概要・あらすじ
昨日も今日も明日も明後日も…ずっと同じような変わりばえのしない退屈で平凡な日々がずっと続くと思っていた田中幸雄、14歳。ある日、体がツギハギだらけのヘンな犬を助けたことで、その犬の飼い主南竜介と知り合いになる。
そして、彼の作ったロックバンドBECKのメンバーとして活動することで幸雄の世界が一変していく。
登場人物・キャラクター
田中 幸雄 (たなか ゆきお)
地味な風貌で、平凡で退屈な中学生活を送っていた14歳の男子。ある日、左目と左前足が青く、お尻が黒白、全体は茶色というヘンなツギハギの犬を助けたことで、ニューヨーク帰りの帰国子女南竜介と出会う。この竜介との出会いにより、幸雄は音楽の世界へとのめりこんでいくこととなる。 竜介が結成しているバンドBECKにサポートメンバーとして参加するようになるが、後に天性のヴォーカルで正式メンバーとなる。 BECKメンバーの刺激からギターも手掛け、バンド活動に励んだが、勉強はおろそかになり学力は低下。志望校のランクを下げて高校に入学するが、何かと目立ったため先輩たちから目を付けられ嫌がらせを受け、後に中退してしまう。 純粋・温厚な性格で、律儀なため頼まれると断れなく、時に騒動に巻き込まれることも。中学時代の部活でやっていた水泳がヴォーカルの肺活量に良い影響を及ぼし、世界の著名ミュージシャンをうならせるほどの才能を発揮する。 通称コユキ。名前と、コユキはミスター日ハムの田中幸雄より命名。
南 竜介 (みなみ りゅうすけ)
長髪の16歳、男子。ニューヨーク帰りの帰国子女で、英語と日本語のバイリンガル。しかし漢字は苦手。日本では義父との確執で家出し、釣り堀で寝泊まりする。車上狙いを繰り返した過去があり、現在でも借金を返さない、女を泣かせるなど、世の中で悪とされる行動を起こすロクデナシである。 しかし、音楽の前では純粋であり、従順。アメリカにいた時にはバンドを組んでいた。日本でも「最強のバンドを作る」というコンセプトでBECKを結成。 ギターを担当しており、その多彩なテクニックとエモーショナルな音色は高評価を得ている。音楽には妥協がなく、ひたむき。しかし、精神的に不安になると、相手に攻撃的になるなどメンバー内での衝突も起こす。 コユキが助けたヘンな犬ベックの飼い主でもある。彼のモデルはロックバンドバッキンガム宮殿メンバーの南竜介。
千葉 恒美 (ちば つねみ)
色黒で、アフロヘアの16歳、男子。コユキの高校の先輩でBECKの初代からのメンバーである。曲がったことが嫌いで、感情もストレートに表現するバンドのムードメーカーであるが、繊細な一面も持つ人間的な人物。 ライブでは存在感で人を惹きつける魅力を持ち、MCも担当する。ラップの才能がありヴォーカルを担当していたが、コユキの成長により自分のヴォーカルとしての居場所に悩むことも。その後、ラップに磨きをかけ千葉独自のヴォーカルスタイルを身につける。 彼のモデルはロックバンドバッキンガム宮殿メンバーの千葉大輔であり、下の名前は広島カープの投手[津田恒美より命名している。
平 義行 (たいら よしゆき)
白い髪の18歳、男子。BECKの中で最年長であり、メンバーのまとめ役である。竜介や千葉の相談に乗り、悩むコユキを支えるなど面倒見の良い性格。バンド内の経理も担当するほど、周りからの信頼も厚い。 クールなバランス感覚を持ち合わせた彼が担当しているベースの技術センスはプロ級で、いろいろなバンドから誘いの声が掛かるほど。実の父はジャズミュージシャンであるが、女を作って蒸発。現在の父は自動車修理業者であり、黙々と仕事をするタイプで、平は今のこの父を尊敬している。
桜井 裕志 (さくらい ゆうじ)
目が細い、14歳の男子。コユキの同級生で、中学でイジメにあっていたコユキの唯一の味方である。いつも笑顔を絶やさない、心が広く芯の強い人物。兄の影響で7歳からドラムをやっており、BECKでもドラムを担当。 コユキと同じ高校に進学するが、親の転勤で転校を余儀なくされる。しかし、コユキの絶対的親友であり、彼との約束を守るために戻ってくる。
ベック
『BECK』に登場する犬。コユキが助けた南竜介の飼い犬。左目と左前足が青く、お尻が黒白、全体は茶色というブラック・ジャックのようなツギハギの犬。バンドBECKの名前の由来でもある。
南 真帆 (みなみ まほ)
黒髪でロングヘアの少女。南竜介の父親違いの妹である。竜介と共に帰国子女であるため英語はペラペラであるが、日本語はイマイチ。ヴォーカルとしてのコユキの才能をいち早く見出し、コユキを気にかけ支えている。 コユキのガールフレンドでもある。彼女自身、優れたヴォーカルの才能を持っているが、本人はプロを目指す気はない。
斎藤 研一 (さいとう けんいち)
44歳、男性。眼鏡をかけた風俗大好きおじさん。実は、元水泳五輪強化選手であり、ギターもできるという人物。コユキが中学で水泳部のときには彼に水泳をたたきこみ、コユキがBECKに入ればギターの基礎を教え込むという、コユキの師匠的存在である。 また、自らが経営する「斉藤紙業」にコユキをアルバイトとして雇うなど、彼なくしては現在のコユキはありえないという影の大黒柱である。
石黒 泉 (いしぐろ いずみ)
コユキのひとつ年上の幼馴染。中学では水泳部のエースで学校のアイドルという美少女。コユキというニックネームを付けたのは彼女である。南竜介が昔バンドを組んでいた仲間エディが活躍している、全米でカリスマ的人気のロックバンドThe Dying Breedの熱烈なファンで、コユキにこの音楽を紹介している。 このバンドからコユキは大きな影響を受けロックに目覚めることになる。 コユキのことは密かに想っていたが、コユキの実力では及ばない進学校に入学し、疎遠になってしまう。
クレジット
原作
BECK (べっく)
平凡な毎日を送っていた少年・田中幸雄(コユキ)は、ひょんなことからギタリスト・南竜介と出会い、ともにロックバンド「BECK」を結成。天性の歌声を持つコユキが、バンドメンバーとともに成長していく姿を描い... 関連ページ:BECK