概要・あらすじ
人類同士の戦争が続く未来、ユニオンの少女セーラ・ウィーレックは英雄である兄ラルフ・ウィーレックを誇りに思っていた。グラベラ空間機甲兵科学院で学ぶセーラ・ウィーレックの日々は、敵ディーグの唐突な攻撃で終わる。
その敵を率いていたのは、英雄であるはずの兄ラルフ・ウィーレックだった。友を失い、機動兵器ストレインを操るために絶対に必要なミミックを失い、すべてを失ったセーラ・ウィーレックは、機動歩兵として名を変えて再出発する。
だが、その訓練中に再び兄の襲撃を受ける。
登場人物・キャラクター
セーラ・ウィーレック (せーらうぃーれっく)
英雄である兄ラルフ・ウィーレックを慕い、兄と肩を並べるべく機動兵器ストレインの訓練に励む。だが、その兄の裏切りで、ストレイン操縦に欠かせないミミックを失う。転校し、セーラ・クルスと名を変え、機動歩兵の訓練を受けるセーラだが、同級生からの執拗ないじめにさらされる。 持ち前の根性で亜光速演習への参加を許されたセーラだが、演習中にまたも兄の襲撃を受ける。戦うすべのないセーラは、メルチセデックらが極秘に組み立てていたストレインとミミックエミリィ人形を得て、奇跡の出撃を果たす。
ロッティ・ゲラー (ろってぃげらー)
バジオン総合戦術学校空間機甲科の訓練生。空間機甲科のリーダー的存在で愛称は女王様。いじめに負けないセーラ・クルスを評価し、「根性女」と呼んで応援する。セーラが空間機甲科に編入してからもツートップ・フォーメーションを提案することなどから、彼女を高く評価する。 兄をラルフ・ウィーレックに殺されているため、ラルフ相手には冷静さを失う。
ラルフ・ウィーレック (らるふうぃーれっく)
セーラ・ウィーレックの兄。かつてはユニオンの若き英雄であったが、突如離反しディーグに寝返る。グラベラ空間機甲兵科学院を襲撃し、エミリィを奪取する。数年後、今度はバジオン総合戦術学校の演習艦リベルタッドをディーグ軍を率いて襲撃する。 ストレインの操縦では他者の追随を許さない、圧倒的な能力を誇る。
エミリィ
グラベラ空間機甲学院の秘密施設で眠らされていたがラルフ・ウィーレックによって奪取される。ディーグの戦艦クンルーンに搭乗し、ラルフ・ウィーレックを「お兄ちゃん」と呼んで付き従う。その容姿はエミリィ人形に酷似している。 実は人類によって実験にさらされていた異星人。
メルチセデック
演習艦リベルタッド内で違法改造ストレインを自作する、バジオン総合戦術学校の教官。容姿も行動も子供だが、校長であるクレイブンと同等か、むしろ目上のような振る舞いをする。他人のミミックと同調しストレインを起動させたセーラ・クルスを監視下に置くとして保護する。
カアマイクル
メルチセデックの同僚で、一緒に違法改造ストレインを作っている。こちらも年齢不詳。エミリィ人形の服を作るなど手先も器用。
イザベラ
バジオン総合戦術学校機動歩兵科の訓練生。転入してきたセーラ・クルスのことをよく思わず、特にロッティ・ゲラーと共謀していると勘違いしてからは、執拗にセーラ・クルスをいじめる。 プライドは高いが実力は伴っておらず、ディーグ軍の襲撃を受けた際は何もできずに戦死する。
クレイブン
バジオン総合戦術学校校長。演習艦リベルタッドによる亜光速演習にも同道し、訓練の指揮を執る。メルチセデック、カアマイクルらとは古い付き合いらしい。
メドロック
ディーグの軍人で戦艦クンルーンの指揮官。ラルフ・ウィーレックの監視役であるが、ラルフ・ウィーレックとは男女の仲になっている。クンルーンをラルフ・ウィーレックに制圧され、その自爆に巻き込まれる。
その他キーワード
ストレイン
『奏光のストレイン』の主要機動兵器の総称。亜光速戦闘が可能。操縦するために不可欠なミミックは操縦者が胚のうちに分裂させ誕生させた「双子」の脳髄を収納している。操縦者(リーズナー)はミミックを介し、ストレインの機動性能を発揮することができる。 その性質上ミミックは複製不能であり、ミミックを失ったものはリーズナーの資格を失うことになる。