陰キャ男子と陽キャギャルの波乱のラブコメディ
本作は、釣りと魚料理をテーマに、24年間彼女がいない陰キャサラリーマンの釣谷一尋を主人公にしている。人付き合いが苦手な一尋の唯一の趣味は、休日に一人で釣りに出かけ、釣った魚を自ら料理することだった。そんな一尋はある日、海釣りの最中に、釣りも料理も初心者の春澤祭と出会う。これ以降、祭に釣りや料理の楽しさを教えたり、いっしょに釣りに出かけたりするうちに、二人の距離は徐々に縮まっていく。本作は綿密な取材に基づいたリアルな釣り技術や用語の解説、そして魚や釣りの描写が見どころとなっている。また、毎回異なる魚料理とそれに合うお酒が紹介されており、大人向けのグルメ要素も楽しむことができる。さらに、実在する釣り船や飲食店も登場する。
社長令嬢との釣りライフ
ある休日、海釣りを楽しんでいた一尋は、派手な水着を身にまとい、異常にテンションが高い謎のギャル、祭と出会う。船でとなり合わせた祭に、一尋は釣りの指導を始めるが、彼女が鯛を釣り上げた瞬間、ビキニが外れるというハプニングが起こってしまう。その後、祭が新入社員として会社に現れると、なんと彼女は社長の娘であることが判明し、祭に手を出すとクビになるという噂が広がる。さらに、祭は胸を見られたことを理由に、一尋に釣りや料理を教えてほしいと頼むようになる。当初、一人で穏やかな時間を過ごすことを好んでいた一尋が、純粋に釣りやグルメを楽しむ祭の言動を見るたびに、彼自身の幼い頃の純真な気持ちを思い出すようになっていく。
恋の行方と広がる人間関係
一尋と祭は、釣りや料理を教え合う中で、互いの家を行き来するほど親密な関係を築いていた。二人はさまざまな釣りスポットに出かけ、新たな釣りに挑戦していく。しかし、ギャル好きな総務課の小桜波乃は、彼らの関係を怪しむようになる。そんなことを知らずに、祭と彼女の弟妹を連れて潮干狩りに出かけた一尋は、波乃があとをつけてきたことでアナジャコ釣り対決をすることになる。その後も、一尋が祭に好意を抱いていると誤解した波乃は、釣りメンバーに加わることが増えていく。そんな中、子煩悩な祭の父親、春澤社長は、娘に近づく一尋の調査を始める。大胆で経験豊富に見える一方で、実は初心な一面も持つ祭が、楽しい釣りや職場での出来事を通じて一尋との距離を縮めていく様子が描かれる。また、祭との出会いや交流を通じて広がっていく一尋の人間関係や、明るく賑やかになっていく彼の日常も、本作の魅力となっている。
登場人物・キャラクター
釣谷 一尋 (つるや ひとひろ)
東京の印刷会社「HALL PRINTING」の製造部第一課DTP科に勤務する、社会人3年目の男性。年齢は24歳。ショートヘアの癖毛が特徴的で、社内では「るーやん」と呼ばれている。静岡県掛川市出身で、実家は酒屋を営んでいる。根っからのインドア派で、これまで彼女ができたことはない。社内では目立たない存在だが、幼少期からの趣味である釣りには情熱を注いでおり、週末に自分が釣った魚を食べるのが至福のひとときとなっている。海釣りで偶然出会った祭と、まさかの同僚となるが、彼女に片思いしている総務課の波乃からは、一方的にライバル視されている。
春澤 祭 (はるさわ まつり)
東京の印刷会社「HALL PRINTING」の社長令嬢。愛称は「ギャル澤さん」。明るい茶色のロングヘアをポニーテールにし、サイドをピンクに染めている。スタイル抜群の巨乳ギャルで、露出度の高い派手な服装を好んで着用している。一人称は「ウチ」で、ハイテンションな大阪弁を交えたギャル口調で話す。初心者ながら海釣りに挑戦した際に一尋と出会い、彼に半裸を見られたことをきっかけに、半ば強引に釣りと料理を教わることになる。その後、HALL PRINTINGの総務課に入社し、仕事でも一尋の後輩となる。大阪の田舎で育ったため虫は平気だが、山育ちのため海や釣りに関しては知識が乏しい。
書誌情報
釣って食べたいギャル澤さん 4巻 集英社〈ヤングジャンプコミックス〉
第1巻
(2024-09-19発行、978-4088933955)
第2巻
(2025-02-18発行、978-4088935669)
第3巻
(2025-07-17発行、978-4088937496)
第4巻
(2025-11-19発行、978-4088938905)







