エマ・ウォーラーズの血塗られた日常
エマ・ウォーラーズとその家族の悲願は、16年前にエマの母親を殺害した快楽殺人鬼「ロリポップ・マン」に復讐することにある。そのため、エマたちは手段を選ばず、エマの「ミラー・マインド共感覚」を制御し、殺人術を習得するため、アメリカの諜報部隊「CAT」に所属することになる。しかし、CATが復讐の妨げとなる存在だと明らかになると、逃亡もためらわない強(したた)かさを持つ。その結果、エマたちはCATからも命を狙われ、常人では想像できないほど血塗られた日常を送ることになる。
憤怒に育てられたエリート「ビッグ・ガン」
エマは、CATのチーフを務める憤怒(フューリー)に育てられた優秀な訓練生「ビッグ・ガン」の一人。「撃鉄(ハマー)」「銃把(グリップ)」「照準(ガンサイト)」「銃身(バレル)」という銃の部位をコードネームとするビッグ・ガンのメンバーは、それぞれが特殊な共感覚を持つ。組織を裏切ったエマを執拗に追う彼らとの戦いは、ロリポップ・マンを追うエマにとって大きな障壁となり、物語に数々のクライマックスをもたらす。
ついに明かされるロリポップ・マンの素顔と衝撃の言葉
長年謎に包まれていたロリポップ・マンだが、新たな被害者が出たことで、エマは「ミラー・マインド共感覚」を駆使し、ついにその素顔を知ることになる。そこでエマが見たのは、被害者を通じて「お前とオレは同じだ」と語りかけ、挑発する男の姿だった。ロリポップ・マンは、当時赤ん坊だったエマが自分を狙っていることや、彼女の特殊能力についても把握していた。さらに、エマが未来にかかわることになる人物たちの肉親を殺害し、巧妙な罠を仕掛けていた事実も明らかになる。しかし、ロリポップ・マンの正体と目的は依然として謎に包まれており、物語の核心を握る鍵となっている。
登場人物・キャラクター
エマ・ウォーラーズ
非公式諜報部隊「CAT」の訓練生の中でも特に優秀な「ビッグ・ガン」の一人に数えられる少女。年齢は17歳。コードネームは「引鉄(トリガー)」。腰の後ろには2丁の銃と「Trigger」のタトゥーが刻まれている。世界で唯一の「ミラー・マインド共感覚」の持ち主で、相手が一瞬思念したことさえも読み取ることができる。16年前、うずまき飴を手にした殺人鬼「ロリポップ・マン」に母親を銃殺された記憶が深く心に残っている。その復讐を果たすため、10歳の時に父親のマットに自らをCATに売るよう指示し、ミラー・マインド共感覚の制御法と殺人術を習得する計画を立ててCATに入隊した。しかし、CATに対する忠誠心は薄く、マットの殺害指令が出た際には日本へ逃亡し、祖母の植向志麻のもとに身を寄せている。ビッグ・ガンの仲間たちを家族のように思っており、特に「照準(ガンサイト)」というコードネームを持つマイク・アンソニーからは姉のように慕われている。
マット・ウォーラーズ
エマの父親で、元デルタ・フォースの隊員。右肩にケルベロスと「CERBERUS」のタトゥーが刻まれている。16年前、ロリポップ・マンに妻を殺害されたことをきっかけに除隊し、その後CIAに採用されるも7年前に退職。現在は自動車修理工場を経営しながら、ロリポップ・マンに関する情報を独自に収集している。娘のエマの「ミラー・マインド共感覚」をCATに3万ドルで売り渡し、周囲には外道扱いされていたが、実はこの作戦はエマが立案したもので、マット自身は反対していた。妻の母親であり元公安捜査員の志麻とは、ロリポップ・マンの捜査で協力関係にあり、エマがCATから逃亡後は自らも志麻のもとに身を寄せている。ふだんはスケベで臆病な性格だが、戦場では勇敢に戦い、怒りが臨界に達すると相手を粉砕するという三面性を持つ。ある事件をきっかけに、「地獄の番犬」の異名を持つようになる。
クレジット
- 原作
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マナカミ ユイ
書誌情報
ザ・ヒステリックトリガー 10巻 講談社〈ヤンマガKCスペシャル〉
第1巻
(2023-02-06発行、978-4065304648)
第2巻
(2023-04-06発行、978-4065313831)
第3巻
(2023-07-06発行、978-4065323427)
第4巻
(2023-09-06発行、978-4065330074)
第5巻
(2023-11-06発行、978-4065336281)
第6巻
(2024-01-09発行、978-4065343005)
第7巻
(2024-04-05発行、978-4065352441)
第8巻
(2024-07-05発行、978-4065362747)
第9巻
(2024-09-05発行、978-4065368817)
第10巻
(2024-10-04発行、978-4065372715)







