概要・あらすじ
ペイトン家の小間使いのエイブは、美しい少女マリーンと出会う。エイブが成長し、様々な困難に直面する中で、たびたび姿を現すマリーン、彼女は成長せず、ずっと同じ年のままだった。母の死をきっかけにペイトン家に引き取られ、テリーに才能を見いだされ、テニスを学んでいくエイブ。ある日、マリーンとエイブの姿を目にしたペイトン家の娘ディデッドは、マリーンが貴族の一人娘・セオドラであり、婚約者がいることをエイブに伝える。
エイブがマリーンを問いつめると、それ以降彼女は姿を現さなくなってしまった。テリーの元で、プロテニスプレイヤーとして活躍するエイブに、マリーンと婚約者の結婚披露宴への招待状が届く。
会場の船の上でエイブとマリーンは初めて出会い、恋に落ちるが、マリーンは初恋が成就しないことを苦にして船から飛び降りて自殺。エイブは、自分が会っていたマリーンは、その自殺した少女が、自分の過去に会うためにさまよっていた魂であることを知る。原作は今里孝子。
登場人物・キャラクター
エイブ・リーマン (えいぶりーまん)
幼い頃から、病弱な母の代わりにペイトン氏の家で小間使いをしている。母の薬を買いに行った際、マリーンと初めて出会った。仕事のため欠席気味だが、学業は優秀。母が死亡したのをきっかけに、ディデットの父・ペイトンに引き取られた。金さえあれば、人の手を借りずにすむという価値観を持つようになった。 テリーにテニスの才能を見いだされ、学校のテニス・サークルに入る。その後、ディデットの起こした騒ぎをきっかけに、ペイトン家を離れ、テリーの元で、プロテニスプレイヤーとして活躍するようになる。ディデットからマリーンの正体を知らされ、それを確かめた直後、マリーンは姿を見せなくなってしまった。 マリーンの正体であるセオドラ・ビクトーリア・フィールズベリと、婚約者ビンセント・クラークの結婚披露宴に招待され、そこで初めてセオドラと出会った。セオドラは初恋が成就しないことを苦にして、会場である船から飛び降り自殺。エイブは、彼女こそがマリーンであり、叶わない恋の相手の過去をさかのぼっていたことに気づく。
ディデット
『マリーン』に登場するキャラクター。ペイトン氏の娘。幼い頃からエイブに惹かれていたが、金持ちとしてのプライドなどがあり、彼を見下し、軽んじる態度ばかりとっていた。エイブに反抗されたのを悔しく思って騒ぎを起こし、彼を家から追い出した。その後、エイブとマリーンが会っているのを見、彼女の正体をエイブに教えた。 マリーンの婚約披露があることを告げたのも、エイブがこれ以上傷つかないようにという優しさからきているのだが、その態度はきついものであった。
マリーン
『マリーン』に登場するキャラクター。幼いエイブに、銀の貝の形をしたイヤリングを贈った。その後、たびたびエイブの前に、全く成長しない姿を見せる。ディデットからマリーンの正体を知らされたエイブが、それを確かめた直後、マリーンは姿を見せなくなってしまった。マリーンは偽名で、瞳の海に似た青色にちなんだもの。 本名は、セオドラ・ビクトーリア・フィールズベリで、生まれたときから決められた、ビンセント・クラークという婚約者がいた。結婚披露宴の会場である船の上で、初めてエイブを目にし、恋に落ちるが、同時に自分の恋が成就しないことを知って、船から身を投げた。幼いエイブの前に姿を現していたのは、その死んだ後のマリーンであり、彼女は初恋の人のことを知りたいと願うあまり、時空をさまよっていた。
テリー・ローブ (てりーろーぶ)
『マリーン』に登場するキャラクター。ディデットのテニスの先生だったが、エイブの才能を見出し、レッスンをつけるようになる。ディデットがエイブを家から追い出した際、彼を引き取り、プロテニスプレイヤーとしての道を歩ませた。