あらすじ
第1巻
土間大平、本場猛(ボンバ)、橘・アレックスの三人は、昼食のため八王子駅から徒歩10分の場所にある喫茶店「ラ・吉田」を訪れる。店には、店員としてメイド服姿の土間うまる、海老名菜々、橘・シルフィンフォード、マスターの本場切絵がいた。メニューに書かれているのは、食事ではなく、お兄ちゃん、お兄さん、兄貴、お兄様の四つ。アレックスが「お兄様」を注文すると、シルフィンとレトロゲームで勝負する事になる。次にボンバが「兄貴」を頼むと、切絵が出て来るが、切絵は戸惑うだけで何もしてくれず終わり。大平は「お兄さん」を選ぶと、海老名ちゃんが嬉しそうに秋田の米を持って来て、大平はその米でカレーを自炊する。誰も「お兄ちゃん」を注文しないので、出番のないうまるは涙を浮かべて大平を見つめるのだった。(第1話「喫茶店」)
うまる社長のもと、アレックスがプロデューサーを務める変身ヒロイン番組「プリキュラ・カルテット」は大人気。シルフィー演じるキュラ・シルフィー、海老名ちゃん演じるキュラ・シュリンプ、切絵演じるキュラ・シャーク、そして金剛叶演じるキュラ・課長の四人組だが、その中で叶はアラサーの年齢で変身ヒロインはキツい、自分だけヒロイン名が漢字、自分の武器だけ「けん玉」で昭和っぽい、自分だけキャラクターソングのCDがリリースされない、などの不満からうまる社長に退職を願い出る。しかし、叶が思いを寄せる太平が演じる敵幹部と恋に落ちる、というシナリオ展開を提案されて思い留まる。ドラマ中で太平に迫られて頬を染めるキュラ・課長だったが、お姉ちゃんには指一本触れさせない、と金剛ヒカリ演じるキュラ・スターライトが現れる。(第2話「変身ヒロイン」)
キュラ・スターライトに見せ場を奪われたキュラ・課長は、みずから悪に染まり、悪の女幹部であるダーク・課長となっていた。プリキュラ・カルテットの四人は、キュラ・課長を取りもどそうとするが、妖精・うまるが現れ、今の三人ではキュラ・課長奪還は無理だと告げる。妖精・うまるの特訓を受けた四人は、新たな必殺技をダーク・課長に放つが、ダーク・課長をかばった太平によって阻まれる。しかし、必殺技を食らった太平は悪の心が浄化されて改心。ダーク・課長は悪の組織のボスとなり、プリキュラとの新たな戦いは始まる。(第3話「変身ヒロイン その2」)
日本の未来を担うエリート達が、次々と排出される名門幼稚園「荒矢田ようちえん」。大平園長のもと、幼稚園の先生の切絵は、うまるや海老名ちゃん、シルフィンの園児達の面倒を見る。うまるは食事前にポテイトを食べ、シルフィンはレトロゲームに夢中、海老名ちゃんはお腹を空かせて泣きそうだ。そんなかわいい園児達に囲まれ、切絵は愛情いっぱいで接し、大平園長からはまさに天職だと誉められた。(第4話「ようちえん」)
荒矢田ようちえんハムスター組の切絵先生が教室へ行くと、5歳の海老名ちゃんがたくさんのおにぎりを食べている。海老名ちゃんは日本一のお米ソムリエとして、一流料亭や寿司屋からひっぱりだこで、今日も試食を頼まれていたのだった。同じく園児にして世界に名をはせる天才ゲームクリエイターのシルフィンは、自作のゲームのテストプレイ中。切絵は園児のうまるからラノベを読んでほしいと頼まれるが、読めない漢字をうまるに教えてもらう始末。自分なんかじゃ天才園児達の相手は務まらないと自信を喪失する切絵に、ダイヤモンド組の叶先生は手本を示そうとするが、うまる達は叶先生よりも切絵先生の方が大好きだと言う。子供達に嫌われているのかと不安になる叶先生だったが、園児のヒカリは叶先生の事が一番好きなのだった。(第5話「ようちえん その2」)
退屈のあまり笑う事のなくなってしまったシルフィン王女を見かねた国王アレックスは、王女を笑顔にできた者に国一番の宝を授けるというおふれを出す。その噂を聞きつけて三人の王子が、王女を笑わせるためにやって来る。きりんりん王国の王子きりえは、「こまる師匠等身大クッション」のかわいさで王女を笑顔にしようとするが失敗。ダイヤ王国の王子ヒカリは、特定まるごとメロンパンを持ち出すが失敗。最後のポテイト王国の王子U・M・R(うまる)は、大人気RPG竜クエシリーズの最新作「竜クエビルダーズ」を持って来たが、王女の反応は冷たい。しかし、U・M・Rが大人数でプレイできるパーティーゲーム「スーパーマリモパーティ3」を出すと、シルフィン王女にシュパァァァと笑顔が戻り、みんなで楽しくゲームを楽しむのだった。(第6話「王子と王女」)
八王子にあるゲーム制作会社「ヨシダソフト」では、ゲームクリエイターのU・M・R、シルフィン、切絵がゲームソフト開発を進めており、ついに50人もの妹達が登場する恋愛アドベンチャーゲーム「妹はガールフレンド(爆)」略して「イモバク」が完成した。さっそくテストプレイを開始。ゲームでは、主人公の大平を巡って、海老名ちゃんやヒカリ、叶やうまるが恋のライバルとして登場した。しかし、50人の3Dキャラクターモデルを作るのは予算不足で、ほかのヒロインはこまるのパターン違いばかり。残念ながらゲームは企画だおれとなった。(第7話「美少女ゲーム」)
食べてダラダラしてばかりのうまるが、「太る」というより、こまるの姿のまま巨大化してしまう。大平に怒られたうまるは、海老名ちゃんや切絵、シルフィン達といっしょにダイエットを開始。しかし、エアロバイクではペダルに足が届かず、プールに入っては浮いてしまって泳げない。1か月経ってもダイエットは進まなかったが、大平は、無理なダイエットをしなくても毎日バランスよく食べて運動していれば健康になれると諭す。(第8話「ダイエット」)
長女の叶、次女の切絵、三女のシルフィン、四女の海老名ちゃん、五女のヒカリの姉妹は貧乏暮らし。叶がホスト「鬼ノ太平」にハマってしまったせいでお金がなくなり、借金取りこまるによって、姉妹はサーカスへ売られてしまう。こうしてこまるを団長とする、うまる大サーカスが始まった。(第9話「サーカス」)
うまる大サーカスの記念すべき初日を迎える。切絵の空中ブランコ、ヒカリの菓子パンを使ったジャグリング、猛獣使い海老名ちゃん、ピエロとして活躍するシルフィン、とサーカスは大成功。借金もチャラになり、姉妹はもとの生活へと戻る。(第10話「サーカス その2」)
城主のうまるは、あらゆる才能に恵まれた非の打ちどころのないお殿様と評判。しかし、城にいる時の殿は、グータラな干物の殿「干物殿(ひもとの)」になるのだった。ここ数週間の日照りが続き、城下では深刻な水不足となり、家臣の大平は殿に対策を進言するが、殿は太平にまかせっきりでダラダラするばかり。そんな殿も、仕える海老名ちゃんや切絵、シルフィン達からはたいそう好かれているのだった。(第11話「お殿様」)
八王子にある吉田動物園では、うまるライオンが大人気。園長の叶は、この勢いで吉田動物園を日本一にしようと考えていた。しかし数年後、うまるライオンはダラダラして引きこもりがちになり、来場者は激減。吉田動物園は閉園の危機を迎えていた。きりえペンギン、えびなパンダとおやつを食べていたうまるライオンに、シルイルカは明日なにかが起こると告げる。翌日やって来たのは、ホワイトタイガーのヒカリだった。園長の叶が、ホワイトタイガーのヒカリとナワバリ争いをさせる事で、うまるライオンにかつての獰猛さを取りもどさせようとしていたのだった。しかし、うまるライオンはヒカリとなかよくなり、動物達は種族の壁を越えてなかよくする姿が大ブームを呼ぶ。こうして、再びたくさんのお客さんが来園するようになった。(第12話「動物園」)
番組視聴者からUMAの情報を受け、オカルト探検隊リポーターのシルフィンが、密林の奥地へやって来る。UMAを目撃したという現地人の海老名ちゃんに話を聞くが、方言がきつくて何を言っているのかわからなかった。密林に住み続けて十数年のUMA、UMR(うまる)は、テレビの取材を待っていた。UMAとして生まれたからにはテレビ出演の一つや二つはこなしておかないと考えた彼女が、自分でテレビ局へ情報をリークしたのだった。しかし、取材クルーはうまるを見つける事のないまま、取材を終えて撤収の準備を始める。焦ったうまるが取材クルーの前に飛び出すと、そこに巨大なUMAきりんりんと、その飼い主の切絵が現われるのだった。(第13話「オカルト番組」)
切絵は、自分が描いた絵本「ししょーとにじいろのサカナ」の世界の中へ迷い込んでいた。そこで切絵は、こまる師匠をモデルに描いた「ししょー」と共に森を歩く。そこは切絵が自分で描いた絵本の世界なので、切絵はどうすれば切り抜けられるのかを知っており、必ずししょーを守ると誓っていた。そしてついに、二人は「にじいろのサカナ」を見つける。(第14話「絵本の世界」)
居酒屋吉田では、「ひもうと!うまるちゃんSS」の撮影終了によるお疲れ様会が開かれていた。うまる達全員が揃って、食事を楽しみながら撮影を振り返るのだった。打ち上げも終わり、切絵は撮影が終わった事でみんなとお別れになる事に寂しさを感じる。同じ事を考えていたうまるは、オールナイトで宴をまだまだ続ける事を宣言する。(第15話「打ち上げ」)
クレジット
- 原作
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