あらすじ
第1巻
魔王の城に人間の王が捕えられていた。その王の首を刎ねれば、ついに魔王による世界征服が達成される。だがその瞬間、魔王の前に勇者が姿を現す。そして勇者はその圧倒的な力を見せつけると同時に、突如として魔王に愛を告白し、自分と付き合ってくれと言い出すのだった。(第1話「勇者と魔王」。ほか、9エピソード収録)
第2巻
四天王の一人であるエリザベスの転移魔法によって、魔王は大魔王の城に送り込まれることとなった。しかし、勇者は魔王を追って大魔王の城に突入し、そこで勇者と大魔王の壮絶な戦いが始まる。その内容は、自分がいかに魔王とイチャイチャしたことがあるかという自慢大会であった。(第12話「勇者と恐るべき戦い」。ほか、7エピソード収録)
登場人物・キャラクター
魔王
魔族の指導者で、年齢は17歳。人間の少女と変わらない姿をしているが、耳が長く羊のような角と尻尾が生えている。最初は命が惜しいという理由で勇者と付き合うことを決めたが、次第に彼にほだされるようになり、ついにはベタ惚れになってしまう。褒められることに慣れておらず、ちょっと容姿を褒められるとすぐに頰を赤らめてしまう純情な性格の持ち主。7歳の時に勇者と会ったことがあるが、魔王自身はそのことを覚えていない。父親である大魔王の命令で、地上を征服するために魔王軍を率いている。大魔王以外にその名で呼ぶ者はいないが、本名は「マオ」。
勇者
レベルが1万もある最強無敵の勇者で、17歳の少年。まだ勇者になる前、7歳の時に魔王と出会って一目惚れし、魔王に相応しい男になるために努力をしてレベル1万の実力を手に入れた。魔王と再会した際に告白し、その圧倒的な力を恐れた彼女に受け入れられ、交際するようになる。本名は「ユーシャ」。
メダマン
魔王の側近を務め、その地位は魔王軍四天王よりも高い。大きな目玉に翼が生えた姿をしており、年齢や性別、種族などは不明。比較的常識をわきまえた存在であり、魔王が敵である勇者にほだされていく様子を苦々しく思っている。時折二人の関係を妨害しようとするが、基本的にうまくいかない。
ポイズン
魔王軍四天王の一人。種族などは不明だが、外見は若い女性の姿をしている。さまざまな薬品をあやつる毒物の使い手で、「毒師」の異名で呼ばれている。同性愛者ながら、魔王に恋愛感情を抱いているが、のちにゴーレムにも惚れてしまう。
ゴーレム
魔王軍四天王の一人。一見、巨大なロボットのような姿をしているが、それは装着している部分のゴーレムであり、中には小柄な若い女性が乗っている。ゴーレムを装着した状態では、魔王軍の中でも屈指の怪力を誇る。
エリザベス
魔王軍四天王の一人。筋肉質な女性の体で、頭部には鋭い角があり、「鬼神」の異名で知られている。いかつい外見に似合わず恋話が大好きで、魔王と勇者の恋愛を応援している。転移魔法の使い手で、魔王を大魔王のもとに送り込んで勇者にあとを追わせた。
マイカ
魔王軍四天王の一人で、魔王の妹。大魔王の三女で、「小魔王」の異名で呼ばれている。耳が長く尻尾があるのは魔王と同じだが、魔王にある羊のような角は生えていない。魔王と同じで褒められることに慣れておらず、ちょっと容姿を褒められるとすぐに頰を赤らめてしまう純情な性格をしている。
大魔王
魔王とマイカの父親にして、魔界の支配者。世界を征服させるために魔王を地上に送り込んだ張本人だが、実は極度の親馬鹿であり、魔王のことを溺愛している。その実力は、レベル1万の勇者とも互角に渡り合えるほど高い。
マホ
勇者の仲間で、魔法使いの少女。極めて有能な魔法使いであることから傲慢な性格の持ち主だったが、勇者の圧倒的な実力の前にひれ伏し、同時に勇者に対して恋愛感情を抱くようになった。途中で置いて行かれてしまったため、勇者と魔王の対面の時には同行していない。
セン・シナオン
勇者の仲間の若い女性戦士。戦闘能力は高いがかなりの好色家で、初対面の時から勇者に対して色仕掛けでせまったこともあり、マホからは煙たがられている。両親を先代の魔王との戦いで失っており、その復讐のために旅をしている。