていた。そんな様子を見かねたアイちゃんは、お兄さんに「お守り」と称して、先週できたばかりというボタンを手渡す。彼女の制服の胸元から弾けたボタンを渡されたお兄さんは、蠱惑(こわく)的な様子を見せるアイちゃんの一挙一動に心を動かされながら、次の月曜日に再びアイちゃんに会えるまでの1週間を、「お守り」を手にがんばろうと心に誓うのだった。(エピソード「アイちゃん①」)

2年半前の春休み、入学式を目前に控えた前髪ちゃんは、先生に高校へと呼び出されていた。入学前から髪型の件で指導を受けるのかとカンちがいしていた前髪ちゃんだったが、呼び出しの理由は入学式で新入生代表として式辞を述べてほしいというものだった。入試でトップの成績を収めていた前髪ちゃんだったが悪目立ちしたくないという理由から、式辞を引き受けることには及び腰だったものの、奨学金の申請が通りやすくなることを知り、それを受諾する。決して裕福ではない母子家庭で育ち、特待生としての成績を維持しなければならない前髪ちゃんは、高校入学後も上位の成績を維持し続ける。だが、勉強場所にしていた図書室の早すぎる閉館時間が、母親の彼氏がいる家で勉強しづらい彼女にとってネックとなっていた。その相談を受けた先生は、自らがいつも使用している社会科準備室を勉強場所として使うことを彼女に提案する。それ以来、放課後になると二人は社会科準備室で時間を共にするようになる。それから毎日のように、勉強に根を詰める前髪ちゃんの様子に気づいた先生は、たまには息抜きをしてはどうかと、彼女を自身が顧問を務めるテニス部に勧誘する。当初は用具購入費用の心配などをしていた前髪ちゃんだったが、先生が顧問をしていることや用具の貸し出しがあるという理由からその申し出を受け入れ、テニス部に入部する。放課後の勉強に部活と、いっしょに過ごす時間が増えていくにつれ、前髪ちゃんは次第に先生へあこがれを持つようになる。最初は慎重に探り探りだったが、やがて持ち前の察しのよさから先生も自分のことを好きだという確信を持った前髪ちゃんは、アプローチを強めていく。しかし、季節が巡っても態度を変えない先生の様子に、痺れを切らした前髪ちゃんはとうとう自ら告白してしまう。自棄気味に告白した前髪ちゃんの様子に気圧される先生だったが、自分の立場や倫理観からその告白を断る。しかし、前髪ちゃんが思わず漏らした、実家で母親の彼氏からいかがわしい視線を送られているという言葉に思わず彼女の身を案じ、両肩を捕まえながら問いただしてしまう。急に真剣になった先生の様子に驚いた前髪ちゃんは、自分のガードの堅さを主張しながら、からかい交じりの言葉で先生を心配させたことを反省しつつ、大切に思ってくれていることに感謝を伝える。一方の先生は、そんな前髪ちゃんの様子に安堵しながらも、先ほどの告白に「卒業したらまたおいで」という言葉を返すのだった。前髪ちゃんはそんな常套句で告白をかわされたことに悲しみながらも、社会科準備室からの去り際、先生に向かって「卒業までに降参させてやる」と啖呵を切る。(エピソード「前髪ちゃん③」)

前髪ちゃんが「卒業までに降参させてやる」と啖呵を切った日から時が過ぎ、彼女は遂に高校の卒業式を迎え、先生のもとを飛び立っていった。卒業式の看板の前で撮った記念写真のあとに告げられた「3年間ありがとうございました」という数日前の言葉を思い返しながら、3月末日の深夜の部屋で先生は一人寂しく酒に浸っていた。そんな中、チャイムの音が鳴って玄関を開けると、雨が降りしきる中、前髪ちゃんがびしょ濡れになりながら扉の前に立っていた。あやまりながら、これで最後にするからと告げる前髪ちゃんは悲壮感を漂わせながら、先生にスマートフォンの待ち受け画面を見せる。そこには卒業式の際に撮った記念写真とともに、4月1日となったばかりの時刻が表示されていた。4月になってもう高校生(こども)じゃなくなったと告げる前髪ちゃんだったが、先生はそれでも最後の一線を越えないために言葉を控える。だが、前髪ちゃんが涙ながらに叫んだ、エイプリルフールのウソでもいいからホントの気持ちを伝えてほしいという言葉に、先生は彼女を抱きしめるとこれまで我慢し続けてきた思いの丈を伝えるのだった。何を言われたのかわからず呆然とする前髪ちゃんだったが、次第に言葉を理解すると大声を上げて先生の腕の中で泣きじゃくってしまう。その後、先生から離れた前髪ちゃんは、スマートフォンに表示された録音画面とともに、勝利を高らかに宣言するのだった。先生が思いの丈を語った決定的瞬間の本当の時刻はまだ3月末日で、先ほど先生に見せた画像は、前髪ちゃんがあらかじめ用意したブラフだったのだ。高校生じゃなくなるギリギリ1分前にして、ついに告白させることに成功したと、はしゃぎ回る前髪ちゃんを前に、先生は今の時刻を念入りに確かめる。そして本当に4月を迎えたことをあらためて確認すると、前髪ちゃんを部屋の中へと連れ込むや否や、彼女と過ごした高校生活の3年間、ずっと溜め込み続けていた感情を爆発させるのだった。明くる朝、小鳥がさえずる中で、テーブルをあいだに挟み、先生は前髪ちゃんに土下座していた。テーブルの上には、昨晩の先生の行いをあますところなく録音したスマートフォンがあり、音声が再生されていた。終始笑顔を浮かべながら先生のシャツに身を包んだ前髪ちゃんは彼の頭を眺めつつ、籍はいつ入れようかと尋ねるのだった。(エピソード「前髪ちゃん⑩」)

学年が一つ上がり、2年生になった頃、バレー部ちゃんは1年前のアイちゃんのことを思い返していた。入学式に出会ってから彼女のかわいさに惚れ込み、志望校を同じにしてよかったとしみじみ思っていたバレー部ちゃんだったが、一方のアイちゃんはあまりに高すぎる素質を理由に、クラス内で浮いた存在となっていた。勇気を奮って高校デビューを果たしたアイちゃんが、垢抜けつつも目立たないラインを狙っているのは察していたが、それでも彼女の魅力はクラスの中で飛び抜けており、誰が見ても正真正銘(ホンモノ)のヒロインそのものだった。クラスで一番の陽キャ男子がアイちゃんに告白して玉砕したのをきっかけに、誰もが身のほど知らずと笑われたくないうえ、引き立て役(モブキャラ)だってごめんだという思いからアイちゃんに近づく者は誰もいなかった。しかし、夏のある日の月曜日、まじめなアイちゃんが珍しく無断欠席をした日を境に彼女は変わっていく。通学してきた彼女は通学途中のアクシデントで、ついに自分の胸が人をケガさせてしまったと困った表情でおどけながら告げると、その日以来、丸まりがちな背筋を伸ばし、視線に晒されがちな胸があけすけになることを意に介することなく、堂々と胸を張りながら歩くようになっていた。「俯いたって足下なんて見えないし」と自虐的に口にするアイちゃんは、言葉どおり、俯くのをやめてよく笑うようになった。バレー部ちゃんは彼女から伝えられた、クラスの女子には溶け込めたのはバレー部ちゃんのおかげという感謝の言葉に喜びながらも、自分以外にそのきっかけを与えた存在がいると確信していた。そして親友であるアイちゃんにきっかけを与えた人物に、本当は自分がその立場になりたかったと嫉妬しながらも、ひそかに感謝しているのだった。そんな感慨を抱きながら、自分の家に帰ったバレー部ちゃんは、今日もまたメシをたかりに自分の従兄が訪ねてきているのを玄関先の靴から察する。そして、幼い頃からの付き合いである従兄にオッサンと声を掛ける。その言葉に応じた彼と軽口の応酬をするバレー部ちゃんだったが、従兄の彼がアイちゃんから送られてきた画像をスマートフォンで見ていたことには気づかなかった。(エピソード「アイちゃん⑫」)

単行本の装丁

本作『月曜日のたわわ』は「通常版」と「青版」の2種類のタイプが刊行されている。「通常版」の装丁はB6判となっている一方、「青版」の方はB5判となっており、より大きくなっている。また、原作の同人誌版『月曜日のたわわ』が青刷りの印刷で頒布されていることを再現した、特別な装丁となっている。

関連作品

原作Webイラスト

本作『月曜日のたわわ』の原作にあたるイラストが、比村奇石のアカウントで掲載されている。2015年2月23日から始められたこの一連の投稿は、毎週月曜日に投稿され続けており、その後も活動が継続されている。イラストが投稿され始めた当初は「月曜朝の社畜諸兄にたわわをお届けします」というタイトルだったが、2016年1月4日に投稿された「その46」から現在と同じ「月曜日のたわわ」というタイトルに変更された。基本的に漫画という形式ではなく、一部を除けば台詞などのないイラスト形式の作品が多くを占めている。なお掲載理由は、脱サラをした比村奇石が、ただ家で漫画を描いていればよいという環境に、罪悪感を感じたのが始まりだと語っている。

原作同人誌

本作『月曜日のたわわ』の原作にあたる同人誌が原作者・比村奇石のサークル「比村乳業」から頒布されている。初刊の頒布は「コミックマーケット89」で、当時は高度に効率化された頒布スタイルが話題を集めた。それ以後も、webイラストと同様、定期的に頒布を続けている。こちらの内容は比村奇石のTwitterアカウントで投稿されたイラスト群の収録が主となっている一方、イラストで綴られてきたものをベースに、新たに書き下ろされた漫画も収録されている。また、同人誌の中では珍しく白黒印刷ではなく、青刷り(青焼き)印刷が採用されている。本作である商業誌版『月曜日のたわわ』と比較すると、一部キャラクターの設定やストーリーの時系列に変更が見られる一方、Webアニメとして放映された『月曜日のたわわ』『「月曜日のたわわ2』では、同人誌やwebイラストで描かれたストーリーがベースとなっている。

コラボレーション

合同誌

本作『月曜日のたわわ』の原作にあたる比村奇石による同人誌版『月曜日のたわわ』と、漫画家のよむによる『がんばれ同期ちゃん』がコラボレーションし、合同誌『同期とたわわ』を同人サークル「よむら乳業」にて2020年8月14日から頒布している。『月曜日のたわわ』のヒロインである後輩ちゃんと、『がんばれ同期ちゃん』のヒロインである同期ちゃんというOLコンビが中心となったコラボレーションで、両者は職場の同僚や先パイとのヤキモキさせられる恋愛模様が特徴となっている共通点がある。また、2021年に両作品がアニメ化された際には販促で同時購入キャンペーンが組まれた。

タイアップ

コミックマーケット91 献血応援イベント

2016年12月29日から開催された「コミックマーケット91 献血応援イベント」に本作『月曜日のたわわ』の原作にあたる同人誌が、協力作品の一つとして参加していた。内容は会場付近の献血会場や全国の赤十字血液センターで400ミリリットルの献血をすると、ポスターとタペストリーが貰えるというもので、コミックマーケット91の終了後は全国の赤十字血液センターで引き続き貰えるものとなっていた。イベントは2017年1月31日に終了している。

メディアミックス

Webアニメ

本作『月曜日のたわわ』の原作にあたるwebイラストと同人誌は、二度のアニメ化を果たしている。どちらもキャラクター設定や時系列などは原作を踏襲しているため、「ヤングマガジン」で掲載された本作とは内容に若干の違いが見られる。一度目にアニメ化された『月曜日のたわわ』はPINE JAMによって制作され、2016年10月10日にYouTube上で配信が開始された。本作は原作者・比村奇石のTwitterアカウント上などでイラストと共にサプライズ的に告知されると、その後、YouTube上での視聴ができなくなるといった混乱のあと、あらためてニコニコチャンネルで配信されることとなった。監督は村山公輔が務め、お兄さんを間島淳司、アイちゃんを原田彩楓が演じている。二度目にアニメ化された『月曜日のたわわ2』は制作を横浜アニメーションラボが務め、2021年9月20日よりABEMAにて毎週月曜日に配信された。前作同様に二度目のアニメ化の際も事前の宣伝や告知を極力行わず、サプライズという形で配信が開始されている。こちらは監督を小川優樹が務めており、ほかに前作同様のキャストに加え、前髪ちゃんを高橋李依、先生を柳田淳一が演じている。

登場人物・キャラクター

主人公

会社勤めをするサラリーマンの男性。毎週月曜日に委員会へ出席するため、早朝の満員電車に乗るアイちゃんという名の女子高校生のボディガード役を務めており、それを口実に彼女と親しくしている。アイちゃんとの出会... 関連ページ:お兄さん

主人公

とある企業に勤めるサラリーマンの青年。営業二課に所属しており、猫を飼っている。仕事のできる人物で、長らく新人がいなかった課へ配属された待望の新入社員である、後輩ちゃんの指導係を任される。その一方、ワー... 関連ページ:先パイ

主人公

アイちゃんや前髪ちゃんが通う高校の社会科教諭を務める男性。コーヒー好き。頼まれ事を安請け合いする性格をしており、部活や委員会の顧問をはじめ、火元責任者やイベントのカメラ係など、日頃からさまざまな面倒事... 関連ページ:先生

高校1年生の少女。149センチでありながら肉感的な体つきをした、トランジスタグラマー。クラスの学級委員長を務めていることから、クラスメートなどからは「いいんちょ」と呼ばれている。外見や性格も含めて非常... 関連ページ:アイちゃん

とある企業に勤める札幌出身の新人OL。大学進学を機に上京した。地元には弟がいる。素直な明るい性格で、仕事などを褒めるとかわいらしい反応を見せるため、褒めた方も嬉しくなる得な人物。営業二課に所属しており... 関連ページ:後輩ちゃん

アイちゃんたちの通う高校の生徒会長を務める3年生の少女。同じ高校の社会科教諭を務める先生に思いを寄せており、彼の影響でコーヒーを愛飲している。ふだんは主に、伸ばした髪を後頭部で短めに結んだポニーテール... 関連ページ:前髪ちゃん

バレー部ちゃん

高校1年生の女子で、アイちゃんの同級生。ショートヘアで、ボーイッシュな性格をしている。アイちゃんと比較して大きな身長や、男心も理解するどこか親父臭い言動と含め、性別を問わず慕われている。特に同年代の異性からのあけすけな視線に絶望したアイちゃんの妹ちゃんからは、理想の存在として憧憬を向けられている。アイちゃんには日頃から白昼堂々と胸を揉むのは序の口で、セクハラ発言をはじめとしたあけすけな物言いをするなどやりたい放題している。一方、女性ならではの異性からの視線や下着の悩みを聞いたり、各種アプローチに対する自衛の手助けをしたりするなど、さまざまな気遣いに長けた様子も見せている。アイちゃんの胸に執着した様子ばかりを見せるが、バレー部ちゃん自身も周囲と比べるとグラマーな体型をしている。そのため、最近になって成長著しいことをクラスメートのほかの女子から指摘された際には、毎日のようにアイちゃんの胸に触っていたことによる御利益かも知れない、という暴言を吐き、アイちゃんがクラス中の体型に悩める女子から崇められるきっかけをつくった。また、マラソンなど運動のたびに胸の痛みに悩むアイちゃんと違い、運動部に所属して日頃から鍛えているため、走り方や筋肉量の違いから悩まされていないようで、バレー部ちゃんは平然としていた。実はアイちゃんがなかよくしているお兄さんとは従兄妹の関係。幼い頃から交流があり、彼のことを「従兄(にー)ちゃん」と呼ぶ仲にある。彼もまた比較的身長の大きな部類で、高身長になりがちな一族であることが二人の会話から示唆されている。また、バレーの手ほどきを従兄から受けていた過去がある。そのほか、弟が一人おり、そちらはお兄さんとゲームをする仲。

妹ちゃん

アイちゃんの妹。中学2年生の育ち盛りで、食欲旺盛。自己申告で142センチ前後の小柄な身長に対し、年齢不相応に肉感的なスタイルの持ち主。姉のアイちゃんが体重などを気にするのを、われ関せずとばかりに、よく食べている。性格は食欲と同様に生意気盛りで、姉のトランジスタグラマーな体型を鮭の稚魚に例えるなど、歯に衣着せない物言いが多いため、しばしばアイちゃんの怒りを買っている。姉妹のお母さんがよく口にする「一族のさだめ」にとらわれた少女であり、食べたものの栄養が身長ではなく胸にばかりいってしまう宿痾(しゅくあ)に悩まされていた。また、選ぶ余地のない下着は高価なものが多いため、自然と姉のお下がりばかりとなる末っ子の悲しみや、同年代である中学生男子からの目線が堪えており、その反動とばかりにアイちゃんの同級生でボーイッシュな魅力にあふれる女性のバレー部ちゃんにあこがれを抱き、慕っている。そのこともあり、彼女とアイちゃんの初詣についていった際、バレー部ちゃんに体型の好みを聞いている。その時、「大きければ大きいほど良い」という金言を頂くと、「一族のさだめ」に悩むことなく育つことを決意し、屋台の焼き鳥をアイちゃんのバイト代で食い散らかすなど、悩みからはある程度吹っ切れた様子を見せるようになる。

お母さん

アイちゃんと妹ちゃんの母親。娘の二人にも負けない肉感的なスタイルの持ち主で、彼女たちがそれを理由に悩みを抱えるたびに「一族のさだめ」という重い言葉を経験則から語る人物。「食べたら胸に栄養がいく」「中学生男子の視線に晒される」などは「一族のさだめ」として諦観しており、妹ちゃんが漏らす愚痴を一顧だにせず切り捨てる。

理系ちゃん

後輩ちゃんの友人の女性。後輩ちゃんとは大学時代のサークルの同期で、現在は同大学の大学院に通っている。ショートヘアで眼鏡をかけ、男勝りの横柄な口調に加えて剛毅(ごうき)な性格をしている。今でこそ泰然とした様子を後輩たちに見せるが、大学入学当初は伸ばした髪を三つ編みにした垢抜けない印象で、自身にコンプレックスを抱えていた。同期である後輩ちゃんとはサークルの歓迎コンパで出会って以来の付き合いで、彼女が大学に在学しているあいだは、後輩ちゃんが類いまれな外見が原因で周囲の男性陣に狙われまくっていたのを何くれとなく牽制し、酒癖の悪さの面倒などを見続けてきた。そのあたりも踏まえ、後輩ちゃんからは先パイと似ていると認識されている。後輩ちゃんと先パイが仕事で大学を訪れた際に、後輩ちゃんを介して先パイと面識を持つに至った。当初は後輩ちゃんと先パイのあまりに近しい距離感から二人の関係を邪推していたため、後日、後輩ちゃんも交えて三人で飲みに行く約束を取り付けると、実験があるので現地集合とウソをつき、彼女たちを待ち合わせ時間まで追跡。その過程で先パイが後輩ちゃんの無自覚なアプローチを、理性で抑えつけている珍しい人物だと理解し、誤解を解いた。その後の飲み会では後輩ちゃんの話題で先パイと盛り上がり、彼女の新旧保護者役として意気投合している。

フミちゃん

先パイが飼っている猫。人見知りな性格で、基本的に塩対応を返す。猫を飼っていることを後輩ちゃんに知られた先パイが彼女を家に招いた時は、例外的に非常に懐いていた。その様子は膝の上を占領して居座るなど、飼い主である先パイの嫉妬を買うほどだったが、その際、後輩ちゃんの胸を肉球でフミフミとし続けていたことから、「フミちゃん」という名前を後輩ちゃんによって勝手に付けられている。また、先パイからは主に「猫様」という尊称で呼ばれている。

その他キーワード

お守り (おまもり)

毎週月曜日に会社へ通勤するのがつらいお兄さんを元気づけるため、アイちゃんが渡しているお守り。主にアイちゃんの着ている制服から弾け飛んだボタンのことで、体型に合わないワイシャツを着ているため、毎週のように量産されている。ボタンが弾け飛ばないようにするには、体型に合うワイシャツを着るのが一番なのだが、それらはオーダーメイド品や専門の立体縫製ブランドなどの高価なものしか存在せず、学生の身の上で手に入れることが難しいという理由から見合わせている。また現在も成長中で、数か月と経たないうちに体型が変わることも要因の一つとなっている。お守りを貰えないと悲しむお兄さんに、基本的には高校の制服として着用しているワイシャツのボタンが原材料となることが多いが、まれにバイト先で着ている制服のボタンなどもお守りとして渡されることがある。休みが多かった週は制服を着用する機会も減るため、ボタンが弾けない週もある。そのような時はお兄さんに渡すお守りも必然的になくなってしまい、その度にお兄さんが見ていられないほどのショックを受ける。そのため、アイちゃんは、自分からわざと作り出したりはしないものの、毎週お守りを作れるように意識しているのか、ボタンが取れないように強化するといった対策は取らないようにしている。

書誌情報

月曜日のたわわ 11巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉

第1巻

(2021-04-05発行、 978-4065224342)

第2巻

(2021-08-02発行、 978-4065243473)

第3巻

(2021-12-06発行、 978-4065261750)

第4巻

(2022-04-04発行、 978-4065274729)

第5巻

(2022-08-01発行、 978-4065287934)

第6巻

(2022-12-05発行、 978-4065300626)

第7巻

(2023-05-08発行、 978-4065316917)

第8巻

(2023-08-07発行、 978-4065326589)

第9巻

(2023-12-04発行、 978-4065339459)

第10巻

(2024-05-07発行、 978-4065355886)

第11巻

(2024-09-02発行、 978-4065369159)

月曜日のたわわ 青版 11巻 講談社〈プレミアムKC〉

第1巻

(2021-04-05発行、 978-4065232811)

第2巻

(2021-08-02発行、 978-4065243480)

第3巻

(2021-12-06発行、 978-4065261767)

第4巻

(2022-04-04発行、 978-4065274736)

第5巻

(2022-08-01発行、 978-4065287927)

第6巻

(2022-12-05発行、 978-4065300619)

第7巻

(2023-05-08発行、 978-4065316955)

第8巻

(2023-08-07発行、 978-4065326558)

第9巻

(2023-12-04発行、 978-4065339435)

第10巻

(2024-05-07発行、 978-4065355909)

第11巻

(2024-09-02発行、 978-4065369142)

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