概要・あらすじ
ロックバンドキュリアス・シーザーのベーシストマサトは律儀でマメな性格の青年だったが、他のメンバーの「もっと突き抜けたい」という思いからバンドをクビになる。失意のマサトは、ファンのぽて子に連れられて行ったコンサートで、ロックスターエバタのステージアクトに衝撃を受ける。実はぽて子がエバタの事務所でマネージャーをしていることを知り、エバタのバックバンドにスカウトされようとしているのではと胸を高鳴らせるマサト。
登場人物・キャラクター
マサト
『エバタのロック』の主人公であり狂言回し的な存在。ロックスターエバタのマネージャー。律儀でマメな性格の青年。常に一歩退いて周りの人々をたしなめるポジション。元はロックバンドキュリアス・シーザーのベーシストだったが、その性格が災いしてバンドをクビになったところをぽて子にスカウトされ、エバタのマネージャーとなる。 破天荒なエバタに憧れを抱き、マネージャーをすることでロックスターの所作を盗み、プレイヤーとしてエバタを越えるという野望を持つ。
エバタ
80年代から活躍する大御所ロックスター。サングラスと立てたエリ元がトレードマーク。凡人の想像をはるかに越える言動とパフォーマンスで、老いてなお絶大な人気を誇る。迷ったら「迷いながら疾走(はし)る」が信条で、年代によって楽曲のスタイルやファッションが安定しない。中年となった現在では「トータルで見ると少しダサいが、一周回って逆にカッコいい」という評価。 好きな酒はチンザノドライのロック。
ぽて子
キュリアス・シーザー時代のマサトの唯一の女性ファン。エバタの所属する芸能事務所オフィスヴォリューム11でマネージメントに携わっている。マサトの性格を見込んでエバタのマネージャーにスカウトする。ブスだが料理が上手い。
えま
エバタのスタイリストを勤めている女性。しかし、センスがない。舞台衣装も担当しているが、ほとんどコント衣装としか思えないような着ぐるみを用意したりするため、他のスタッフとよく衝突している。エバタの上着のエリを立たせることが主な仕事。
社長 (しゃちょう)
エバタの所属する芸能事務所オフィスヴォリューム11を取り仕切る社長。関西弁を話す女性。元々は80年代に、エバタに引きぬかれて社長にすえられたらしい。エバタとは犬猿の仲。
大城 (おおしろ)
エバタのバックバンドのサポートギタリスト。常に酔っ払っている中年男性。エバタとは80年代からの古い付き合いで、マサトが入社する前にドラッグで捕まって服役していた。左目にアイパッチをつけているが、中は小銭入れになっている。かつては美少年だった。
光橋 つむぐ (みつはし つむぐ)
芸能事務所宮野プロに所属する若手の男性歌手。エバタに感化されてTOC歌謡祭で暴れ回り、事務所を謹慎処分になる。その後オフィスヴォリューム11に移籍し、エバタの付き人になる。マサトのポジションをおびやかすが、うっすらとバカなため付き人の仕事はあまりできない。
江畑 トモミ (えばた ともみ)
エバタの娘。家庭を省みることの少なかったエバタに対して複雑な感情を抱いている。宮野プロ常務の暮井と結託して、オフィスヴォリューム11を解散に追い込むが、その際マサトと恋愛関係になる。
暮井 (くれい)
宮野プロの常務。25年前は「ダイス暮井」という名義でミュージシャン活動を行っていたが、当時のエバタのステージを観て、裏方に徹することを決意したという過去を持つ。オフィスヴォリューム11解散後にエバタを引き取り、ラガーシャツを着せてバラエティ番組に出演させる。
垣内 (かきうち)
テレビ局のプロデューサー。エバタのライブを撮影したり、エバタをものまね番組に起用したりするが、そのたびにトラブルに巻き込まれている。番組の撮影中にトラブルやハプニングが起こると興奮を覚える危険な性格。
TATSUO (たつお)
TOC歌謡祭に招待されていた往年のロックスター。若き日のエバタが前座を務めたこともあるミュージシャンだが、現在は音楽活動よりも講演をメインに活動している。最近の趣味は陶芸や湯治など。長髪だが実はカツラ。
マサトの母
マサトの母親。マサトの様子を見に、突然オフィスヴォリューム11を訪れる。酒が入ると楽しくなるタイプで、オフィスヴォリューム11社員たちと意気投合し、カラオケでエバタとデュエットする。普段マサトからは「お母さん」と呼ばれている。
ジュエル
海外の女性歌手。80年代に一世を風靡したアーティストだが、数々の公演をキャンセルするといったトラブルメーカーで人気が凋落。現在は音楽活動よりもB級映画への出演をメインにしている。かつての来日公演でエバタが前座を務めた事がある。
アリエフ
1989年のカザフ・ソビエト社会主義共和国で音楽プロモーターを行っていた。エバタをカザフに招待し、イベントをとり行うが、裏でテロリストと共謀しており、身代金目的でエバタを誘拐する。
コルビン
カザフ・ソビエト社会主義共和国のテロリスト集団に所属する少年。誘拐されたエバタの見張り役をさせられている。趣味はギターで、ミュージシャンのエバタに興味を示す。