ニセモノの錬金術師

ニセモノの錬金術師

うめ丸の代表作の一つ。『僕の妻は感情がない』を代表作とする杉浦次郎が原作を務めるweb漫画『ニセモノの錬金術師』の商業連載作品。剣と魔法の異世界に転生した日本人の青年・パラケルススの活躍を描く、異世界サバイバルダークファンタジー。さまざまな陰謀うず巻く異世界で、パラケルススと仲間たちが知恵と機転を生かして危機を乗り越える姿が見どころとなっている。KADOKAWA「ComicWalker」2023年6月3日より配信の作品。

正式名称
ニセモノの錬金術師
ふりがな
にせもののれんきんじゅつし
原作者
杉浦 次郎
作画
ジャンル
転生
 
錬金術
レーベル
MFC(KADOKAWA)
巻数
既刊3巻
関連商品
Amazon 楽天

ニセモノ錬金術師の奮闘記

本作は、杉浦次郎がpixivで連載していたweb漫画『ニセモノの錬金術師』を元とする。『ニセモノの錬金術師』はラフ画掲載されたweb漫画で、異世界に転生した主人公が奮闘するというはやりの世界観を踏襲しつつも、緻密に練られた世界観と斬新なアイデアが受けて大きな反響を呼び、「次にくるマンガ大賞2022年」のweb漫画部門で12位にランクインしている。杉浦次郎は同時期に『僕の妻は感情がない』を連載しており、こちらも同大賞の「コミックス部門」で6位にランクインし、ダブル受賞という快挙を果たした。本作はラフ画だった原作の作画をうめ丸がリメイクした商業連載版で、web版を忠実に再現しつつ、美麗な作画とともに繊細なストーリー展開が楽しめる。

錬金術師、奴隷を買う

主人公のパラケルススは交通事故に遭って異世界へと転生させられ、神的な存在であるアレウスに二つの「チートスキル」を与えられる。パラケルススは異世界で平和に暮らすため、レシピの手順どおりに行えばなんでも作ることのできる「天地万物のレシピ」と「セーブメーカー」の能力を使って錬金術師として働いていた。やがて仕事が軌道に乗ってくると人手不足を実感するが、チートスキルの秘密を守るため、大っぴらに人を雇うことができないパラケルススは奴隷を買うことを決める。パラケルススは奴隷として売られていたノラ・ペタンという少女を購入するが、パラケルススは奴隷のシステムをよく理解していなかったため、1日で彼女との奴隷契約は終了してしまう。だが、お互いに利益を得られる関係性を認識した二人は、奴隷契約を継続することを決め、錬金術師と奴隷の奇妙な生活が始まるのだった。

権謀術数うず巻く異世界

ノラ・ペタンは「天地万物のレシピ」を使っているパラケルススを前にして、ふと閃いてレシピ帳を奪い取る。するとアレウスの幻影が現れ、彼は多くの日本人を異世界に送り、チートスキルを二つ与えていることや、彼らからそのスキルを奪えることを教えられる。異世界から送られる日本人は、アレウスがあえて世界中に撒いた争いの種であり、ノラはパラケルススが現地の人間からも同郷の人間からも狙われる存在であることを知る。ノラはパラケルススに「天地万物のレシピ」を返却し、その事実を彼に伝えて二人で自衛の手段を考える。しかしパラケルススは、どこか平和ボケして無防備であるため、ノラは人知れずまだ見ぬ敵と戦う決意を固める。また錬金術師たちもパラケルススの異変に気づき始め、彼らは暗躍を始めていた。

登場人物・キャラクター

パラケルスス

異世界に転移した日本人の青年。左眉毛に縦一文字の傷があり、冴えない風貌をしている。異世界に転移する際、アレウスと呼ばれる謎の存在に力を与えられるが、暴力を嫌悪しているため、戦闘になるべく巻き込まれないように、あらゆる物を作ることできる「天地万物のレシピ」と、記録をした時間・場所からやり直しのできる「セーブメーカー」という非戦闘系の二つのチートスキルを選んでいる。天地万物のレシピの能力を使いながら、「錬金術師」としてさまざまな商品を作り、それを売って暮らしている。その際に日本名ではなく「パラケルスス」と名乗るようになる。日本名は不明。錬金術師としての仕事が軌道に乗ると人手が足りなくなり、奴隷のノラ・ペタンを購入した。しかし奴隷のシステムをよく理解していなかったため、わずか1日でノラとの契約が終了してしまう。以降はお互いに利益になりそうだとの理由で、奴隷契約を継続している。天地万物のレシピは右手に作りたいもののレシピが出てくるという能力で、その手順どおりに行えばなんでも作ることができる。どんなレシピも5つまで書き出すことができ、実物を作るまではレシピは消えない。

ノラ・ペタン

異国出身の奴隷の少女。長い黒髪に褐色の肌を持つ。スレンダーな体型で三白眼とソバカス顔のため、比較的安い値段で売られていた。ある日、お人よしのパラケルススに、ボロボロの状態だったエルフの奴隷・ココと共に20万ゼニーで買われた。表向きは主人に従順だが勝ち気な性格で、バカな振る舞いをしながら奴隷から早く解放されることを望んでいる。パラケルススがお人よしな性格だと見抜くと、夜伽の相手まで買って出た。奴隷は契約の魔術によって縛られているが、その人権は法律によって認められており、主人が奴隷に感謝を示すと、それが奴隷に支払うべき給料となるシステムとなっている。パラケルススの夜伽の相手をして1日で200万ゼニーを稼ぎ、奴隷解放に必要な80万ゼニーを彼に支払い、実質的に奴隷から解放された。しかしパラケルススの人柄を気に入ったこともあり、奴隷契約を継続している。実は異国の呪術師の家系に生まれ、父親の霊が自らに取り憑いている。父親から呪術の手ほどきを受けたため、呪術に関する造詣は深い。

クレジット

原作

書誌情報

ニセモノの錬金術師 3巻 KADOKAWA〈MFC〉

第1巻

(2024-01-23発行、 978-4046828132)

第2巻

(2024-02-22発行、 978-4046830432)

第3巻

(2024-09-21発行、 978-4046839244)

SHARE
EC
Amazon
logo