JJM 女子柔道部物語 社会人編

本作は小林まことの『JJM 女子柔道部物語』の続編で、主人公のえもが柔道部を引退し、新たな一歩を踏み出そうとしている、高校卒業を間近に控えた時から物語が始まる。その後、えもはオリンピックメダリストの持丸晃菜にスカウトされ、実業団音羽海上に入部する。高校柔道を終えて社会人となり、えものさらなる活躍と成長する姿が、ギャグ要素を取り入れて展開される。前作は、原作者の恵本裕子自身の体験や活躍をもとにした女子高校生柔道漫画で、高校の部活動ならではの空気感を全面に押し出し、技の一つ一つがリアルに表現されている。

高校3年生になったえもは、最後のインターハイも終え、JKらしく美容に悩みながらも、高校柔道生活が終わった安堵感を味わっていた。卒業を間近に控えて柔道部の面々もそれぞれの進路について考えていた。そんなある日、カムイ南高校女子柔道部に、かつてオリンピックで活躍し「畳の上のクイーン」と呼ばれた晃菜がやってくる。晃菜は現役引退後は実業団音羽海上の柔道部でコーチを務めていた。早速えもは晃菜に挑戦するもののあえなく惨敗するが、持ち前の負けん気で次は晃菜に勝つと宣言。柔道歴が3年にもかかわらず、わずかな期間で大きな成長を遂げているえもに何かを感じ取った晃菜は、スカウトを決意する。

当初はえもが住む北海道が舞台だったが、彼女が高校を卒業してからは、東京や富山が舞台となる。紆余曲折の末になんとか運転免許を取得したえもは、母親に別れを告げて東京へと向かう。そこで、世界の頂点を目指す強豪選手たちのレベルの高さや、高校時代には体験したこともなかった厳しい練習を目の当たりにする。そしてえもの社会人としての柔道部生活は、富山での全日本合宿から始まる。その合宿では、「血尿」や「過呼吸」といった不穏なワードが飛び交う、過酷な練習が待ち受けていた。社会人となったえもの新たな成長や、オリンピック金メダルへ向けての数々の試練が見どころとなっている。