あらすじ
魔導士になるはずだった
ザルテンブルグ王国の王都で暮らすデイジー・フォン・プレスラリアは、魔導士としての才能にあふれた両親と兄姉を持ち、自分も洗礼式で魔導士の職業を授けられて、家族のために働くことを夢見ていた。しかし5歳になり、洗礼式を受けるために訪れた神殿で、デイジーはその思いに反して錬金術師の職業を授かることとなった。これまで、家名にふさわしくない職業を授けられたことで虐げられる女性の夢を幾度となく見てきたデイジーは、自分も彼女と同じ「いらない子」なのだとショックを受け、部屋に閉じこもってしまう。一方、デイジーの父親にしてザルテンブルグ王国魔導士団・副魔導士長を務めるヘンリー・フォン・プレスラリアは、もともとデイジーがどんな職業を授かろうが、彼女の将来を応援するつもりでいた。そして彼は、デイジーが錬金術に興味を持てるよう、敷地内に実験室を作ったり錬金術の教本を取り寄せたりと、精力的に奔走する。そんな中、いつしか眠りについていたデイジーは、いつもの悪夢だけでなく、それに続く夢を見ていた。
ポーションを作ろう
家族たちに錬金術師になる将来を応援されたデイジー・フォン・プレスラリアは、ヘンリー・フォン・プレスラリアにプレゼントされた錬金術の教本を手に、さっそくさまざまなことを調べて回っていた。そんな中、自らの持つ「鑑定」のスキルが錬金術と非常に相性がいいことに気づいたデイジーは、質は今一つながらも独学でいきなりポーションを製作することに成功。このことを打ち明けられたヘンリーは、スキルのことは本当に信頼できる人以外には伏せておくよう言い含めると同時に、デイジーの錬金術の才能を褒めたたえるのだった。こうしてさらに錬金術の腕を磨いていく中、デイジーは優れた素材を手に入れるため、庭師のダンの協力のもと、自ら素材畑を作成。その甲斐(かい)あって、通常の1.5倍の効果を持つポーションやマナポーション、ハイポーションの製作に成功する。しかもこれは自分の畑から採れる素材を使っていることもあって、安定供給も可能という優れものだった。これらはヘンリーの口利きのもと、ザルテンブルグ王国の騎士団・魔導士団に高額で納入されることが決定。これにより王国の首脳陣のあいだにも、デイジーの才能が知れ渡ることとなる。
頼れる助手、誕生
6歳の誕生日を迎えた朝、デイジー・フォン・プレスラリアは自分のステータスに変化が起きていることに気づく。一つ目は「隠蔽」のスキルの修得で、デイジーはさっそくこのスキルを利用して、自分の持つ「鑑定」スキルがバレないように隠蔽する。そして二つ目は、「精霊王の加護」というギフトを授けられていることだった。訳もわからず素材畑に向かったデイジーは、そこに多くの妖精の姿を発見。彼女たちは緑の妖精で、これまで人知れずデイジーの手助けをしてきたが、デイジーと直接話をしたいため、緑の精霊王に頼んでデイジーにギフトを授けてもらったのだという。その後、町で自分と同じように鑑定スキルを持つ少年、マーカスを発見したデイジーは、彼を助手としてスカウト。マーカスも緑の妖精たちと話ができるようにしてもらい、二人三脚で錬金術の腕を磨いていく。
王都騒乱
7歳の誕生日を迎え、国王から遠心分離機をプレゼントしてもらったデイジー・フォン・プレスラリアは、念願だったクレーム・シャンティが作れると、喜び勇んで材料を買いに向かった。だが買い物している最中、王都に緊急避難命令が発令される。聞けば、南から魔獣の群れがせまっているという。避難の準備をするため屋敷へと戻ったデイジーは、そこで今週分のポーションをまだ納品してないことに思い至り、後方支援をしようとポーションを持てるだけ持って王都の南門へと走る。そこでは兵士たちが必死に魔獣を食い止め、一進一退の攻防を繰り広げていた。デイジーは彼らにポーションを配って回り、その甲斐あって戦線はどうにか保たれていたが、そんな中、突然南門が破壊され、あまりにも巨大な魔獣が王都へと侵入して来る。それは伝説級の魔獣、ベヒーモスだった。その戦闘力は凶悪の一言で、騎士団や魔導士団、そして冒険者たちが総動員で挑むものの、それでも満足なダメージを与えるには至らない。それどころか、敵の猛攻に耐え切れない兵士たちがバタバタと倒れていく。手元のポーションもなくなり、デイジーは自分の無力さに嘆き悲しむが、そんな彼女の前に一人の人物が姿を現す。そして彼はデイジーに、何をそんなに悲しむのかと声をかけるのだった。
登場人物・キャラクター
デイジー・フォン・プレスラリア
ザルテンブルグ王国の子爵位を持つ貴族「プレスラリア家」の第三子にして次女。金髪のセミロングヘアをゆるく三つ編みにして、頭に花飾りを付けている。人当たりのいい穏やかな性格で、かわいらしい顔立ちの少女。幼い頃から年齢のわりにまじめで礼儀作法もしっかりしており、芯も強い。幼い頃、植物好きが高じてか、非常に珍しい「鑑定」のスキルが芽生え、植物をはじめ物の状態を的確に見抜けるようになった。実はかつてデイジー・フォン・プレスラリアの身体には、デイジー本人と、彼女が「お姉ちゃん」と呼ぶ女性の二つの精神が宿っており、互いにその存在を認識していた。デイジーは幼い頃から年のわりに非常に賢かったが、それはお姉ちゃんが前世で学んだ知識をすべてデイジーに残してくれたことが大きく影響している。5歳になって洗礼式を受けたところ、父親や兄姉と同じ魔導士になりたいという思いに反し、錬金術師の職業を授かることになった。当初は大きなショックを受けて落ち込んでいたものの、家族の愛情に支えられて前を向き、持ち前の向上心と思考力からめきめきと頭角を現し、並外れた錬金術の才能を開花させていく。実は非常に幼い頃から緑の精霊たちに好意を抱かれており、デイジーの知らないところで協力してもらっていた。業を煮やした緑の妖精たちが緑の精霊王に直談判したことで、デイジーの6歳の誕生日に、ギフト「緑の精霊王の加護」が発現。これによって、緑の妖精たちが見えるようになり、言葉を交わすこともできるようになった。さらにその後、デイジーが7歳になった時と同じくしてザルテンブルグ王国の王都が魔獣、ベヒーモスに襲われた際には、「緑の精霊王の愛し子」というギフトを発現させて緑の精霊王の庇護(ひご)を受けるようになり、国にとってもなくてはならない存在となる。ちなみに将来の夢は、一人前の錬金術師になって独立し、王都にアトリエを構えること。
ヘンリー・フォン・プレスラリア
ザルテンブルグ王国の子爵位を持つ貴族「プレスラリア家」の当主の青年。デイジー・フォン・プレスラリアら三きょうだいの父親。ショートヘアの若々しいイケメンで、落ち着いた性格をしている。魔導士として優れた才能の持ち主で、特に火属性の魔法を得意としており、「【劫炎】のヘンリー」の異名を持つ。ザルテンブルグ王国魔導士団・副魔導士長を務めている、国家の重要人物の一人。有事の際には自ら魔導士団を率いて最前線に立つ。子供たちのことを心から愛しており、デイジーが洗礼式で錬金術師の職業を授かった際には、彼女の気持ちを思いやりつつも、錬金術師として前向きに道を進んでいけるよう、敷地内に実験室を作ってあげたりと温かく支え続けた。またデイジーが、その力を巡って戦争が起きても不思議ではないほどの、「緑の精霊王の愛し子」のギフトを発現させたことを知った際にも、デイジー自身が今後どのような人生を歩みたいのかを真っ先に確認するなど、子供の気持ちに寄り添うことを忘れない。
セバス
ザルテンブルグ王国の子爵位を持つ貴族「プレスラリア家」に、執事として仕える初老の男性。周囲の人たちからは「セバス」と呼ばれているが、本名は「セバスチャン」という。白髪のショートヘアに口ひげを生やし、左目にモノクルをかけている。物腰が非常に穏やかで、プレスラリア家の子供たちの成長を温かく見守っている。プレスラリア家の家族の世話をはじめ、庭師のダンと協力して花壇を美しく保ったりと、オールマイティにこなすやり手。
ケイト
ザルテンブルグ王国の子爵位を持つ貴族「プレスラリア家」に、侍女として仕える若い女性。ショートボブヘアの凛(りん)とした美人。心優しいしっかり者で、プレスラリア家の子供たちと接する機会が多い。デイジー・フォン・プレスラリアにも慕われており、デイジーの錬金術の実験にもよく付き合っている。
ダン
ザルテンブルグ王国の子爵位を持つ貴族「プレスラリア家」に、庭師として仕える青年。髪を短く整えた、快活で誠実な性格の持ち主。庭師としての腕は確かで、執事のセバスと協力してプレスラリア家の庭を美しく保っている。職業柄、植物に関して非常に造詣が深く、デイジー・フォン・プレスラリアが錬金術のため敷地内に素材畑を作ろうとした際にも快く協力し、大きな役割を果たす。いざという時には護身用ナイフを手に、わが身の危険を顧みず、デイジーを守るために人の身の丈ほどもあるキラーラビットと渡り合うなど、忠誠心も強く相応の戦闘能力も備える。
お姉ちゃん (おねえちゃん)
かつて、デイジー・フォン・プレスラリアの身体に宿っていた若い女性の精神。デイジーとは互いにその存在を認知しており、「お姉ちゃん」と呼ばれていた。もともとは貴族の男爵家に生まれたが、洗礼式で「侍女」の職業を授けられ、家名を気にする両親に疎まれながら育った。周りの目を気にしてか、侍女としての教育は受けたものの、付けられた専属の教育係は非常に厳しく、体罰も辞さない人物だった。そのような環境の中、読み書き計算、礼儀やマナーを叩(たた)きこまれ、10歳で勤め先が決まるや否や実家から追い出されることとなった。それから数年後に不治の病に侵されるが、実家には引き取りを拒否され、雇い主の家の屋敷の離れに隔離されたまま、その生涯を閉じた。亡くなる際に遺した「愛されたかった」という願いが聞き届けられたのか、それまでの意識を保ったままで、新生したデイジーの中に精神だけが転生。以来、デイジーと共にプレスラリア家の家族の愛を受け、幸せな時を過ごしてきた。だがある時、一つの身体に二つの精神が入っている状態を危険視し、デイジーに危害が及ばないようにと、前世で学んだ知識だけをすべてデイジーに残したうえで、自らの意志で消滅した。
ユリア・フォン・アストラ
ザルテンブルグ王国の男爵位を持つ貴族「アストラ家」の若き夫人。かつて宮廷魔術師を務めていた実力者。ロングヘアでスタイル抜群の、おっとりとした顔立ちをした美女。火、風、土、水各属性魔法を高いレベルで使いこなし、デイジー・フォン・プレスラリアらプレスラリア家の子供たちの魔法の家庭教師を務めている。
マーカス
ザルテンブルグ王国の王都の錬金屋で働いていた少年。初登場時は7歳で、デイジーより1歳年上。ショートヘアで快活な性格をしており、平民の出身ということもあって少々言葉が荒っぽい。貴重な「鑑定」のスキルの持ち主で、質の悪い素材を使うことに反対し続けた末に働いていた錬金屋を追い出され、たまたまその場を通りかかったデイジー・フォン・プレスラリアと知り合った。マーカスの言葉から鑑定のスキルを持っていることに気づいたデイジーに誘われ、彼女の助手として、プレスラリア家の住み込みの使用人として迎えられることとなった。仕事に対しては非常にまじめで、デイジーの指導のもと、助手として錬金術の技術を磨いていく。また、同時に緑の精霊王の力により、デイジーと同様に緑の妖精たちが見えるようになった。実は父親が2年前に亡くなり、母親は病気でさらに小さい弟妹がいることから、家計はマーカス一人に頼り切りという厳しい状態にあった。だが、ヘンリー・フォン・プレスラリアの厚意で非常に高価なハイポーションを譲り受け、母親の病気は快方へと向かうこととなった。
マルク
ザルテンブルグ王国でも名の知られた冒険者の青年。レティアとコンビを組んでいる。金髪のショートヘアでフランクな性格をしており、つねに飄々(ひょうひょう)とした余裕のある態度を崩さない。主に柄の長い斧槍(ふそう)を使って戦う。その腕はかなりのもので、城の衛兵が五人がかりでどうにか対処するような魔獣を相手にしても、マルク一人で簡単に圧倒するほど。王都に伝説級の魔獣、ベヒーモスが出現した際には、ザルテンブルグ王国の騎士団やヘンリー・フォン・プレスラリア率いる魔導士団と協力しながら、主力を担った。ちなみに、ミィナの両親とは同じ冒険者ということもあって、面識がある。
レティア
ザルテンブルグ王国でも名の知られた冒険者の女性。マルクとコンビを組んでいる。黒髪ロングヘアの凛とした美人で、少々堅苦しい言葉遣いで話す。主に反りのある片刃の長剣を駆使した抜刀術を用いて戦う。その腕はかなりのもので、城の衛兵が五人がかりでどうにか対処するような魔獣を相手にしても、レティア一人で簡単に圧倒するほど。王都に伝説級の魔獣、ベヒーモスが出現した際には、ザルテンブルグ王国の騎士団やヘンリー・フォン・プレスラリア率いる魔導士団と協力しながら、主力を担った。ちなみに、ミィナの両親とは同じ冒険者ということもあって、面識がある。
緑の妖精 (みどりのようせい)
植物にかかわる妖精。背中に羽を生やした、手のひらサイズの小さな少女のような姿をしている。デイジー・フォン・プレスラリアが錬金術で作る畑の栄養剤が大好きで、デイジーのことも気に入っており、彼女を見守りながら、時には積極的に手助けもしてきた。デイジーの素材畑が害虫に荒らされなかったり、それまでいっさい使えなかった風の魔法がいきなり使えるようになったのも、緑の妖精たちの手助けによるものである。基本的に人間にはその姿は見えず、緑の妖精たちも、もともとは勝手にデイジーの手助けをするだけだったが、なんとか意思疎通を図りたいと考え、デイジーが6歳の誕生日を迎えたところで緑の精霊王に願い出て、デイジーにギフト「精霊王の加護」を与えてもらった。それ以来、デイジーにも姿が見えるようになり、言葉を交わすこともできるようになった。ちなみに、マーカスがデイジーの助手になってからは、彼にも畑仕事を手伝って欲しいというデイジーの希望を受け、緑の精霊王に頼んでマーカスにも緑の妖精たちの姿が見えるようにしてもらった。
緑の精霊王 (みどりのせいれいおう)
背中に鳥のような大きな翼を持つ男性。輝くような淡い色のストレートロングヘアに、落ち着いていながらも威厳に満ちた耽美な顔立ちをしている。緑の精霊王の庇護を受ける者は、ギフト「緑の精霊王の愛し子」を授けられるという伝説がある。そして、その愛し子が健やかに過ごせる国は豊穣の恩恵を受けるが、反面不幸にさらされるようなことがあれば、愛し子は緑の精霊の国に連れ去られると同時にその国は見捨てられ、不毛な砂漠の地に変わるといわれている。もともとは、デイジー・フォン・プレスラリアのことを慈しみながらひそかに見守っていたが、緑の妖精たちのたっての希望で、彼女たちがデイジーと意思疎通を図れるよう、デイジーにギフト「精霊王の加護」を授けた。ザルテンブルグ王国の王都が伝説級の魔獣、ベヒーモスに襲撃された際には、苦戦する人々の姿を見て胸を痛めるデイジーの前に初めて姿を現し、デイジーの悲しみは自分の悲しみであると語り、事態を打開するために植物の根のようなものでベヒーモスを捕縛。同時に魔力防御も解除し、ベヒーモス撃退のための大きな役割を果たした。この時、デイジーには新たにギフト「精霊王の愛し子」を授けている。ちなみに、デイジー以外にはその姿を見ることはできず、緑の精霊王がその力を発揮する際には、周囲からはデイジーの身体が緑色に光っているように見える。
ミィナ
冒険者の両親を持つ少女。一見ふつうの人間だが、猫のような耳と尻尾がある。ザルテンブルグ王国の王都が伝説級の魔獣、ベヒーモスに襲撃された際に、冒険者だった両親を亡くした。ひとまずは同じ冒険者仲間だったマルクとレティアのもとに身を寄せたものの、彼らも任務があるため預かり続けることも難しく、この一件に関する遺族受付の手続きに来たところでデイジー・フォン・プレスラリアと出会い、ヘンリー・フォン・プレスラリアの厚意で、プレスラリア家に身を寄せることとなった。両親との死別という大きすぎる出来事により、当初はオドオドした様子を見せていたものの、プレスラリア家に引き取られてからは、優しい人々に囲まれて明るさを取り戻していく。幼いながら、料理と家事を得意としている。
ベヒーモス
ザルテンブルグ王国の王都に突如現れた伝説級の魔獣。家数軒分ものサイズの巨体だが、それでもベヒーモスの中では小さい個体。それでいてデイジー・フォン・プレスラリアの鑑定能力をもってしても各能力が「鑑定不能」とされるほどの、非常に危険な存在。尻尾や腕による物理攻撃、口から放つ魔弾は、いずれも一撃必殺の破壊力が秘められている。また体には魔力防御が張り巡らされており、その巨体もあって生半可な攻撃はものともしない。王都を囲むように築かれた、非常に高く堅牢な外壁を破って王都に侵入し、騎士団や魔導士団、冒険者たちと死闘を繰り広げた。
その他キーワード
鑑定 (かんてい)
人が成長に伴って身につける「スキル」の一種。植物や物の状態を文章化して明確に把握することが可能で、人間やモンスターの能力も見ることができる。スキルのレベルが上がると、道具を見ただけで、その製作者がわかるようにもなる。その性質上、強力かつレアなスキルとなっており、一国に片手で数えられるほどしかいないとされ、非常に重用される。デイジー・フォン・プレスラリアは5歳の頃に、植物の世話を通してこの「鑑定」のスキルを修得したが、勝手に能力を見られるのは嫌なはずだと自制し、人に対してはこのスキルを使わず、同時に自分が鑑定のスキルを持つことも周囲に秘密にしていた。
職業 (しょくぎょう)
ザルテンブルグ王国の国民が、5歳になった時に教会で洗礼式を受けた際に神から与えられる、個人の適性のようなもの。洗礼式では水晶に手をかざし、そこから適性を読み取ったうえで、職業証明書が発行される。この証明書は改竄(かいざん)することはできない。必ずしもそれを生業とする必要はないものの、与えられた職業に関連するスキルほど成長しやすくなるため、基本的には職業と同様の職に就くことが推奨される。ザルテンブルグ王国においては、騎士や魔導士、優秀な文官職が人気となっており、人気職を与えられた者は就職が有利になる傾向がある。また、それらの職業は子に遺伝する確率も高いため、結婚相手としても引く手あまたとなる。
錬金術師 (れんきんじゅつし)
さまざまな素材から特殊な効果を持つ道具を作り出す業種、および洗礼式で与えられる職業の一種。デイジー・フォン・プレスラリアが、5歳の時に受けた洗礼式でこの錬金術師の職業を授かることとなった。回復魔法で人々を癒す回復術師が花形の職業であるのに対し、錬金術師はポーションなどで数の少ない回復術師の代わりを担う、あくまで代替という見方が強く、一般に不遇職と見なされている。錬金術師を極めれば、不老不死の妙薬「エリクサー」、あらゆる知恵の結晶「賢者の石」を作れるなどという言い伝えも残ってはいるものの、実際に目にした者はいない。
クレジット
- 原作
-
yocco
- キャラクター原案
-
純粋
書誌情報
王都の外れの錬金術師 ~ハズレ職業だったので、のんびりお店経営します~ 5巻 KADOKAWA〈電撃コミックスNEXT〉
第2巻
(2022-04-27発行、 978-4049143775)
第3巻
(2022-12-26発行、 978-4049147322)
第4巻
(2023-10-27発行、 978-4049153743)
第5巻
(2024-09-27発行、 978-4049159318)