概要
錬金術世界にいたエドワード・エルリックは、門の向こうの現実世界に飛ばされた。ここは西暦1923年のドイツ・ミュンヘンで、第一次世界大戦後の混沌とした世界。なぜか錬金術が使えなくなったため、元の錬金術世界に帰るためにロケット工学を利用しようと研究していたが、手がかりが得られないまま2年が過ぎる。
そんな中、シャンバラへの道を開くことで排他的な単一民族国家を形成しようと目論むトゥーレ協会が周辺で暗躍していた。
登場人物・キャラクター
エドワード・エルリック (えどわーどえるりっく)
「鋼」の二つ名を持つ錬金術師の少年で、現在18歳。飛ばされた現実世界のミュンヘンでは錬金術が使えない。元の錬金術世界に帰るためにロケット工学を研究しているが未だに方法が見つからず、孤独と焦りを感じ始めている。 錬金術世界にいたころとは異なる材質の義手と義足を付けている。
アルフォンス・エルリック (あるふぉんすえるりっく)
エドワード・エルリックの弟で、現在13歳。兄のおかげで生身の体を取り戻したが、それまでの4年間の記憶が無い。兄と再会するため、錬金術世界で再度錬金術の修行を積んでいた。錬金術世界に突然現れた門から大量の鎧が現れたとき、そのひとつに魂が乗り移り、現実世界にやってきてエドワード・エルリックと再会する。
ウィンリィ・ロックベル (うぃんりぃろっくべる)
エルリック兄弟の幼なじみで、錬金術世界で機械鎧技師の修行をしている。
ロイ・マスタング (ろいますたんぐ)
「焔」の二つ名を持つ錬金術師。ホムンクルスプライドとの戦いに勝利したが、左目を失ってしまう。錬金術世界では元准将だったが、現在は一兵卒となり、北方で軍役に着いている。
アレックス・ルイ・アームストロング (あれっくするいあーむすとろんぐ)
「豪腕」の二つ名を持つ錬金術師。錬金術世界では軍を離れ、復興のための事業家になっている。
リザ・ホークアイ (りざほーくあい)
錬金術世界で、中央司令部の中尉となっている。だがロイ・マスタングと離れ、何かが欠けたような思いを抱いている。射撃の腕に優れる。
ピナコ・ロックベル (ぴなころっくべる)
ウィンリィ・ロックベルの祖母で、幼いころのエルリック兄弟の面倒も見ていた。
アルフォンス・ハイデリヒ (あるふぉんすはいでりひ)
現実世界の男子学生で、なぜか容姿はアルフォンス・エルリックに似ている。エドワード・エルリックと共にロケット工学を研究しているが、その研究がトゥーレ協会に利用されていることを知らない。病に侵されており、自分の寿命が残りわずかなことを自覚している。
カール・ハウスホーファー (かーるはうすほーふぁー)
現実世界で、秘密結社トゥーレ協会の指導者をしている学者。オカルトに精通している。世界を征服するため、理想郷シャンバラの鍵となる大いなる蛇を探している。
ルドルフ・ヘス (るどるふへす)
カール・ハウスホーファーの弟子で軍人。アルフォンス・ハイデリヒらが研究しているロケット工学に、強い興味を持っている。後にナチスの副総統となる。
ノーア
現実世界で暮らす女性で、人々から異端視され各地を放浪している。また他人の心の中を読めるなどの特殊な能力を持っており、秘密結社トゥーレ協会に追われている。エドワード・エルリックに助けられ、一緒に生活を始める。
デートリンデ・エッカルト (でーとりんでえっかると)
現実世界にいる女性で、秘密結社トゥーレ協会のトップ。理想郷シャンバラの力を利用して、ナチスの影響力を強化しようとしている。
下宿屋の女主人 (げしゅくやのおんなしゅじん)
エドワード・エルリックとアルフォンス・ハイデリヒが住んでいる下宿の家主で、花屋を営む。なぜか錬金術世界にいたヒューズの妻グレイシアによく似ている。
エンヴィー
ホーエンハイムを追って現実世界に来たホムンクルス。ウロボロスのドラゴンの姿に変わり、古城に隠れ住んでいる。マブセと共に古城を訪れたエドワード・エルリックに襲いかかる。だがトゥーレ協会の者たちに捕らえられ、シャンバラの門を開くために利用される。
ヒューズ
現実世界の警官で、下宿屋の女主人に思いを寄せている。なぜか錬金術世界にいたヒューズと容姿が似ている。
ラース
エドワード・エルリックたちの師匠イズミが死んだ息子を人体錬成した際、失敗して生まれたホムンクルス。機械の義手と義足を付けている。亡くなったイズミの墓の前でずっと座り込んでいたところ、ウィンリィ・ロックベルに声をかけられる。
ロゼ
錬金術世界のリオールで孤児たちと暮らしながら、町の復興を手伝っている少女。
フリッツ・ラング (ふりっつらんぐ)
現実世界の映画監督。古城にいるドラゴンを捕まえるため、エドワード・エルリックに護衛を頼む。なぜか容姿が、錬金術世界のキング・ブラッドレイに似ている。
エリック・ヤン・ハヌッセン (えりっくやんはぬっせん)
現実世界に住む、千里眼を持つという謎の能力者。ノーアの能力を欲しがる。
ホーエンハイム
エドワード・エルリックらの父親で、現実世界に飛ばされたエドワード・エルリックのために、錬金術世界に戻る方法を探している。
フューラー
ドイツで政権を奪うため、ミュンヘン一揆を起こす。後のアドルフ・ヒトラー。
グラトニー
錬金術世界のホムンクルスで、何でも食べてしまう。地下都市に閉じ込められている。
ハスキソン
錬金術世界の物理学者。エドワード・エルリックが錬金術世界にいたころに、ウラニウム爆弾を開発する。だがエルリック兄弟に使用を断られ、人体錬成を行った際に門に引きずり込まれた。そのウラニウム爆弾は現実世界に飛ばされていた。