アイアンジョーカーズ

アイアンジョーカーズ

治安維持組織「アイアンジョーカーズ」に所属する半身が機械でできた青年が、天京市の平和を脅かす破戒獣と戦い続ける、ハードなバトルアクション作品。「週刊少年チャンピオン」2004年20号から38号にかけて掲載された。

正式名称
アイアンジョーカーズ
ふりがな
あいあんじょーかーず
漫画
ジャンル
アクション
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概要・あらすじ

天京市の市民を守る任務に就いていた、対シリウス特別機甲班「アイアンジョーカーズ」に所属するユウキ・ゼンは、ゲームセンターで発生した殺傷事件の現場に急行。狂信的自然主義者集団シリウスの力を得て欲望を解放した破戒獣となり、多くの人間を殺害していた不良グループの少年・星威剛と対峙したゼンは、剛に捕らわれた女性を救出するために特殊スーツをまとった「クリムゾンジョーカー」へと変身。

すべてにおいて剛を圧倒的に上回る力を見せつけ、悪党にすらなれない卑怯者の剛を塵芥(ゴミ)と断じて消滅させる。自身の「善」を遂行したゼンは、弱き者の命を守るため、破戒獣を操るシリウスを壊滅に追い込む活動に従事するのだった。

登場人物・キャラクター

ユウキ・ゼン (ゆうきぜん)

天京警察の部署である対シリウス特別機甲班「アイアンジョーカーズ」に所属する、半身が機械になった男性。シリウスの力を得て市民に仇なすバケモノとなった破戒獣を倒すために日々活動しており、「起爆」することで赤いバトルスーツをまとう「クリムゾンジョーカー」という戦闘スタイルへと変身できる。変身後は凄まじい戦闘力を発揮して破戒獣を撃破し、「審判(ジャッジ)」後に「断罪(パニッシュ)」することで決着を付ける。 悪党に対しては容赦しないが、自身が信じる「善」のままに行動するタイプで、その身を危険に晒してでも市民を救出しようとするなど、非常に正義感の強い性格。もとは一介の高校生だったが、卒業式の日に破戒獣と化した伊狩タケルに殺害され、カイによってサイボーグ化されて蘇った過去を持つ。 天京市の平和のためなら手段を選ばず、市民の安全も二の次というアイアンジョーカーズの方針には、ことあるごとに反発している。

ミキ

天京警察の部署である対シリウス特別機甲班「アイアンジョーカーズ」に所属する、巻髪にしたツインテールが特徴の少女。事件に際しては、現場の封鎖や作戦の指示、情報の提供など、主にユウキ・ゼンに対するサポートを行っている。ドライな性格をした面倒くさがり屋で、破戒獣を退治する際に、市民の保護を優先するゼンを、甘ちゃん呼ばわりして馬鹿にしていた。 しかし、ゼンと仕事を続けるうちに、彼の熱意に徐々に感化され、「市民の皆さまを保護するのがアタシのお仕事」と公言するまでになる。「起爆」することでバトルスーツをまとい、「エメラルドジョーカー」という戦闘スタイルへと変身できる。

カイ

天京警察の部署である対シリウス特別機甲班「アイアンジョーカーズ」の司令官。長い前髪で右目を隠したクールな雰囲気の男性。伊狩タケルに殺害されたユウキ・ゼンをサイボーグ化して蘇らせた張本人。天京市の平和を守るという使命感が非常に強く、目的のためなら手段を選ばない性格をしている。驚異的なペースで破戒獣を倒し続けるゼンの実力を高く評価しつつも、常に市民の保護を優先しようとする彼の姿勢には懐疑的だった。 「起爆」することでバトルスーツをまとい、「シルバージョーカー」という戦闘スタイルへと変身できる。

餓鬼 (がき)

狂信的自然主義者集団シリウスのリーダー。常に不適な笑みをたたえた不気味な少年で、人間に力を与えて、欲望のままに行動する破戒獣に変化させることができる。教育係の喰界坊爺からは街を浄化する存在として、「貪欲のぷりんす」と呼ばれている。天京市の住民をすべて破戒獣にすることを画策しており、それを阻止しようとするアイアンジョーカーズと激しい死闘を繰り広げる。 人間のことを世界の調和を乱す唯一の存在であると考え、自身の指導の下、自然界の一員としてやり直させようとしている。

喰界坊爺 (くうかいぼうじい)

虚無僧のような格好をした、丸めがねをかけた大柄な老人。狂信的自然主義者集団シリウスに所属しており、餓鬼の教育係を務め、彼を坊ちゃんと呼んで付き従っている。台詞にところどころカタカナが入り混じる喋り方を特徴とする。ユウキ・ゼンの赤いスーツを羨ましがった餓鬼に噛み付こうとするなど、かなりエキセントリックな性格。 餓鬼と同様、人間を破戒獣に変えることができる能力の持ち主。餓鬼からは「爺」と呼ばれている。

伊狩 タケル (いかり たける)

紅蓮の炎をまとった破壊獣。餓鬼が最高傑作と呼ぶほどに戦闘能力が高く、あらゆる物を爆発的な炎で瞬時に焼き尽くすことができるクールな青年。餓鬼や警察からは「怒鬼」という名で呼ばれているが、もともとは伊狩タケルという名前の生真面目な高校生だった。しかし、大学受験に失敗したショックを餓鬼に利用されて破壊獣となり、肥大した自意識を満足させるためにユウキ・ゼンを含む300人もの学生を殺害する大罪を犯す。 「クリムゾンジョーカー」として蘇ったゼンと、死闘を繰り広げることになる。

巨壬 軍 (おうみ ぐん)

破戒獣となった元暴走族のリーダーの青年。複数の人間が絡み合って構成された巨大な体を持ち、自身は股間から生えているという異形の破戒獣。自分だけが楽しければ部下の命などどうでもいいという冷血漢。街の破壊を止めにきたユウキ・ゼンと野球勝負をすることになったが、ゼンが放った「止める魔球」の前に敗北する。

星威 剛 (ほしい つよし)

破戒獣と化した元不良グループの少年。掌にある大きな口で人間を捕え、弾丸のように打ち出して攻撃する。不良グループのリーダーを殺害し、その彼女も殺害しようとしたところをユウキ・ゼンに止められ、退治された。ゼンからは「悪党にもなれねぇ塵芥(ゴミ)」扱いされ、完全に消滅させられる。

減腹 (へるはら)

レストラン「超満腹亭」で料理長を務めていた男性で、人間の食欲を糧に巨大化する破壊獣。店に潜入調査に来たユウキ・ゼンたちを捕えて、丸ごと食い尽くそうとする。料理と食に関しては純粋な気持ちを持っており、ゼンの食べっぷりに感銘を受け、「決して出会ってはならない2人だったのかもしれません」と嘆いていた。

集団・組織

アイアンジョーカーズ

天京市に存在する、シリウスに対抗するための権限を与えられた特別な警察組織。司令官はカイ。破壊獣の撃滅を最優先事項として活動しており、市民の安全確保は「一般警察の仕事」であるとして一切省みない。半年前に構成員となったユウキ・ゼンはその方針に反発し、現場で市民を救いながら、数多くの破壊獣を倒し続けている。

シリウス

餓鬼をリーダーとし、数多くの信徒を抱える狂信的自然主義者集団。表面的には自然への回帰を訴えているただのカルト団体だが、実は地球の環境を破壊し続ける人類すべてを破壊獣へと変化させ、自然界の一員に戻すことを、真の目的として活動している。

場所

天京市 (あまみやし)

塔のような建造物の中に構築された、2000万人の人口を抱える超巨大都市。欲望のままに暴れる破壊獣の出現によって市民の生活が脅かされているため、特別に組織されたアイアンジョーカーズが、それらの掃討を任されている。

その他キーワード

破戒獣 (はかいじゅう)

餓鬼や喰界坊爺によって力を与えられた人間が変貌を遂げた化け物。破壊獣となった者は、己の内に潜ませていた欲望を解放させ、異形の獣となって各地で大暴れする。一般警察では太刀打ちできないため、彼らの排除を専門とする組織「アイアンジョーカーズ」が立ち上げられた。

クレジット

脚本

ほその ゆうじ

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