JJM 女子柔道部物語

JJM 女子柔道部物語

代表作『柔道部物語』から25年以上の時を経て小林まことが描く、女子柔道を題材にした新たな柔道漫画。なお、『柔道部物語』とのストーリーのつながりはないと思われるが、第1話に『柔道部物語』の主人公・三五十五と思われる人物がチョイ役で登場している。原作者の恵本裕子は1996年のアトランタオリンピックで優勝し、女子柔道での日本人初の金メダリストとなった人物。小林まこととのご近所付き合いをきっかけに、初の漫画原作に挑戦することになったという逸話がある。講談社「イブニング」2016年17号から2023年6号まで連載。同誌の休刊に伴い「コミックDAYS」へ移籍し2023年4月30日から6月25日まで連載。同年10月25日より続編となる『JJM 女子柔道部物語 社会人編』がスタートした。

正式名称
JJM 女子柔道部物語
ふりがな
じぇいじぇいえむ じょしじゅうどうぶものがたり
原作者
恵本 裕子
作画
ジャンル
柔道
レーベル
イブニングKC(講談社)
巻数
既刊15巻
関連商品
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概要・あらすじ

1995年、神楽えもは、日本で開催された世界柔道選手権大会に女子61キロ以下級の日本代表として出場する。観客の声援を受けて気合十分で試合に臨むえもだったが、世界選手権史上最短ともいえる一回戦開始11秒での一本負けに終わってしまう。控室でコーチとともに涙を流し、落胆するえも。その1年後のオリンピックにおいて、彼女が日本女子柔道史上初の金メダリストとなることは、まだ誰も知らない。

そして物語は1988年に遡る。どこにでもいる明るく元気な高校1年生・えもは、ひょんなことから助っ人として柔道部の試合に参加する。飽きっぽく、怒りっぽいえもだったが、たまたま試合で優勝したことから、柔道にのめりこんでいくことになる。

登場人物・キャラクター

神楽 えも (かぐら えも)

北海道旭川にあるカムイ南高校に通う女の子。年齢は15歳で、1年F組に在籍している。どこにでもいるちょっと元気なごく普通の女子高生。明るくさっぱりとした性格だが、飽きっぽく、卓球部は1か月、陸上部は1週間、テニス部は1日で辞めている。ちなみにウエイトレスのバイトも5日、皿洗いのバイトも2日で辞めている。美容には気を配っており、親友の二瓶幸子から痩せると言われて、柔道部の助っ人を承諾。 顧問の花山政美にうまくノセられ、そのまま柔道部員となる。体は丈夫でバランスも良く、負けず嫌いな性格も幸いして、なかなか投げられない粘り強さを見せる。黒髪のロングストレートだったが、柔道部に入部後、涙を流しながらも理容師の母親に髪を短く切ってもらう。

神楽 由紀 (かぐら ゆき)

神楽えもの母親。女手ひとつで苦労してえもを育ててきた。現在は美容院かぐらを経営し、娘と2人で暮らしている。バイトも部活も続かないえもをやや心配している様子。女の子が柔道をすることに不安を感じてはいるが、熱心に打ち込むえもの姿を見て、応援している。

二瓶 幸子 (にへい さちこ)

神楽えもの親友の女の子。カムイ南高校の1年F組に在籍し、柔道部に所属している。眼鏡をかけており、裸眼での部活中は人の顔も見えないほど視力が低い。柔道部での練習がきついため一日三食では足らず、早弁をしつつ、一日五食。親友のえもの単純な性格をよく知っており、柔道をやればどんなに食べても痩せるという必殺のくどき文句でえもに柔道部の助っ人を承諾させた。 高校に入学してから柔道を始めた新人で、まだ白帯。おとなしい性格だが、試合前には黒帯なんかブン投げてやると自己暗示をかけるほど熱い闘志を秘めている。1988年9月に旭川市内にて行われた高校柔道新人戦に48キロ以下級に出場し、黒帯相手に判定勝ちをものにした。

藤堂 美穂 (とうどう みほ)

カムイ南校柔道部に所属する1年生女子。高校に入学してから柔道を始めた新人でまだ白帯だが、カムイ南高のエース候補と呼ばれる逸材。高校柔道新人戦の72キロ以下級に出場し、試合開始早々にみごとな一本勝ちをみせた。

有本 直美 (ありもと なおみ)

カムイ南校柔道部に所属する1年生女子。高校に入学してから柔道を始めた新人でまだ白帯だが気は強く、高校柔道新人戦において「二瓶が勝ったんならあたしが負けるわけないっしょ!!」と自信を見せる。52キロ以下級に出場し、背負い投げからの袈裟固で一本勝ちした。

井堀 礼子 (いほり れいこ)

カムイ南校柔道部に所属する1年生女子。高校に入学してから柔道を始めた新人で、まだ白帯。神楽えもを加えた柔道部1年女子5人のうちの1人。自己紹介時に自分の顔を指さすポーズを見せるなど、ややぶりっ子。

三樹 小百合 (みき さゆり)

カムイ南校柔道部に所属する2年生女子。オカッパ頭の重量級の選手でマネージャーも兼任する。後輩の面倒見が良く、神楽えもに大内刈や試合時のあいさつの仕方を教える。重量級の選手だが、ちょっと太ってしまったことを恥ずかしがる乙女心を持つ。

小室 亜弥 (こむろ あや)

カムイ南校柔道部に所属する2年生女子。カムイ高のアイドルと呼ばれるほどの小さくて可愛い女の子。45キロの軽量級。自分のことを「あやや」と呼ぶほか、「てへっ」と首をかしげて舌を出すなどのぶりっこしぐさが、女子柔道部員たちをちょっとイラッとさせている。

一宮 (いちのみや)

カムイ南校柔道部に所属する1年生男子。神楽えものクラスメイト。部活がきついことから教室では居眠りばかりしている。えもからは冴えない男子と思われていたが、練習に打ち込む姿は真剣で、えもにちょっとカッコイイと思わせる。えもに大内刈を教えるために技をかけたところ、まだ受け身のできないえもを投げてしまい、えもを怒らせる。 その際、えもから女を投げ飛ばすなんて最低の男だとののしられ、涙する。その後もなにかとえもから文句をつけられることが多い。

小泉 友和 (こいずみ ともかず)

カムイ南校柔道部に所属する2年生男子で柔道部主将。女子柔道部員が自分を見ているだけで惚れていると勘違いしてしまうナル男。また練習で女子部員と組んでいる際も、倒れてチューしちゃったらどうしようとか、足が相手の股間に当たったらどうしようなどと思い悩み、練習中にたまに見えてしまう女子部員のブラジャーにも気をとられ、練習に集中できずにいる。 おかげでインターハイ出場を宣言したものの、男子は試合で一回戦敗退となってしまう。

花山 政美 (はなやま まさみ)

カムイ南校柔道部の顧問にして監督の男性。年齢は20代後半から30代前半と思われ、爽やかな雰囲気を漂わせている。カッパのような髪型をしており、神楽えもの受けた第一印象は「へんな頭」。おだてて人をノセるのがうまい褒め上手で、花山政美と組むと、自分が柔道の天才と思えてしまう。その褒めテクニックでえもを柔道部に入部させることにも成功した。

花山 勝美 (はなやま かつみ)

私立旭竜(きょくりゅう)高校の柔道部監督の男性であり、花山政美の実の兄。私立旭竜高校はスポーツの名門校であり、とくに柔道部は北海道強豪5校の1つに数えられ、全国大会の常連校となっている。目つきが鋭く、スキンヘッドの強面で迫力があるが、合同練習にやって来たカムイ南校柔道部の部員たちにタイガーミルクティーを差し入れする優しさを見せる。

鶴田 絵美子 (つるた えみこ)

私立旭竜(きょくりゅう)高校の柔道部に在籍する1年生の女子部員。神楽えもが助っ人として初めて柔道の試合に臨んだ高校柔道新人戦61キロ以下級において、えもと対決する。旭川市で61キロ以下級の女子が2人しかいなかったため、事実上これが決勝戦となる。ドシロートであるえもの粘り強さに苦戦し、まさかの判定負けを喫してしまう。

安城 (あんじょう)

私立旭竜(きょくりゅう)高校の柔道部OBの男性。「JAPAN」と書かれたジャージを着用していることから、全日本代表の選手と思われる。母校である旭竜高校の柔道部の指導も行っているようで、高校柔道新人戦では新人の神楽えもに苦戦する鶴田絵美子に声援を送っている。

すなっく「雪女」のママ (すなっくゆきおんなのまま)

花山政美が通う「雪女」というスナックのママ。洋服姿の妙齢の女性。花山は毎日のように通っているようで、来店するたびにママが今日は〇分遅刻だべさ、とか〇分早いだのと言うのがお決まりのやりとり。カズミという髭面、メガネ、ロン毛の若い男性を雇っていて調理を担当させている。

持丸 晃菜 (もちまる あきな)

1988年における日本女子柔道のエースで、「畳の上のクイーン」と呼ばれた。女子柔道が初めて種目となった1988年のソウルオリンピックに女子61キロ以下級の日本代表として出場。金メダルを期待されていたが準決勝で敗れ、銅メダルに終わった。のちに神楽えものコーチとなる。

集団・組織

カムイ南校柔道部 (かむいみなみこうじゅうどうぶ)

北海道旭川にある花咲牧場の隣の丘の上に建つカムイ南高校の柔道部。柔道の強豪校とは呼べないが、練習の「量」だけはどこにも負けず、平日でも4時間弱、日曜日などは6時間に及び、特に合計2時間40分にもなる乱取りの激しさは有名。神楽えもが入部した1988年の時点で、監督・花山政美の指導のもと、男子部員9人、女子部員7人が練習に励んでいる。

クレジット

原作

恵本 裕子

構成

書誌情報

JJM 女子柔道部物語 15巻 講談社〈イブニングKC〉

第1巻

(2016-12-22発行、 978-4063546538)

第2巻

(2017-05-23発行、 978-4063546712)

第3巻

(2017-11-21発行、 978-4065104156)

第4巻

(2018-05-23発行、 978-4065113943)

第5巻

(2018-11-22発行、 978-4065131886)

第6巻

(2019-04-23発行、 978-4065160749)

第7巻

(2019-10-23発行、 978-4065173350)

第8巻

(2020-04-23発行、 978-4065190883)

第9巻

(2020-08-20発行、 978-4065204917)

第10巻

(2021-01-21発行、 978-4065221129)

第11巻

(2021-07-21発行、 978-4065242186)

第12巻

(2021-12-23発行、 978-4065263440)

第13巻

(2022-05-23発行、 978-4065275726)

第14巻

(2022-11-22発行、 978-4065302019)

第15巻

(2023-08-23発行、 978-4065327265)

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