概要・あらすじ
普通科と音楽科が併設され、江ノ島所在する白浜坂高校。その3年生となった宮本来夏は声楽部に所属しているものの、前年のコンクールでしでかした失敗のせいで譜めくり係をさせられていた。
大好きな歌うことを諦めきれない来夏は、弓道部に所属する親友、沖田紗羽を誘い合唱部を立ち上げることを決意。音楽科から転科してきた少女、坂井和奏に目をつけ引き入れようとするが、拒絶されてしまう。
和奏は歌うことの楽しさを教えてくれた母親の死をきっかけに、音楽と向き合うことが出来なくなってしまっていたのである。その後、なんとかピアノ担当として和奏を迎えることに成功した合唱部は、紆余曲折を経て廃部寸前のバドミントン部と合体。
登場人物・キャラクター
教頭 (きょうとう)
白浜坂高校の教頭で、声楽部の顧問を務める。音楽に対してストイックに接しており、楽しく歌うことをモットーとする宮本来夏、及び合唱部と対立する。自身も白浜坂高校の合唱部OGであり、坂井和奏の母親であるまひるとはその時の親友であるが、一方でまひるの自然体ながら人の心を捉える音楽的才能に対し劣等感を抱いていた。
田中 大智 (たなか たいち)
白浜坂高校普通科3年、バドミントン部に所属する男子生徒。隙あれば素振りをする程の練習熱心で、それゆえに遅刻の常習犯。腕前も良く全国大会へ出場するほどの実力者だが、バドミントン部は彼一人しか部員がいないために廃部寸前であり、定員を確保するために「合唱時々バドミントン部」の一員として合唱部に合流する。 合唱部としての活動を続ける中で、沖田紗羽のことが少し気になってきている。
坂井 和奏 (さかい わかな)
白浜坂高校3年の女子高生で、江ノ島の土産物店の一人娘。元々は音楽科に在籍していたが、母親が亡くなったことで音楽、特に歌うことと距離を取るようになり、普通科へと転科した。その後、宮本来夏の熱心な誘いもあり合唱部に参加。 当初はピアノのみを担当していたものの、母親の死と向き合えるようになったことで音楽や歌うことへの情熱を取り戻し、以降は合唱部改め「合唱時々バドミントン部」を引っ張っていく。
沖田 紗羽 (おきた さわ)
白浜坂高校普通科3年、弓道部に所属する女子高生。性格は男勝りで、世話焼き。身長が高く、スタイルも良い。実家は高校近くのお寺で、サブレという馬を飼っている。将来の夢は騎手であるが、父親の正一には反対されており、また騎手学校の入学要項に身長体重の制限があることから、その体格が足枷となっている。 宮本来夏とは親友であり、合唱部の立ち上げに兼部という形で参加する。
坂井 まひる (さかい まひる)
坂井和奏の母親で、故人。白浜坂高校合唱部のOGであり、現在教頭を務めている高倉直子とはその時の親友だった。音楽をこよなく愛する心優しい女性であり、幼い和奏にもその楽しさを伝えたが、和奏が白浜坂高校の音楽科を受験するのと時を同じくして他界。 受験で忙しいことを理由に邪険に扱ったまま別れてしまったことが、和奏の心に影を落としてしまっている。
宮本 来夏 (みやもと こなつ)
白浜坂高校3年の女子高生。明るく前向きな性格で、普通科に所属しているものの歌うことが大好き。そのため音楽科が中心の声楽部に所属していたが、2年次の発表会での失態により、顧問である教頭先生から歌う権利を剥奪されてしまった。 その後、歌う機会を求め、親友の沖田紗羽を誘い合唱部を設立。元音楽科の坂井和奏を熱心に勧誘するなど、部長として合唱部改め「合唱時々バドミントン部」のために奔走する。
ウィーン
白浜坂高校普通科3年に転校してきた、オーストリアからの帰国子女。周囲からは住んでた街に由来して「ウィーン」と呼ばれる。真面目な性格で、すぐにメモを取る癖がある。12年程前に日本に住んでいた経験はあるものの、何故か文化や習慣を尽く誤って記憶。 時折飛び出す突拍子もない言動を周囲、特に宮本来夏から面白がられている。戦隊ヒーロー物が好きで、オーストリアにはそのことで意気投合したヤンという友達がいる。
校長 (こうちょう)
白浜坂高校の校長先生。バロック時代の音楽家を彷彿させる、個性的な髪型をしている。押しに弱い一方、「私という男」という文句と共に自分語りをするのが好きで、ストレスが溜まると音叉の音を聴き心を落ちつかせる癖がある。 坂井まひるはかつての教え子であり、その娘である坂井和奏のことを気にかけている。
宮本 誠 (みやもと まこと)
宮本来夏の弟で、白浜坂高校の1年生。生徒会に所属しており、副書記を務めている。姉に対して鬱陶しいと思いつつも頭が上がらず、エロ本の隠し場所の秘密を盾に合唱部へと一時参加させられる。