家畜人ヤプー

家畜人ヤプー

完全な女尊男卑の世界であり、また日本人が家畜として扱われる不条理な未来世界へと行くことになってしまった、ドイツ人のクララ・フォン・コトヴィッツと日本人の瀬部鱗一郎のカップル達の姿を描いたエログロSF漫画。1956年から連載された沼正三の同名小説『家畜人ヤプー』を原作とした作品。

正式名称
家畜人ヤプー
ふりがな
かちくじんやぷー
作画
原作
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
グロテスク・エログロ
 
不条理・シュール
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概要・あらすじ

婚約者同士である、日本人の瀬部鱗一郎とドイツ人のクララ・フォン・コトヴィッツは、ある日、謎の飛行物体の墜落現場に遭遇する。その宇宙船に乗っていた女性ポーリーン・ジャンセンは、未来に存在するイース帝国からやってきたという。彼女のいた世界は、完全な女尊男卑の世の中であり、また日本人は人間と認められておらず、肉体の改造を受け家畜として扱われているという。

不慮の事故から未来の毒を受けてしまった鱗一郎の解毒をするために、ポーリーンと共にイースへと行くことを決意するクララ。しかし、イースの文化に触れていくうちに鱗一郎とクララの心境には少しずつ変化が訪れる。

登場人物・キャラクター

瀬部 麟一郎 (せべ りんいちろう)

ドイツ人女性クララ・フォン・コトヴィッツの婚約者である、日本人の大学生。柔道で鍛え上げた屈強な肉体を持っており、また学業面でも優秀で文武両道。ドイツに留学中であり、山中でクララと共にポーリーン・ジャンセンが乗った飛行物体の墜落事故に遭遇する。その際、水浴びの最中で全裸であったためにポーリーンに家畜のヤプーであると勘違いされ、数奇な運命に巻き込まれていく事になる。

クララ・フォン・コトヴィッツ (くららふぉんことゔぃっつ)

瀬部麟一郎の婚約者であるドイツ人女性。没落した貴族の生き残りであり、気品を備え、乗馬などの嗜みもある。山中にてポーリーン・ジャンセンが乗った飛行物体の墜落事故に巻き込まれる。麟一郎の実直さに惹かれており、不慮の事故から毒に犯されてしまった彼の付き添いとして未来世界EHSへと向かうことになる。 白色人種の女性であるため、EHSでは最上の階級に属しており、EHSに向かう船中で最上の扱いを受け、次第にEHSの感覚に慣れ親しんでいき、麟一郎をヤプーとして認識していくようになる。

ポーリーン・ジャンセン (ぽーりーんじゃんせん)

未来世界EHSの貴族であり、時間旅行の最中に操作を誤り現代のドイツに墜落したところを、瀬部麟一郎とクララ・フォン・コトヴィッツによって救助される。その後、偶然にも全裸だった麟一郎を見てヤプーと勘違いし、彼を毒で麻痺させてしまう。その後、麟一郎を治療するためと嘘を吐き、クララをヤプーの呪縛から救おうとEHSへ招待し、二人を数奇な運命へと巻き込んでいく。

ドリス・ジャンセン (どりすじゃんせん)

ポーリーン・ジャンセンの種違いの妹。処女の美少女。男妾の娘ということで、生まれながら政界などの中央部への道は閉ざされている。しかし、その分スポーツに打ち込んでおり、特に乗馬に関しては名手として知られている。船を壊してしまったポーリーンとクララ・フォン・コトヴィッツをEHSへと迎える為に地球へとやってくる。 クララとは年が近く、良き話相手となる。

セシル・ドレイパア (せしるどれいぱあ)

ポーリーン・ジャンセンの実兄。現代の女性的な容姿と服装をした美男子であり、家畜文化史を専攻している学者でもある。そのため、ヤプーについても人一倍詳しい。ちょっとした聞き間違えから、瀬部麟一郎を去勢に追い込んでしまう。

ウィリアム・ドレイパア (うぃりあむどれいぱあ)

セシル・ドレイパアの義兄。中性的な顔立ちをした美男子であり、EHSでは珍しく男子ながら運動を好むため「おてんば」と形容されている。また、いち早くクララ・フォン・コトヴィッツがEHS人でないと気づくなど、頭の回転も速い。ポーリーン・ジャンセンを救助するための船に同乗し、そこでクララに一目惚れをし、彼女との結婚を望むようになる。 EHS人が好む、ソーマという飲み物を良く摂取している。

その他キーワード

EHS (いーす)

『家畜人ヤプー』に登場する用語。未来の世界を指し、白色人種が神として支配階級にあり、その下に奴隷階級である黒色人種の黒奴がおり、そして黄色人種が家畜として扱われている。また、完全な女性社会でもあり、男性は化粧をするなど現代でいう女性のように振る舞うことが多い。

ヤプー

『家畜人ヤプー』に登場する用語。未来世界EHSに於いて、知性のある家畜として扱われる黄色人種のこと。食用から生活用具、排泄家具など様々な用途で使われ、目的に応じた肉体改造を受けている。白色人種は神であり、彼らに奉仕することを至福として教育されているために、どれだけ虐げられても反逆することはなく、神に忠実に従っている。

黒奴

『家畜人ヤプー』に登場する用語。未来世界EHSに於いて、奴隷階級に位置する黒色人種のこと。人間として認められているものの、神である白色人種から虫けらのように扱われており、些細なミスでもすぐに死刑にさせられてしまうほど。頭部にはめられた金属製の輪は、神からの命令を受信する装置。

(かみ)

『家畜人ヤプー』に登場する用語。未来世界EHSに於いて、支配階級に位置する白色人種のこと。奴隷の黒奴や家畜のヤプーを支配するために、自分たちを神格化しており、女性は女神、男性は男神と呼ばれる。人間である黒奴に対してはある程度の温情をしめすものの、家畜であるヤプーに対しては特に思い入れを持たず、自分たちの生活の為に過酷な肉体改造を施す。

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