地獄先生ぬ～べ～S

初期作にあたる『地獄先生ぬ～べ～』は集英社「週刊少年ジャンプ」で、1993年38号から1999年24号まで連載された、原作・真倉翔、漫画・岡野剛の人気作品。その後も、続編の『地獄先生ぬ～べ～NEO』が連載され、テレビアニメやオリジナルビデオアニメ、テレビドラマ、ゲームといったメディアミックスが展開される大ヒット作となった。3作目にあたる本作『地獄先生ぬ～べ～S』は、引き続き「ぬ～べ～」こと鵺野鳴介が主人公で、左腕に宿る「鬼の手」を使って童守小学校の児童を襲う悪霊や妖怪と激闘を繰り広げる。

鵺野鳴介が担任を務める童守小学校の5年3組は、北健斗や橘百合愛、卯月星蘭など、『地獄先生ぬ～べ～NEO』に登場した児童たちが引き続き在籍している。彼らのよくも悪くも自由奔放な振る舞いは、しばしば霊的な事件に巻き込まれる要因となるが、鳴介の活躍でさまざまな惨事が阻止されることで、児童たちも鳴介の霊能力を頼りにしている。なお、鳴介の教え子の一人である苫米地茉莉は、初期作『地獄先生ぬ～べ～』で鳴介が受け持っていた生徒・細川美樹の親戚にあたる。

童守町では、非常に高い頻度で子供が悪霊や妖怪に付け狙われる事件が発生していたことから、鵺野鳴介は人為的な介入を疑っていた。そんな中、都市伝説に詳しいという高校生・七節議太郎が現れ、鳴介や児童たちに悪霊や妖怪の存在を警告する。鳴介たちは、七節こそが悪霊や妖怪を呼び寄せている元凶だと考えていたが、のちに真の黒幕である霊能力者「八番目のロア」が姿を現す。八番目のロアはある事情から子供たちに並ならぬ恨みを抱いており、やがて童守小学校の児童たちを皆殺しにしようと動き出す。