概要・あらすじ
普通の高校生八坂真尋は、ある日も夜道で怪物に襲われるが、突然現れたニャル子と名乗る少女に助けられる。ニャル子は、自身がクトゥルー神話として伝えられる、「無貌の神」ニャルラトホテプそのものの宇宙人であると主張し、同時に、他の宇宙人に狙われている真尋を護衛する事を宣言する。
ニャル子は、出会う前から、護衛対象の真尋に一目ぼれしていた。何かと下らない理由で、真尋や地球に襲い来るモノ達を、力技で蹴散らしつつ、あらゆる手を使い彼を振り向かせようとする。
登場人物・キャラクター
八坂 真尋 (やさか まひろ)
市立昂陵高等学校の2年生。温厚な性格だがツッコミ体質。地球人の普通の男子高校生だが、なぜか宇宙犯罪組織に狙われ続け、また、ニャルラトホテプ星人のニャル子や、クトゥグア星人のクー子、ハスター星人のハス太などの、邪神級の宇宙人に好かれ懐かれる。 特に、ニャル子からは、露骨なアプローチを受け続けている。本人は、その好意自体は厭では無いモノの、彼女がニャルラトホテプである事から、その実体は解ったものではなく、また散々な事件に巻き込まれ続けているため、素直に成る事が出来なくなっている。 宇宙の人身売買組織に狙われ、攫われた所を、ニャルラトホテプ星人のニャル子に助けられた。 事件解決後、なし崩し的に居座った彼女の、八坂家への居候を許す。物語の進行と共に、この宇宙人の居候は増えていく。主人公ではあるが、ヒロインニャル子の方が強引で強大な力を持つ事もあり、作中での扱いは、古典的なヒロインのポジションに近い。 クトゥルー神話について一通りの知識を持ち、書により伝えられている事と、作中で現実とされる諸々の事象に対して、ツッコミ続ける。ニャル子やクー子など邪神級の宇宙人に対しては、高速でフォークを突き刺すという、バイオレンスなツッコミを見せる。 彼の扱うフォークは、同じフォーク使いの母親からの遺伝なのか、登場する宇宙人全てに対して有効で、また、事件を経る度に精度と威力を増していく。 その威力は、作中最強の存在である筈のニャル子やクー子も、フォークを見せただけで怯えるほど。
ニャル子 (にゃるこ)
本作のヒロイン。市立昂陵高等学校の2学年に所属。惑星保護機構のエージェント。正確な年齢は大学卒業後に就職している以上は不明。年齢について言及されるとすっとぼけるか、強制的に話題をそらす。銀髪ロングヘアに、長いアホ毛が一本伸びる特徴的な髪型をした美少女。 グリーンアイ。常にパロディネタや、その場限りの適当な事を言い続ける、極めてハイテンションな性格だが、稀に乙女な側面を見せる事もある。 作中において、クトゥルー神話に描かれた、邪神「無貌の神」の元ネタとされる、ニャルラトホテプ星人。その種族特性として、容姿は変幻自在で、また、なにかと、破壊や残酷な行為を好む。後ろ髪の後頭部付近に常に丸い影が描かれる。 アホ毛は彼女の感情にあわせて、クエスチョンマーク、ハート型など様々な形態を取る。また、邪神を検知する「邪神レーダー」としても使われる。大学を主席で卒業し、難関就職先「宇宙連合/惑星保護機構」に所属する優秀な人物でもあるが、その性格からか、職場での人望は余り無い。 地球産のアニメ、ゲーム、漫画を愛好する。八坂真尋に一目ぼれしており、その愛は本物で重い。 彼に、下ネタを含む直球なアプローチを繰り返すが、スルーされたり、フォークで苛烈なツッコミを入れられる事が、作中のお約束となっている。宇宙の人身売買組織に狙われた、真尋を保護するために地球を訪れ、彼と出会い交流する。 事件を解決し、地球を去っていったように見えたが、結局、有給休暇消化300年分を理由に八坂家に居付く。学校では「八坂ニャルラトホテプ」を名乗る。戦闘では、如何なる手段を使っても、勝ちをもぎ取る主義。 彼女が「宇宙CQC」と称す、「名状しがたきバールのようなもの」「冒涜的な手榴弾」などの道具を使うだけの技や、その場限りの適当なネーミングの必殺技を使いこなす。 見た目や名前の出鱈目さに反し。その威力は無慈悲かつ非道。さらに、本気になった時は、漆黒のボディスーツに、赤く爛々と輝く三つの目と、翼のようになびく同色のマフラーが特徴的な、「フルフォースフォーム」に変身して戦う。 「いつもニコニコあなたの隣に這いよる混沌、ニャルラトホテプ!」という台詞共に登場する事が多い。誕生日は2009年4月15日本籍ウィスコンシン州 ン・ガイの森を自称する。
シャンタッ君 (しゃんたっくん)
シャンタク鳥と呼ばれる、ニャル子の持つカプセルペットの一匹。本来は人を乗せられるサイズの体を持つが、物語冒頭、夜鬼ナイトゴーントと戦わせる為に呼び出されたモノの即座に負け、その時の体力消耗から愛玩動物サイズになってしまった。 その後、八坂真尋に懐き、八坂家のペット的存在に収まる。ニャル子の意思により、バイク形態「マシンシャンタッカー」に変形する事ができる。好物はニンジン。 卵を生む描写もみられ、特殊なアイテムにより、幼女姿になった事もあるが、性別は明言されていない。
ルーヒー・ジストーン (るーひーじすとーん)
銀縁の眼鏡を掛ける、長身でスタイルの良い女性。頭の上で束ね、タコのように広がる長い緑色の髪を持っている。クトゥルーの眷属、クトゥルヒ種族。ルルイエランドなどを経営する企業、株式会社クトゥルーの元ゲームハードウェア研究開発部部長。 既存ゲームハードの売り上げ不信に悩む、自社の起死回生を図った新機種、「エックスオス(Xoth)」の開発責任者を務めていた。しかし、新機種の開発に失敗。 左遷された後、退社し、市立昂陵高等学校の近くで、たこ焼き屋本舗屋「プティ・クティ」という屋台を経営し始める。登場当初は剣呑な性格をしていたが、退職後はクールで穏やかな、大人の女性として振舞うようになった。 戦闘では、水属性の技、特に主に氷や冷気を使い、氷の槍を無数に飛ばす技などを使用する。たこ焼き屋を開いた後、本来は敵対種族のハスター星人のハスターに恋愛感情のような物を抱くようになり、穏やかなながら順調に交際を重ねて行く。
クー子 (くーこ)
市立昂陵高等学校の2学年に所属。惑星保護機構のエージェント。赤毛を黒い炎のようなリボンで纏めた、上結びツインテール姿の美少女。細身でやや幼児体型。無表情で無愛想の上、一本調子の小声で話す、一見クールにも見える性格だが、精神年齢が低く行動は幼児的。 実年齢は不明だが、ニャル子の幼馴染で、ほぼ同年齢。「生ける炎」とも呼ばれるクトゥグア星人。本来ニャルラトホテプ星人とは、種族レベルで対立関係にあるが、同星人のニャル子を同性愛の対象とし、ヤンデレ級に愛す。 ニャル子に対しては、所構わず発情するなど、変態的行為に及ぶ事も多い。ニャル子の暴力を悦ぶマゾヒストの気もある。義務教育を追えた後、ニートゲーマーになっていたが、ニャル子の地球行きを知り、彼女を振り向かせる為に、地球にやってきた。 事件を起こし、八坂真尋を害そうとした事が、ニャル子の逆鱗に触れ、半殺しにされるなどしたが、結局、八坂家に居つく事となる。 その過程で、ツテで惑星保護機構に就職し、ニャル子と同じエージェントになっている。学校では「八坂クトゥグア」を名乗る。真尋の事を「少年」と呼ぶ。 物語が進むと、ニャル子への好意と平行して、真尋へも好意を見せるようになる。戦闘では、その種族属性でもある、超高熱を操り、また、眷属アフーム=ザーの力を使い、極低温冷気をも操る。 また、ニャル子同様「宇宙CQC」も使い、機動砲台「クトゥグアの配下」を使用した、熱線によるオールレンジ攻撃を得意とする。本気になった時は、母星フォーマルハウトの大気を周囲に呼び出し、自身の能力を最大限に引き出す事ができる環境を、強制的に構築する、「クロスファイアシークエンス」と言う、能力を使う。 凄腕のゲーマーでもありネットゲーム仲間も多数いる。 誕生星座は魚座。
ノーデンス
一般に人間に好意的とされる「ノーデンス」種族。物語冒頭で、ナイトゴーントを使役し真尋を襲い、人身売買オーディションにかけようとした、ニャル子が言う所の悪い個体や、現場管理責任者などの中間管理職につく複数の個体が登場する。
ハス太 (はすた)
市立昂陵高等学校の2学年に所属。緩く一本の三つ編みに纏めた金髪に、ブルーアイ。小柄な美少女然とした少年。黄色で統一された服装を好む。セラエノ図書館の司書を務めていたが、父親の仕事を手伝うために地球にやってきた。 その一件の中で出会った八坂真尋に一目ぼれし、後に八坂家に居候する事となる。学校では「八坂ハス太」を名乗る。居候と同時に惑星保護機構の非正規職員となる。「名状しがたきもの」と呼ばれるハスター星人。 ニャル子、クー子とは幼馴染だが、二人と異なり比較的常識人で、邪気のない性格。仕草は小動物にも似ている、癒し系。ただし、年齢については、ニャル子、クー子と同様に、全力で話題を避けようとする。 風を操る能力を持ち、外見に反して戦闘力は高い。本気になった時は、「黄衣の王形態(サイクロンエフェクト)となり、仮面を付けた青年姿になると同時に、天候(ウェザー)、そしてそれに関する、あらゆる事象、特に氷や雷などを操る事ができるようになる。 物語後半、本来敵対関係にある種族クトゥルヒの女性、ルーヒー・ジストーンとも心を通わせていく。
八坂 頼子
八坂真尋の母親。温和でおっとりした性格だが、必要があれば年長者としての貫禄も見せる。高校生の息子がいるとは思えないほど若作りであり、当人も永遠の17歳を自称している。主婦離れした戦闘力を身につけ、年に一度、夫婦でモンスターハントの旅行に出かける。 危険を伴うモンスターハントの報酬は法外らしく、現金一括払いで良物件の一戸建てを購入できるほど。大物モンスターは無理だが、ザコは無限に狩れる特殊戦闘能力を持つ。 フォーク使いの達人。レトロハードの収集癖を持つ。誕生星座は乙女座、血液型B型。
暮井 珠緒 (くれい たまお)
市立昂陵高等学校の2年生。八坂真尋のクラスメイトの女子。ポニーテールを黄色いメガホン型の髪留めで纏めている。あらゆる噂話を集めては、所構わず広めるため「歩くスピーカー」と渾名されている。 ニャル子と親友となり、八坂真尋への彼女の恋を応援するが、自身の初恋の相手も真尋。一期第9話『僕があいつであいつが僕で』回で、「イースの偉大なる種族」のイス香と、精神を交換されられた。 なお、ニャル子に止められるほどに、料理のセンスは壊滅的。
余市 健彦
市立昂陵高等学校の2年生。八坂真尋の親友。クラスの委員長を務める。人当たりが良く、周囲への気遣いも忘れない律儀な性格。真尋の事を「八坂」君と呼ぶ。作中数少ない空気の読める常識人だが、真尋とニャル子の関係を勝手に解釈し、そっと席を外すなど、真尋にとっては、好意が裏目に出る事もしばしば。 「イースの偉大なる種族」のイス動に精神を交換されられた時には、イス動の人格により大暴れしたが、事件の後には全く覚えていなかった。