素足のメテオライト

素足のメテオライト

『リィンカーネーションの花弁』で知られる小西幹久の初連載作品。現代日本を舞台に、ごく普通の男子高校生・朝田名有介が、突如現れた「神」を自称する少女・ダルミルと共に、神を狙う謎の化け物「喰星(くいぼし)」と戦う姿を描いたバトルアクション。マッグガーデン「月刊コミックブレイド」2011年3月号から2012年11月号にかけて掲載。

正式名称
素足のメテオライト
ふりがな
すあしのめておらいと
作者
ジャンル
アクション
レーベル
ブレイドコミックス(マッグガーデン)
巻数
全5巻完結
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突如現れた神

ごく普通の男子高校生・朝田名有介は、ある日突然、隕石の衝突によって住む家を失ってしまう。その原因となった隕石を手に取ると、そこから一人の少女が顕現。彼女は「ダルミル」と名乗り、自らを「神」と称して有介の望みを尋ねる。そんな彼女に対して「普通」を愛する有介は、神である彼女の出現自体をなかったことにしてほしいと答えるが、そこにダルミルの命を狙う謎の化け物が出現。自分が殺されれば、神の存在がなかったことになるというダルミルだったが、彼女を放っておけない有介は前言を撤回し、ダルミルの力を借りて謎の化け物に立ち向かう。

神とその命を狙う喰星

神を狙う謎の化け物は、有介によって「喰星」と名付けられた。喰星は最初は巨大な輪として顕現し、そこにいる人の意志を覗いて、その人のトラウマを伴う形へと変化する。だが、そのターゲットは人間ではなく、あくまで神である。なお、人の願いが千差万別であるように、神もまたダルミル以外に、さまざまな者が存在する。器となった人間によっては問題を起こす神も存在するが、いずれの神も喰星に命を狙われているのは同様である。ちなみに神は、器にとってもはや自分が必要なくなったことを悟ると、自ら喰星に命を捧げる場合もある。そんな戦いの中、有介は時に邪な願いによって呼び出された神そのものとも対峙。これらの出会いをとおして有介は、オタクで理論派の親友・カメ次と共に人間と神、そして喰星の関係や存在についての考察を巡らせる。

有介の口癖に隠された秘密

有介は「普通」が口癖で、いいことをしても「普通のことだ」と意に介さない。有介は自覚していないが、これには幼少期の出来事が影響しており、彼の性格や「普通」という言葉には、実は想像以上に重い意味が込められている。そして物語終盤、有介の過去が明らかになり、そこから神の存在意義が導き出されていく。物語中に張り巡らされた伏線が怒濤の勢いで回収されていく展開は、本作の大きな見どころとなっている。

登場人物・キャラクター

朝田名 有介 (あさたな ありゆき)

高校2年生の男子。両親は海外赴任中で、一軒家で一人暮らしをしている。人並外れて責任感が強く少々お人よしだが、「普通」が口癖で、ごく平凡な日常を愛している。そのため、常識で考えられない「普通ではないこと」について、かたくなに受け入れようとしない。ある流星群の日にちょっとした願い事をした、翌日、自宅に隕石が衝突して家がなくなっていた。その隕石から「神」を自称するダルミルが顕現し、彼女の「器」となった。当初は、あまりにも普通ではないことの連続に、この事態を受け入れずにいたが、ダルミルを殺すために高次元的存在の化け物「喰星」が出現。これをきっかけに、ダルミルを守るために彼女の神の力を借りて喰星との戦いに身を投じていく。そして、ほかの人間と神との問題にも首を突っ込むようになる。

ダルミル

朝田名有介の前に現れた、自らを「神」と称する幼い少女。ロングヘアで、お札のような長いリボンをつけており、両目の下に三つずつ黒い斑点がある。ちなみにこの斑点は、すべての神に共通のもの。尊大な口調ながら、超常の力で自らの「器」となった有介の願いを叶えている。喰星に命を狙われているが、有介の願いに応えて彼に戦うための力を与えている。有介がダルミルに願えば、基本的にどんなことでも叶えられるが、ダルミルが常識に欠けていることから、互いに明確に意思の疎通ができていないと、有介にとって思いがけない結果が現れる場合もある。ちなみに、神の力を使うと反動で器である有介が腹痛に見舞われるという副作用がある。

書誌情報

素足のメテオライト 全5巻 マッグガーデン〈ブレイドコミックス〉

第1巻

(2011-07-08発行、 978-4861278693)

第5巻

(2012-11-09発行、 978-4800000675)

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