概要・あらすじ
猫の少女たるとは優しいご主人の最中庵のもとで幸せな日々を過ごしている。猫の親友、ちとせやシャルロッテたちとも遊んだりケンカしたりと充実した毎日である。ただ、猫たちに伝わる伝説…異世界の魔法使い猫のお姫様が行方不明であるという「キンカの姫猫伝説」をきいてから、そのお姫様が自分ではないかと思い悩んでいる。
登場人物・キャラクター
たると
長い髪を後ろで三つ編みにし、エプロンドレスをつけた少女の子猫。きれいで長いしっぽを持っており、話しの語尾に「にゃーの」をつけるのが特徴。日々、魔法の修業に励んでいる。飼い主の大学生最中庵が大好きで、いつか彼と結ばれることを夢見ている。 猫たちに伝わる「キンカの姫猫伝説」に出てくる行方不明となった魔法い猫のお姫様を知ると、ノーコンながら魔法が使える自分がその姫だと思い込み、姫として恥ずかしくないように生きようとする。 しかし、お姫様になると庵と別れてしまうことになるため、姫と恋の狭間で悩んだりしている。名前はお菓子のタルトより命名。
シャルロッテ
金髪の長い髪を持つ、血統書付きのペルシャ猫。しかし、野良であったため保健所らしき所にいた経験がある。現在は、たるとの良き友達で遊び仲間。勝気で面倒見が良く、誇り高い性格で、たるとが信じている「キンカの姫猫伝説」も、おとぎ話しと軽く笑い飛ばす。 名前はお菓子のシャルロットから命名。
ちとせ
ストレートの長い髪に和服を着たジャパニーズ・ボブテイル。しっぽにうるさい「しっぽフェチ」で、たるとのしっぽはお気に入り。しっぽを触るだけで、どの猫かわかるという特技を持つ。「こがね屋」という駄菓子屋の猫で、たるとの親友。 「キンカの姫猫伝説」は、作り話と思っているが、猫たちにとっては大切な神話として尊重している。和服が似合うわりには、強肩の持ち主である。名前は千歳飴から命名。
かきえもん
モモンガの少年である。通称かきピー。空腹のあまり飛ぶ力を失い墜落しかけたところをたるとの魔法で助けてもらった。そのため、丘科町で唯一たるとが伝説のキンカ姫であると信じている。名前は柿ピーから命名。
シフォン
ロングヘアに赤いチャイナドレス、眼鏡をかけて分厚い本を読んでいる、お姉さん猫。学者の櫻持教授に飼われているため博識。猫たちの相談相手になっている。自分で出歩くことはなく、運動神経はなし。猫たちに変な入れ知恵をする老猫の洛雁に手を焼いている。 「キンカの姫猫伝説」については論理的に考えている。名前はシフォンケーキより命名。
洛雁 (らくがん)
長い眉毛にシワシワの顔、首には数珠をかけ、手には杖を持っている老猫。神社の軒下に住みついている自称「大魔法使い」で、たるとを弟子にしている。実際、魔法は使えず、手品程度の化法ができるのみ。知識と応用力はあるが、ほら吹きで臆病。 大事な時に役に立たない困り者である。名前は落雁より命名。
ガレット
スーツにサングラス、帽子をかぶったハードボイルドな猫。自分の気持ちや感情をあまり表に出すことはない。実は、音痴。岡木月平の飼い猫である。名前はお菓子のガレットから命名。
最中 庵 (もなか いおり)
たるとの飼い主の青年。大学を休学し、お菓子作りに情熱のすべてを注ぎこみ、常に新作を考えている。猫マニアのお嬢様、道明寺杏子に一目惚れをし、彼女に喜んでもらうためにお菓子を作りプレゼントしている。 ノンキでマイペース、人よりズレた性格で、猫の言葉も人間の言葉も理解できているか怪しいもの。飼い猫のたるとには、とても甘い。名前は菓子の最中より命名。
最中 きな子 (もなか きなこ)
最中庵の姉の子で、庵の姪になるが、歳が近く妹のような存在。しかし、彼女が庵のお守りをしているような立場になっている。庵が夢中な道明寺杏子には嫉妬心をのぞかせるブラコン。たるとにはいたずらを仕掛けるためたるとからは凶暴な人間とみられる。 名前はきな粉から命名。
道明寺 杏子 (どうみょうじ あんずこ)
大きなお屋敷の猫マニアのお嬢様。猫を14匹飼っており、椅子や机などの家具には猫のレリーフ、庭木は猫型に剪定をほどこすといった徹底ぶり。たるとを見つけ、一目で気に入り、猫網を持って毎日追いかけまわしている。 最中庵がくれるお菓子はお気に入りであるが、庵の気持ちには気づいていない。名前は、菓子の道明寺、アンズから命名。