文明が未発達な異世界が舞台
本作の舞台となるのは、文明的には未発達で、モンスターや獣人などの異種族や魔法が存在するファンタジー世界。魔法のほかにも「加護」と呼ばれている特殊スキルが存在し、同じ加護でもさまざまなレベルがある。加護の強さはステータスや戦闘力に強く影響し、加護に合わせて職業を選ぶ者も多い。そんな異世界に転生した主人公の椎名和也は、貴族の三男であるカイン・フォン・シルフォードとして新たな人生を歩むことになる。少しドジで苦労人なカインが、神々や王国に振り回されながらも、出会いや成長を重ねていく王道ファンタジーが展開される。
主人公は神の加護を受けた貴族の少年
椎名和也は現代日本で孤独に暮らしていたが、暴漢から少女を庇って命を落とし、前世の記憶を残したままカイン・フォン・シルフォードとして異世界に転生した。5歳を迎える頃には異世界を束ねる神々と直接対面するが、和也の死は無駄死であったことや、転生が神々の手違いだったことを知らされる。そのためカインは、創造神ゼノムをはじめとする神々から高レベルな加護を授かり、規格外の高ステータスを得る。前世から抱いていたライトノベルやゲームの世界に対するあこがれや好奇心を胸に、異世界での人生を堪能することになったカインだが、生来の運の悪さやうっかり者な性格から周囲を困惑させたり、思わぬトラブルに巻き込まれたりしながらも、にぎやかな異世界ライフを送っている。
異世界の文明の発達に貢献するカイン
神々と対面したカイン・フォン・シルフォードは、前世の日本人としての記憶を生かして魔法以外が未発達な異世界を発展に導いてほしいと依頼される。このためカインは、神々から受けた加護や高い戦闘力だけでなく、前世の記憶を駆使しながらさまざまな活躍を遂げ、王女を助けた功績で男爵の地位も得る。そんなカインは、ふつうの人間ならありえないほどのステータスを制御したり隠したりするのが下手で、周囲から叱責されることも多い。異世界に慣れた頃、似た境遇を持つ初代国王・ユウヤと出会ったカインは、邪神封印という目的のために修行や戦いに身を投じることになる。
登場人物・キャラクター
カイン・フォン・シルフォード
エスフォート王国、グラシア辺境伯家の三男。年齢は10歳。銀髪のショートヘアで、前髪の一部にのみ青いメッシュを入れている。前世は「椎名和也」という名の高校2年生だったが、通り魔に刺されて死亡した。5歳で洗礼を受けた際、創造神ゼノムや輪廻(りんね)を司(つかさど)る神であるライムから、前世の記憶を活かしてこの世界の文明を発展させて欲しいと依頼されて快諾。その際、すべての神々から加護を受けたため、本来は魔法レベル5までしかない世界において、すべての魔法レベルが10となっている。ゼノムが付与した「魔法を創造できる魔法」を使用して本来のステータスを隠蔽したものの、完全には隠しきれていない。また、剣技や新しい魔法についても一度で体得してしまうため、家庭教師に就いたミリィ、ニーナからは天才と評されている。王都への移動中、モンスターに襲われている王女のテレスティア・テラ・エスフォートや、彼女の次女であるシルク・フォン・サンタナを助けたことから男爵に叙爵され、テレスティアとシルクの婚約者となる。
テレスティア・テラ・エスフォート
エスフォート王国の第三王女。腰までの金髪をハーフアップにしており、大きなリボンを付けている。サンタナ侯爵家の次女であるシルク・フォン・サンタナと共にマルビーク領から王都へ向かう途中、モンスターに襲われ兵士全滅の危機に陥ったところ、カイン・フォン・シルフォードに救出された。それ以来、カインに強い好意を抱いている。シルクとも非常に仲がいいが、カインに関係することについては嫉妬する様子も見せている。
クレジット
- 原作
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夜州
- キャラクター原案
-
藻
書誌情報
転生貴族の異世界冒険録 11巻 マッグガーデン〈マッグガーデンコミックス Beat’sシリーズ〉
第1巻
(2018-11-15発行、 978-4800008053)
第11巻
(2024-01-13発行、 978-4800014160)