概要・あらすじ
地球上での常識がまったく通用しない宇宙を舞台に、巻き起こる悲喜劇の数々を軽妙なタッチで描くオムニバスストーリー。リソースの無い小惑星で作業員の青年は孤独に水の採掘を続け、某国独裁者が夢見た宇宙戦争用戦闘機は無用の長物であり、小惑星生まれの少年タカシは地球に憧れて小惑星からの脱出を切望する。
未知の世界への憧れや希望、挫折、突きつけられた現実への諦観など、さまざまな人間の感情が宇宙を巡って描かれていく。
登場人物・キャラクター
作業員の青年 (さぎょういんのせいねん)
国際宇宙開発機構の管理主任に言いくるめられ、小惑星でひたすらに水の採掘や、採掘用ロボットのメンテナンスに明け暮れる日々を送るハメになる。趣味は登山。
タカシ
水資源採掘用の小惑星で生まれた宇宙生まれの少年。水以外は不自由な宇宙生活に嫌気がさし、地球に行きたいと願っていた。
マックス
『アステロイド・マイナーズ』のMission06の主人公の1人。初の有人長期滞在型恒久月面基地・月基地αの滞在員で、主な任務は地中にある氷の試掘。陽気でテンションが高いタイプだが、相棒のヘックスにひっぱられてダウナー気味になることが多い。
ヘックス
『アステロイド・マイナーズ』のMission06の主人公の1人。初の有人長期滞在型恒久月面基地・月基地αの滞在員で、主な任務は地中にある氷の試掘。宇宙パイロットになる夢を抱いた兄を目指して同じ道に進んだが、兄は候補から落ち、ヘクッスだけが選抜に残った。さらにやっている仕事がパイロットという言葉から遠い穴倉生活という現実に、ひどく落ち込んでいる。
石動 堅 (いするぎ けん)
地球出身、29歳の男性。資源採掘用小惑星に4ヶ月間の短期作業員として送り込まれた。先任の作業員に「趣味はアダルトビデオの鑑賞」と公言して溶け込もうとするが失敗。それもそのはず、風呂にも入れずむさ苦しく体格が良くても、先任の作業員たちは全員が女性だったからである。
ロボット
『アステロイド・マイナーズ』のMission01に登場するロボット。小惑星で水資源を採掘する作業員のサポートをするロボット。扱いとしては国際宇宙開発機構の備品。基本的な対応は地球からの遠隔操作だが、緊急時にはロボット自身の判断で動く。Mission03、04の時代には故障し、小惑星生まれの少女ハルカの人形になっている。
主任 (しゅにん)
地球から4億5千万キロ離れた水資源採掘用の小惑星に、作業員の青年を送り込んだ国際宇宙開発機構の構成員。実はこの小惑星採掘の前任者であり、作業員の青年に交代要員になったことで3度目の小惑星勤務になったという。
文月 (ふみづき)
『アステロイド・マイナーズ』のMission02、05に登場する女性主任。民間軌道飛行会社イズ・ドゥに所属。主に宇宙船の管理運営に携わっている。童顔で背が低く、新人相手に感情的になるなど子供っぽいところがあるがベテランの宇宙飛行士。
ルナ
『アステロイド・マイナーズ』のMission05に登場するキャラクター。民間軌道飛行会社イズ・ドゥの設計主任で、某国の独裁者が国威発揚のために思い付いた高機動宇宙実験機=宇宙戦闘機の実証実験に付き合わされる。普段は無表情で大人しい女性だが、キレると途端に乱暴な言葉づかいになる。
独裁者 (どくさいしゃ)
黒メガネをかけたやや太めの男性軍人で、某国で独裁政権のトップの座に座っていた。初の宇宙軍事大国という名を手に入れるために、イズ・ドゥに宇宙戦闘機の開発を発注し、自らがテストパイロットとして乗り込んだ。開発は試作3号機まで行われたが、クーデターにより独裁者が失脚。 3号機は宇宙には上がることはなかった。
集団・組織
イズ・ドゥ (いずどぅ)
『アステロイド・マイナーズ』のMission02、05に登場する民間軌道飛行会社。ロケットの打ち上げによる宇宙への物資の輸送、遊覧、軌道上での実験、さらには宇宙船の製造など、幅広く手掛けている。
場所
小惑星 (しょうわくせい)
地球から4億5千万キロ、火星の軌道の外側にある水資源にあふれる小惑星。国際宇宙開発機構の管理下で、宇宙空間の生活必需品にして燃料となる「水」を採掘する。Mission01で開拓が始まり、Mission03では468人が住む大きなコロニーとなり、Mission04では資源の減少により居住者が減ったという過程が描かれている。