概要
多摩丘陵でニュータウンの造成が始まり、狸たちは住処を追われることに。狸たちは、先祖伝来の化け学を再興して人間たちへの抵抗を始める。狸たちの変化術に人間たちは翻弄されるものの、それがニュータウンの開発の阻止につながることはなかった。
いきづまる抵抗運動。そこに、四国から招いた化け学の権威たちが到着。彼らは人間たちの狸たちに対する尊敬と畏怖の念を取り戻させるために妖怪大作戦を行うことを宣言する。
登場人物・キャラクター
正吉 (しょうきち)
子供の頃から人間に興味を持ち、観察していたため人間に詳しい。思慮深く、若手狸の中心となって活躍する。
六代目金長 (ろくだいめきんちょう)
徳島県小松島市の金長大明神の主。58歳。隠神刑部、太三郎禿狸と共に妖怪大作戦を指導。妖怪大作戦が失敗に終わった結果、竜太郎の提案に従うことを提案し、狸たちの支持を失う。しかし、その後も玉三郎と共に狸たちのために全力を尽くし続ける。
おキヨ
正吉の良きパートナーとして活躍。後に正吉と結ばれ子供を生む。
小春 (こはる)
六代目金長の娘。使者に来て病に倒れた玉三郎と恋仲になる。
竜太郎 (りゅうたろう)
人間に化けて人間たちに混じって生きている化け狐。狸たちも人間に混じって生きることをすすめる。
権太 (ごんた)
若手狸の中心の一人。人間たちに対する徹底抗戦を訴える。人間たちと戦い死去。
太三郎禿狸 (たさぶろうはげだぬき)
999歳の最長老狸。四国から隠神刑部、六代目金長と共に上京、妖怪大作戦を指導する。妖怪大作戦が失敗に終わった後、新興宗教にはしる。
鶴亀和尚 (つるかめおしょう)
百五歳の古狸。皆の良きまとめ役として活躍。若手狸たちの教育にあたる。
玉三郎 (たまさぶろう)
メス狸たちに人気がある二枚目の若手狸。化け学に優れたため、四国への使者に選ばれる。六代目金長訪問後、一人娘の小春と結ばれる。
社長 (しゃちょう)
妖怪大作戦を自分たちが建設開発中のテーマパークの宣伝活動として大衆に発表し、狸たちの努力を無にしてしまう。
ぽん吉 (ぽんきち)
正吉の幼馴染。おとなしくて、のんびり家。戦うことを望まず、化け学の修行にも身が入らない。
隠神刑部 (いぬがみぎょうぶ)
松山藩お家騒動に活躍した四国八百八狸の総元締で、603歳。六代目金長と太三郎禿狸とともに東京に来て、妖怪大作戦を行う。作戦中、術の強大さに力尽きる。
火の玉おろく婆 (ひのたまおろくばば)
人間たちの宅地造成による狸の危機にいち早く気がつき、縄張り争いをする狸たちを諭して団結させ、狸たちのリーダーとして活躍する。若手狸たちに化け学を伝授する。
林 (はやし)
神奈川県藤野町に住む狸。藤野町に捨てられる大量の開発残土の出所を調べるために多摩丘陵にやってくる。
お玉 (おたま)
権太の女房。しっかり者。
青左衛門 (せいざえもん)
鈴ヶ森に棲んでいた長老狸。調子の良い日和見主義者。
文太 (ぶんた)
化け学を得意とし、男性狸たちの信認あつい若手狸。佐渡の長老狸に支援を求める使者に選ばれる。
その他キーワード
妖怪大作戦 (ようかいだいさくせん)
『平成狸合戦ポンポコ』に登場する化け学、その秘術。大勢の狸たちが協力して妖怪の百鬼夜行を起こす。
化け学 (ばけがく)
『平成狸合戦ポンポコ』に登場する、狸たちに伝わる変化術。