概要・あらすじ
不良少年の鋭二が誤って倉庫の地下室に落ち、長い雨が降り終わった後に脱出すると、街は無人だった。そして、人間の死体から誕生し、殺してもバラバラにしても再生する夜行性の「最悪の生き物」=ワーストマンに出会う。ワーストマンはあらゆる動物、もちろん人間をも襲って喰うのだ。ワーストマン出現から数年で、地上の人間は数カ国に隠れて暮らすだけとなる。
鋭二は合流した卓らと日本ワーストマン対策本部を設立。それが彼らとワーストマンの戦いの始まりだった。
登場人物・キャラクター
鋭二 (えいじ)
少年院を3回脱走した不良少年。不良仲間にはカミソリ鋭二と呼ばれていた。人類の運命を変えた長い雨を避けたことで生き延び、生存者を集めて日本ワーストマン対策本部を作った。日本ワーストマン対策本部に逃げ込もうとする子供を助けるために自爆した。
前島 卓 (まえじま たく)
『ワースト』の第2部の主人公で、第3部でも中心人物として活躍する。10歳前後のときに鋭二と出会い、兄貴と慕う。ワーストマンとの戦いに知識が必要という鋭二の言葉を受けて、寝食を惜しんで勉強を続けた。ワーストマン絶滅への意志は強く、そのために孫の力に恨まれた。
前島 力 (まえじま りき)
卓の孫で、勝手な半端者で反省房の常連。対抗していた西を殺した罪で死刑になるところを、日本再興の土台作りを命じられて西殺しに協力した仲間たちとともにジャングルと化した東京に送られる。ワーストマンの異変を発見し、それを材料に仲間の助命を申し出る。力自身はそのまま東京に残った。
ハリー・ジェームス
米軍の脱走兵で鋭二たちに合流。その後は卓の相談相手となる。死刑になりそうだった力を東京追放にしたのはハリーのアイディア。
遠崎 (とおさき)
日本ワーストマン対策本部で鋭二に親玉争いを申し出たが、敗れて従うようになった。その後は成長した卓の補佐役となる。町に出てワーストマンに襲われた鋭二の息子渉たちを助けるために自爆。
西
力と衝突していた警備隊員。卓から力の鼻っ柱を折るように頼まれたが、エスカレートして決闘をすることになる。ワーストマンが徘徊する夜の基地の外を一周する勝負だったが、基地内に隠れていた。それに怒った力に射殺された。
前島 渉 (まえじま わたる)
鋭二の息子で、長じて卓の娘と結婚。地上の警備隊長になる。子供時代はイタズラばかりしていて、研究用に育てていたワーストマンの姿を見て、母の成れの果てと知らずに笑ったことがある。
美加 (みか)
鋭二の恋人に看護の仕事を教わった少女で卓のGF候補になる。渉のイタズラに振り回されている。
百合 (ゆり)
力の一つ年上の恋人。無茶ばかりする力を心配している。東京に残った力のもとに向かい、卓の本心を伝える。
チビ金 (ちびきん)
力の反省坊仲間の少年。片目で口が軽い。
入道 (にゅうどう)
力の反省坊仲間の少年。坊主頭であごひげの巨体。力の指示にはよく従う。
ワーストマン
『ワースト』の敵。世界中に降った長い雨の後、変死した人間の皮を破って現れた。バラバラにされても復活する。6000度以上の高温でのみ倒せる。夜行性で環境に順応して、海中型や飛行型へと進化を見せた。さらに、次第に知能も発達している。主食はあらゆる動物で、共喰いもする。地上の動物をほぼ喰い尽くしてからはワーストマンの焼死体から伸びる巨大キノコ。 正体はワーストマンウィルスだった。
集団・組織
日本ワーストマン対策本部
『ワースト』に登場する組織。鋭二が卓とハリーの3人で立ち上げた。霞が関ビルの36階に本部が置かれ、周辺に呼びかけて生存者を集めた。子供ばかりの集団で、遠崎とハリーが最年長。第2部で東京を離れ、太平洋の島に移った。事実上の日本代表。
その他キーワード
ワーストマンウィルス
『ワースト』に登場する病原体。人類が発生し続けた汚染物質によって繰り返し突然変異を起こしたものであることを卓が看破した。力が発見した「伝染病にかかったワーストマンから培養した新種のウィルス」によって全滅が可能と判明した。