概要・あらすじ
西暦3199年。かつて地球を救った宇宙戦艦ヤマトの活躍もすでに伝説となり、人々の記憶から忘れ去られていた。地球人類は、その生活圏を全銀河へと拡大しようとしていたが、未知の敵が放った移動性ブラックホールの脅威にさらされてしまう。戦いを忘れた人類は、ただ混乱するのみだったが、かつてのヤマト乗組員の子孫達の元に、謎の召集令が届く。
子孫達は呼ばれるままに、更なる進化を遂げたヤマトへと集結する。
登場人物・キャラクター
古代 進 (こだい すすむ)
かつて宇宙戦艦ヤマトの戦闘班長だった古代進の32代目の子孫。ヤマト乗組員の子孫達は先祖の名前をそのままストレートに受け継いで現在に至っている。大マゼラン雲と太陽系を往復する宇宙船団所属の護衛艦雪風の副長であったが、地球帰還の途中に移動性ブラックホールに襲われ、船団と乗組員が消失する中、唯一の生存者となる。 帰還後、病床の父親が急死し、家宝の時計と方位測定器を託され、それらが指し示す新宇宙戦艦ヤマトの眠る場所へと向かう。新ヤマト着任後は、初代と同じ戦闘指揮を任される。生まれた時から父親にヤマトの細部について聞かされ続けたため、無意識の内に操作を行うことが出来る。
森 雪 (もり ゆき)
宇宙戦艦ヤマトの乗組員・森雪の末裔。初代と同じくレーダーを担当する。ヤマトや古代進のことを母親に聞かされ続けており、1000年の時を経た再会に涙する。古代も森雪のことを「遠い記憶の中の伝説と幻の恋人」と慕い続けていた。母親は公害と食糧難が原因で病死しており、ヤマトを我が家と感じている。
島 大介 (しま だいすけ)
宇宙戦艦ヤマト航海長の末裔。古代進や森雪よりも遅れてヤマトに乗艦。スターシアの娘をヤマトに迎え入れるための操作に手間取る古代を颯爽と助ける。古代とは初対面ながら旧知の仲の如く意気投合する。
佐渡 酒造 (さど さけぞう)
宇宙戦艦ヤマトの船医の末裔。移動性ブラックホールの襲撃から九死に一生を得た古代進を父親の元に送り届ける。古代の家で宇宙戦艦ヤマトへの召集に応じようとして力尽きた父親を発見する。父親を弔うことを約束し、古代をヤマトへ先行させる。ヤマトの正体を探ろうとする地球防衛艦隊司令に屈辱的な尋問を受けるが、謎の女・羽黒妖に救出される。 愛猫ミーくんを常に連れ立っている。
沖田 十三 (おきた じゅうぞう)
宇宙戦艦ヤマト艦長の末裔と思われる。新宇宙戦艦ヤマトでも艦長としていち早く乗艦している。堂々たる立ち居振る舞いは初代艦長に生き写しである。新ヤマトやその目的などをすでに熟知しており、謎の女・羽黒妖とも旧知のようである。
スターシアの娘 (すたーしあのむすめ)
イスカンダルのスターシアと初代・古代進の兄、守との間の娘であり、古代進とは直系の親戚になる。超光速船スターシアシップに乗り、大マゼランより移動性ブラックホールを追い抜いて地球圏へ飛来する。地球はもとより太陽系内外の全ての居住圏の全人類に「志ある人は新たなる新ヤマトへ集え」と呼びかける。 新宇宙戦艦ヤマトに乗艦してからは、下部第三艦橋を担当する。
羽黒 妖 (はぐろ よう)
新宇宙戦艦ヤマト乗員をサポートする謎の女性。古代進や佐渡酒造達を北極の新宇宙戦艦ヤマトへ案内した。前回の航海時の乗組員には、その名は無いが、ヤマト誕生のさらに1000年前、つまり2000年前から強い絆と運命で結びついていると語る。ヤマトの僚艦である超時空戦艦まほろばの乗員であったこともあるらしい。
ダークィーン
その実体は未だ謎だが、大宇宙を司る神聖にして偉大なる存在と言われている。ファンタズマやメタノイドなどの強力な武装集団を配下にしている。彼らは、人間を始めとする生命体の精神を原料とした美酒を好み、いずれ銀河全体を吸収しようと目論んでいる。
集団・組織
地球防衛軍 (ちきゅうぼうえいぐん)
『新宇宙戦艦ヤマト』に登場する組織。地上には、まるで神経細胞のように、地球各地をリンクした基地群が点在している。日本海溝12000メートルの底、さらにその下10キロの地底に涙滴城(ティアドロップキャッスル)と呼ばれる機密要塞が存在し、ここが真の意味での地球防衛軍司令部であり、太陽系防衛の要となっている。 だが、長年の泰平が多くの人々を堕落させ、容姿端麗な人間による選民主義的思想が支配している。
場所
移動性ブラックホール (いどうせいぶらっくほーる)
『新宇宙戦艦ヤマト』に登場する天体。その実体は暗黒女王ダークィーン配下の宇宙艦隊で人類の宇宙では漆黒の穴にしか見えない。宇宙船団を消滅させるなど、新宇宙戦艦ヤマトが対すべき当面の敵である。
その他キーワード
3次元空間方位測定器 (さんじげんくうかんほういそくていき)
『新宇宙戦艦ヤマト』に登場するメカ。正式名称は二型二号次元空間羅針儀。原型は1940年代の古典的羅針盤で、2199年に宇宙戦艦ヤマトの初航海時に空間用に改造されて搭載された。ヤマトの針路は常にこれによって定められてきた。搭載されたのは全部で3つ。第一艦橋の古代進の戦闘指揮座席、島大介の航海長席、そして沖田十三の艦長席である。 ヤマト帰還後は、古代家に家宝として伝わっていた。古代進がヤマトに向かう際に北を指し示し誘導した。
新宇宙戦艦ヤマト (しんうちゅうせんかんやまと)
『新宇宙戦艦ヤマト』に登場する宇宙船。作中では、大ヤマト(グレートヤマト)、宇宙大戦艦ヤマトとも呼ばれる。北極点の氷の空洞の中の大海、大氷底海で1000年の間に改良進化を遂げていた。過去のヤマトよりもサイズアップし全備重量約17万8000トンを誇る。超硬化テクタイトの装甲板で覆われ、波動エンジンも強力な複合双連となっている。 武装も増強され、主砲は前部3基、後部2基、副砲も前後1基ずつとなっている。また脆弱だった艦底部にも第三艦橋を中心に、前部には主砲2基、後部には主砲と副砲が1基ずつ増設された。
超時空戦艦まほろば (ちょうじくうせんかんまほろば)
『新宇宙戦艦ヤマト』に登場する宇宙船。1000年間ヤマトを陰で支えてきた僚艦。新宇宙戦艦ヤマトに匹敵する武装を備え、シルエットも酷似している。艦首に施されたドクロの紋章が特徴。月へと進撃したヤマトとコペルニクスクレーター上空で会合する。それに呼応するかのように出現した移動性ブラックホールを共同で迎撃する。
回帰時空砲 (かいきじくうほう)
『新宇宙戦艦ヤマト』に登場する兵器。新宇宙戦艦ヤマトに搭載された新兵装。1000年の月日を経て、初めて可能になったシステムで、いかなる空間にも、いかなるフィクション上の物語にも登場したことの無い究極の論理によって成り立つ極限の兵装と言われる。艦首波動砲部と主砲から発射、マイナスエネルギーによって時間を反転するらしく、移動性ブラックホールを一撃で消滅させてしまった。 同様のシステムは超時空戦艦まほろばにも搭載されている。