概要・あらすじ
51歳の漫画家の中川いさみは、鼻にできたイボのようなものが、なかなか治らないため病院を訪れた。検査をして「線様のう胞ガン」と告げられる中川いさみ。「痛くもかゆくもない小さなイボのようなものがガン?」とショックを受けていると、医師から「このガンは放射線も薬も効かないので、鼻全体を切り取るのが一番いい方法だ」と言われ、さらにショックを受ける。鼻がなくなったら、義鼻をつけるのか、今より二枚目になったり、笑いがとれる義鼻をつけるのもありかなどとも考えるが、妻から別の病院でセカンドオピニオンを受けようと勧められる。次の病院でも診断は一緒だったが、そこでは重粒子線という新たな治療法を提案される。重粒子線治療は放射線の一種、炭素イオン線を使い、ピンポイントでガンを倒してくれる優れもの。他の細胞へのダメージも少なく、鼻を切り取る必要もないという。ただ、この治療法は保険が効かないため、高額な医療費がかかる。一瞬諦めかけたが、先進医療特約付きの医療保険で費用がまかなえる事を知った中川いさみは、重粒子線治療を受ける事に決めた。