あらすじ
第1巻 魔女恋編
魔法学と妄想が好きなごく普通の高校生の白間淳は、ある日、道で拾った奇妙な指輪がきっかけで、スタイル抜群の美女、バラバンバを魔界から召喚してしまう。バラバンバは、かつて人間界に出現した魔女のバラバの娘だった。相思相愛の仲となった淳とバラバンバは、召使のダゴタにまたがって異次元の世界に旅立ち、めくるめく不思議なひとときを過ごす。翌朝、淳が通う高校に男子転校生の薔薇場蛮に扮したバラバンバが現れ、女番グループから虐められていた淳のピンチを救う。そして、バラバンバと淳は時空を超えて南海の小島に瞬間移動し、二人は再び悦楽の世界にのめり込むのだった。次の日、バラバンバは淳を連れて母親のバラバが創造した異次元宇宙に向かう。だが、その世界はすでに荒廃した廃墟の世界に変容していた。悲しみのあまり、バラバンバは幼い少女に変身してしまう。だが、夜になってバラバンバが眠りにつくと、彼女の肉体は徐々に成長して元の身体に戻る。淳は眠っているバラバンバの身体を抱き締め、そのまま悦楽の世界に入っていく。一方のバラバンバは、空を飛びながらダゴタに自分の身体をくすぐられてもだえている夢を見ていた。
第2巻 魔女戦争編
バラバンバは、浜辺で暴走族に扮した悪魔一味に誘惑され、崖の上の別荘に拉致された。そこに、特大の魔女狩りの針で、魔力を無効化してバラバンバを亡き者にしようと、魔女ハンター一の族の青年、無縷神が迫る。その頃、白間淳はバラバンバからのテレパシーで、彼女の身に危険が迫っている事を知る。魔界にいるバラバの魔法の力を借りてソロモンの魔法の盾と剣と船を手にした淳は、別荘から姿を変えた悪魔の城に急行し、ソロモンの呪文を唱えて無縷神を倒し、バラバンバを救うのだった。その後迎えた新学期、淳のクラスに美人教師のエリザベス・田中が赴任する。彼女の正体が魔界侯爵のエリザベス・ベルムであると見抜いたバラバンバは、彼女を亜空間に誘い込み、戦いを開始。その影響は宇宙空間にまで及び、淳とバラバンバはエリザベス・ベルムの魔法によって巨大宇宙船に引きこまれ、幻覚を見せられる事となる。だが、そこに現れたバラバに間一髪で救われ、ついにバラバ母娘と魔女王との最終決戦の火蓋が切って落とされる。そしてバラバンバは、淳の身を案じて彼の記憶を消し、もとの平凡な高校生活へと戻すのだった。
登場人物・キャラクター
バラバンバ
バラバと日本人青年との間に生まれた混血の魔女。抜群のスタイルと美貌で、白間淳をはじめ、多くの男を悩殺している。テレパシーや空を飛ぶことの他、タイムトラベルや異次元ワープなどさまざまな超能力を持つ。感情の変化に伴い、幼児になってしまうこともある。
白間 淳 (しろま じゅん)
高校2年生の男子。他の生徒たちにいじめられてばかりいる気弱な性格。セックスには人一倍関心があるものの童貞で、好きな女の子に声をかける勇気もない。魔法学を研究しており、黒魔術を使って悪魔を呼び出し、何でも自分の思いのままにすることを、常日頃から妄想している。
バラバ
バラバンバの母親。亜空間という異次元世界に棲む魔女。日本人青年と交わり、混血児の魔女バラバンバをもうけた。強力な魔法を使うことが可能で、「魔女の中の魔女」と評される存在。普段は人間世界に姿を見せないが、陰ながらバラバンバを見守っている。
薔薇場 蛮 (ばらば ばん)
白間淳が通う高校に転校して来た1年生の男子。学帽を目深に被った、スラリとしたスタイルのイケメン。他の生徒たちにいじめられていた淳を救う活躍を見せるが、実はその正体は変身したバラバンバ。「晴野」という別名を名乗ることもある。
薔薇野 (ばらの)
白間淳が通う高校に赴任して来た女性教師。プロポーション抜群で、ハイレグのビキニに上半身はスケスケのローブをまとっただけ、というコスチュームで男子生徒を悩殺する。校長の命により、性教育の実践授業のためにやって来たと語るが、実はその正体は変身したバラバンバ。
ダゴダ
バラバンバに仕える召使の男。身体がイボイボのついたペニスのような形をしており、ホウキのような尻尾を生やした奇怪な容姿。かつてはバラバに仕えていた年老いた魔物で、文句を言いながらもバラバンバの指示には忠実に従う。バラバンバと白間淳を乗せて空を飛び、2人を時空を超えた旅にいざなう。
羽沢 さおり (はざわ さおり)
白間淳と同じ高校に通う高校2年生の女子生徒。女番お花クラブに所属している。淳があこがれる可愛らしい美少女。淳の夢の中では恋人同士だが、現実では、いつも表立って弱虫の淳をからかっている。骨のある男性が好き、と公言する現代っ子。
無縷神 (なるかみ)
魔女ハンター一族の青年。逆だった金髪に鋭い目付きで、黒装束を身に着けたイケメン。悪魔と人間の混血の魔物で、日本では無縷神を名乗り、魔界ではナルカミと呼ばれている。1000年以上も陰から日本を操っている無縷神家の一員。
エリザベス・田中 (えりざべすたなか)
イギリスの名門校から城間淳が通う高校に赴任して来た女性教師。担当は英語。日英混血の美女で、優秀な生徒を選抜して英国に留学させる目的で来日した、と語っている。その正体は魔界侯爵の「エリザベス・ベルム」で、真の目的は魔女狩りである。
文月 愛 (ふみづき あい)
白間淳と同じ高校に通う高校2年生の女子生徒。長い黒髪の美少女で、男子生徒たちのアイドル的な存在。自分の裸は母親以外には見せたことがないという、恥ずかしがり屋で純情な性格の処女。霊視能力を持った超能力者でもある。
泥門 (でーもん)
暴走族のリーダーを務める男性。ワル仲間を数人引き連れてバイクで暴れまわっている。顔全体に悪魔風のペイントを施し、髪を金髪に染めている。無縷神の従順な手下で、彼の命令によってバラバンバを捕らえ、彼女を窮地に陥れる。
アガラー
魔界を支配し、すべての魔物や魔女たちの頂点に君臨する「魔女王」。バラバとは宿命のライバル同士。地球に逃亡した魔女たちを撲滅することに執念を燃やしている。容姿が醜いため、バラバンバの若く美しい肉体を欲している。
ユーラ
魔界でアガラーに忠実に仕える家来の魔女。地球上の魔女狩りに尽力している。頭巾とマントで顔と身体全体を覆い、その素顔を隠している。バラバンバを倒すため、ユーラ自身の血縁者でもあるエリザベス・ベルムを日本に派遣する。
集団・組織
女番お花クラブ (すけばんおはなくらぶ)
白間淳が通う高校の、不良少女ばかりの集団。正確には「華道同好会」だが、その性質から「女番お花クラブ」の名で知られている。乱交が行き過ぎたせいで全員性病にかかっている。その腹いせに、男子生徒を引き込んで無理やりセックスを迫るという、無茶苦茶な活動をしている。メンバーはそろって、イケメンの男子相手にはメロメロになるという弱点を持つ。
場所
亜空間 (あくうかん)
魔女が自身のイメージによって作り出すことができる異次元空間。魔女は自分の子供を身ごもると、自分に適した環境の世界をイメージし、その亜空間に自分の身体を転移させて移住。そこで子供を育てるという習わしになっている。
魔界 (まかい)
魔女たちが棲家とする異次元空間の宇宙。アガラーが支配する魔物たちの世界でもある。月面の裏側にある洞窟の中に、その入口がある。魔界から別の異次元世界に移動した生命体は、悪魔や妖怪に姿を変えることとなる。
その他キーワード
ソロモンの魔術 (そろもんのまじゅつ)
呪文とイマジネーションによって実現する魔術。悪魔と戦う際に、その強大な威力を発揮する。海上を渡って悪魔の城に突撃する「ソロモンの船」、強力な防御と攻撃能力を持った「ソロモンの鎧」「ソロモンの盾」「ソロモンの剣」などの術がある。
肉体交換 (にくたいこうかん)
魔力により、生きたまま眠らせた他人の肉体に、自分の魂を入れ替えて乗っ取り、自身の身体と交換するという魔術。一度肉体交換をしてしまうと、二度ともとに戻ることはできない。アガラーのみが使うことができる。