WEB版 WORKING!!

WEB版 WORKING!!

ファミリーレストラン「ワグナリア」で働く従業員と、その常連客たちによる交流や恋愛模様を描いたほのぼの4コマ漫画作品。もともと、高津カリノがWEB上にて2002年頃から2012年まで不定期掲載していた漫画に、一部修正を加える形でコミックスが出版された。高津カリノの『WORKING!!』と世界観を共有しており、本作には『WORKING!!』のキャラクターも一部登場する。

正式名称
WEB版 WORKING!!
ふりがな
うえぶばん わーきんぐ
作者
ジャンル
ラブコメ
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

東坂高校に通う男子高校生、東田大輔は突然、父親の会社が倒産してしまったことを知る。それにより小遣いと携帯代と定期代を自分で稼がなくてはならず、ファミリーレストラン「ワグナリア」でバイトを始めた。しかし、その職場は個性的すぎる店員、常連たちばかりが集う変人たちの巣窟であった。個性的すぎる店員、常連たちによるドタバタ劇が幕を開ける。

作風

漫画ではデフォルメ調のコミカル絵を頻繁に用いながら、突飛で個性的な人物たちによる群像劇が描かれている。基本的にはドタバタギャグテイストの作品だが、物語が進むにつれて、特定の人物たちの恋仲を中心として描いていくようになっており、やがて恋愛描写が主体となる。ただし、それもシリアスになることはなく、終始ギャグテイストで描かれている。また、本作『WEB版 WORKING!!』は時間の経過が現実とは大きく異なっている。具体的には作中でバレンタインが何度も訪れることとなるが、それでキャラクターたちの年齢が変わることはない。

メディアミックス

TVアニメ

2016年10月から同年12月にかけて、A-1 Pictures制作によるTVアニメ版が、『WWW.WORKING!!』のタイトルでTOKYO MX他にて放送された。全13話。監督を鎌倉由実、キャラクターデザイン・総作画監督を中野繭子、シリーズ構成を吉岡たかを、音楽を横山克が担当した。主なキャストは東田大輔役を中村悠一、宮越華役を戸松遥、榊研一郎役を鳥海浩輔、村主さゆり役を日笠陽子、近藤妃役を水樹奈々、鎌倉志保役を雨宮天、進藤ユータ役を小野賢章、斉木恒輝役を細谷佳正、足立正広役を内山昂輝、河野拓哉役を下野紘がそれぞれ演じた。

WEBラジオ

TVアニメ版『WWW.WORKING!!』の公開と同時に、2016年9月30日から2017年4月21日までWEBラジオ番組が公式サイトにて配信された。全15回で第1・第3金曜日の月2回更新。メインパーソナリティは永田るい役の声優小澤亜李が務めている。各回にはTVアニメ版にて声優を務めているキャストがゲストとして訪れていたが、唯一広橋涼のみ、WEBラジオにゲストとして登場しながら、TVアニメ版『WWW.WORKING!!』ではキャストを務めていない。

登場人物・キャラクター

東田 大輔 (ひがしだ だいすけ)

進学校である東坂高校に通う1年生の男子。黒髪短髪で切れ長の目をしている。冷静沈着で真面目な性格だが、毒舌家。父親の会社が倒産したことをきっかけに、ファミリーレストラン「ワグナリア」でアルバイトを始めた。「ワグナリア」の同僚である宮越華の世話を焼く内に段々と親密な仲へと進展していく。常軌を逸した料理下手の華の作る宮越華の手作りチョコレートを食べ、臨死体験を繰り返す内に、無表情で冷淡な性格へと変わっていく。 華の料理下手を改善させるという目的で彼女と恋人関係になるが、付き合い始めた当初は恋愛感情は皆無であった。

宮越 華 (みやこし はな)

高校1年生の女子。ショートカットの髪型をした快活そうな見た目をしている。ファミリーレストラン「ワグナリア」で働いているフロアチーフ。新人であった東田大輔の教育役を務めていた。普段は大ざっぱでがさつ、かつ男勝りな性格だが、仕事での接客の際は一転して愛想よく振舞う。壊滅的な料理下手で、特に宮越華の手作りチョコレートでは、食べた者を臨死体験に誘うほどの圧倒的な不味さを誇る。 料理を改善させるという目的で、大輔と恋人関係になるが、付き合い始めた当初は恋愛感情らしいものは皆無であった。

榊 研一郎 (さかき けんいちろう)

ファミリーレストラン「ワグナリア」の店長を務めている男性。年齢は28歳。人の好さそうな優男風の人物。店長を務めているにも関わらず、「少年団」の「だん」の字が分からなかったり、掛け算に至っては電卓を使ってもまともに解くことができないほど、壊滅的なまでに頭が悪い。そのため、店のことはフロアチーフである宮越華に任せきりになっている。 学生時代は喧嘩が滅法強く、いつも飼い猫の「ミヨ子」を頭に乗せていたため、「猫の榊」のあだ名で恐れられていた。その強さを買われ、ヤクザなどから今なおスカウトがやって来るが、それらをすべて断っている。ただし「他の組に入らない約束料」として多額の金銭を受け取っている。

村主 さゆり (むらぬし さゆり)

美大に通っている女性。年齢は19歳。色素の薄い髪をロングヘアにしている。ファミリーレストラン「ワグナリア」で働いており、フロアでの接客を担当している。愛想がなく無表情だが、Sっ気があり、キッチンで働いている足立正広をからかうことが多い。霊感が強く、「ワグナリア」を訪れる「目に見えないお客様」の接客をすることもある。 ちなみに村主さゆりが風邪などで休み、「目に見えないお客様」の接客ができない場合は、祟りのような現象が店内で頻発する。ただ、さゆり自身は自分に霊感があるとは微塵も認識しておらず、「目に見えないお客様」を相手にする時も、普通の接客と同じように振舞っている。ちなみに、ごくまれに笑顔を見せることもあり、その時には見た者の人生を変えてしまうほどの綺麗さを誇る。 ただし、あまりにも綺麗すぎるため、彼女の笑顔を見た者は、次から彼女の顔をまともに見ることができなくなってしまう。これを理由に、さゆり自身は自分の笑顔が見るに堪えないものであると勘違いしている。

足立 正広 (あだち まさひろ)

20歳のフリーターの青年。黒髪を後ろに束ねており、耳にはピアスを幾つか付けている。ファミリーレストラン「ワグナリア」で働いており、キッチンを担当している。お人好しで、押しに弱く、やや内気な性格。実家が寿司屋を営んでいるが、性格上の理由から接客ができないため、跡継ぎは難しいと考えている。同僚である村主さゆりの笑顔を見てしまったがために、暫くの間、挙動不審に陥っていた。 そんな経緯から村主さゆりに複雑な感情を抱きながらも、次第に彼女へ惹かれていくこととなる。趣味でバンドを結成している。

近藤 妃 (こんどう きさき)

20歳の女子大学生。金髪のヘビースモーカーで、見るからにヤンキーっぽい見た目をしている。ファミリーレストラン「ワグナリア」で働いており、フロアでの接客を担当している。乳児、近藤姫の母。ただし父親とは別れており、女手一つで姫を育てている。見た目とは裏腹に頭脳明晰だが、店ではあまり働かない。フロアチーフである宮越華に注意された際も、話をはぐらかしつつ、その姿勢を変えようとはしない。 時おり仕事をすることはあるが、その際も愛想のない接客をしている。

鎌倉 志保 (かまくら しほ)

19歳の女子大学生。黒髪をおさげにした女性。ファミリーレストラン「ワグナリア」で働いており、フロアでの接客を担当している。性格はわがままで傍若無人、かつ高飛車。消費者金融会社の社長令嬢で、客からのクレームも金で解決しようとする。同僚である進藤ユータとは幼なじみであり、現在は父親の会社に多額の借金がある彼をいびるような関係にある。 幼い頃はユータに対して片想いをしていたが、告白した際に振られたことを逆恨みして、現在の関係へと至っている。

進藤 ユータ (しんどう ゆーた)

19歳のフリーターの青年。金髪で、整った顔立ちをしているイケメン。ファミリーレストラン「ワグナリア」で働いており、その他にもホストを始めとした複数のバイトを掛け持ちしている。父親が負った借金を肩代わりしており、その返済に追われている。また、バイトで稼いだ金の多くは借金返済にあてられるため、余った食材などを入手できる「ワグナリア」でのバイトが生命線となっている。 鎌倉志保は幼なじみであると同時に「ワグナリア」の同僚でもあり、かつ借金している金融会社の社長令嬢でもあるため、逆らえないという複雑な関係。幼い頃は仲良くしていたが、志保のプロポーズを断ったことをきっかけに志保側の態度が一変。借金をネタに弄(いじ)られるような関係性へと変わって現在に至る。

斉木 恒輝 (さいき こうき)

20歳の男子大学生。黒い短髪の好青年。ファミリーレストラン「ワグナリア」で働いている。日本人だが韓国育ちのため、上手く日本語が話せない。「ワグナリア」で働いているのは、友人が冗談半分で求人に応募した際、店長の榊研一郎がうっかり採用してしまったため。韓国語を話せる近藤妃が通訳兼教育係を務めることとなったが、結果として彼女の使い走りのような扱いになっている。

河野 拓哉 (こうの たくや)

20歳の男子大学生。金髪の青年。ファミリーレストラン「ワグナリア」で働いており、キッチンを担当している。陽気な性格で、「面白そうだから」という理由で、唐突に「ワグナリア」を辞めてみたり、思い付きで肝試しを急遽開催するなど、トラブルメーカー的な行動を起こすことが多々ある。そのため当初はボケ役を担っていたが、他の同僚たちが段々と変人になっていくに従って、ツッコミ役に回ることが多くなる。

永田 るい (ながた るい)

進学校である東坂高校に通う1年生の女子。髪を頭の上でお団子状にまとめている。クラスメイトの東田大輔に片想いをしていた。しかし、段々と人間味の薄れていく大輔に対して恋心が次第に冷めていき、物語の終盤では、片想いはほとんど「義務感」によるものとなっている。大輔を通じて柳葉ミリを紹介され、彼女のいるファミリーレストラン「ワグナリア」に頻繁に通うようになる。

柳葉 ミリ (やなぎば みり)

進学校である東坂高校に通う1年生の女子。黒髪のツインテールで、季節に関係なく首にマフラーを巻いている。表情が常時暗く、テンションが低そうに見えるが、案外人懐っこい性格で、人を食ったような言動をすることも多い。東田大輔のクラスメイトだが、実は不登校児であるため、学校では一度も顔を合わせたことがない。学校に行くこと以外には行動的で、ファミリーレストラン「ワグナリア」には、常連客として頻繁に顔を出している。

田坂 (たさか)

鎌倉志保の護衛を務めている男性。黒い短髪で、サングラスをかけている。志保の護衛ではあるものの、正確には「お嬢様(志保)に殺されないように、進藤様(進藤ユータ)を見守るボディーガード」であると語っている。榊研一郎とは学生の頃からの知り合いで、彼の多くの武勇伝を知っている。

斉藤 大地 (さいとう だいち)

鎌倉志保の護衛を務めている男性。金髪で、目元が隠れるほど前髪を伸ばしている。村主さゆりとは小学校の頃の同級生。小学校当時、村主さゆりの笑顔を見てしまった被害者の1人であり、それ以降は人の目をまともに見られなくなった。前髪を伸ばして目元を常時隠しているのは、これが理由である。

聖バレンチヌス (せいばれんちぬす)

宮越華の手作りチョコレートを食べた際、臨死体験時に現れる神様のような存在。二等身ほどのサイズで白髪、長い顎ひげを生やしている。「ラヴ&ピースの教え」を説いており、臨死体験をした者に対して何かとアドバイスをしている。

東田 耕作 (ひがしだ こうさく)

東田大輔の父親。眼鏡をかけて真面目そうに見えるが、性格は能天気なうえにどこか抜けている。会社が倒産した時も「父さんの会社、倒産しちゃった」とベタなダジャレを口にしつつ、少しも戸惑っている様子を見せていなかった。その際、ダジャレで笑わなかったという理由で、大輔の小遣いと通学費を一切払わなくなるなど、理不尽な振る舞いを見せることもある。

東田 幸子 (ひがしだ さちこ)

東田大輔の母親。黒髪を頭後ろで束ねている。非常に明るく、能天気な人物。夫である東田耕作の会社が倒産してしまったと聞いても、一切うろたえる様子がなく、それどころか「父さんの会社、倒産しちゃった」というダジャレで笑っていた。

東田 咲子 (ひがしだ さきこ)

東田大輔の妹。ツインテールの髪型をしている。前向きなうえに能天気で、常時笑みを浮かべている。のほほんとした様子を見せることが多いが、学業は優秀で、全国模試ではトップレベルの成績を収めている。

宮越 葉子 (みやこし ようこ)

宮越華の母親。ロングヘアの女性。職業は料理研究家だが、目分量で量り、みじん切りは荒く、盛り付けは下手など、ガサツな料理をすることで知られる。足立正広には「繊細さのかけらもない料理人」と揶揄されている。夫とは別居中だが、その理由は宮越葉子の料理の食べ過ぎで糖尿病になってしまった夫に対する逆ギレ、というものである。 ちなみに、現在でも夫に対する愛情は持ち合わせている。料理研究家としては不名誉な評判が流れているものの、宮越華の手作りチョコレートの危険さは一目で見抜いており、これを食べた東田大輔に対しては一応の敬意を払っていた。

村主 沙衣子 (むらぬし さいこ)

村主さゆりの母親。長い髪を頭後ろで束ねており、常にけだるげな表情を浮かべている。職業は除霊師であり、強い霊感を持つ他に「人の心を読む」などの尋常ならざる力も持っている。東田大輔を見た際には、身近な女の子が抱えているものを祓うには相当な努力と犠牲が必要であると、事情を知らないにも関わらず、宮越華の手作りチョコレートの脅威について看破。 大輔を驚嘆させていた。

村主 悟 (むらぬし さとる)

村主さゆりの小学5年生の弟。姉や母親に比べると霊感は弱いようだが、霊媒体質は持っている。幽霊に憑かれやすい性質で、そのせいで体調を崩しがち。年齢にしては気遣いができるタイプで、さゆりと足立正広が一緒にいる際には、2人きりにしようとする素振りをみせる。

志保の父 (しほのちち)

鎌倉志保の父親。消費者金融会社の社長を務めている。ユータの父親とは昔から続く悪友関係にあり、事あるごとに金を貸していた。進藤ユータが幼い頃に、彼から志保との親子関係に関する助言をもらっており、その時、ユータの命だけは保証することを心に決めた。そのため、護衛を務める田坂たちには「ユータが死ぬことだけはないように」命令している。

鎌倉 保乃花 (かまくら ほのか)

鎌倉志保の母親で故人。黒髪のセミロングで、のほほんとした雰囲気を持つ人物。生まれつき身体が弱く、就職が難しかったところをユータの父親の伝手により、志保の父の屋敷でメイドとして働くこととなった。志保の父親とはメイドとして接するうちに親密な仲となり、結婚へと至った。

ユータの父親 (ゆーたのちちおや)

進藤ユータの父親。ギャンブル依存症で、そのために作った借金を進藤ユータに肩代わりさせて姿をくらませた。誰にでも金を無心するどうしようもない人物で、志保の父には「老若男女金持ち貧乏人誰に対しても平等にクズ」と評されていた。

進藤 妙子 (しんどう たえこ)

進藤ユータの母親。ユータの父親が多くの借金を作ったせいで無理がたたり、現在は病気がち。苦労させられた夫に対しては「ろくでなし」と蔑む一方で、「根は悪い人じゃない」とも語っている。生前の鎌倉保乃花とは仲が良く、彼女が結婚することとなった際は、それを祝福していた。

正広の母 (まさひろのはは)

足立正広の母親。寿司屋を営んでいる黒髪の美人。正広の彼女である村主さゆりが家で働くこととなった際、その事実を寸前で知り、激しく動揺していた。当初はそんな事情もあってさゆりとは気まずい様子だったが、すぐに打ち解けて仲良くなっている。

近藤 姫 (こんどう ひめ)

近藤妃の娘である乳幼児。まだしゃべることはできないが、すでに三角関数を理解している素振りがあり、宮越華に出された三角関数の問題を代わりに解いてみせた。その他、株式投資に興味を示しているなど、乳幼児とは思えない賢さを持つ。

ミリの祖父 (みりのそふ)

老人の幽霊。ファミリーレストラン「ワグナリア」に頻繁に訪れている。柳葉ミリの祖父であるらしく、彼女によると「長い髭を生やした東田(東田大輔)に似ている」らしい。普段は霊感のある村主さゆりが接客を務めているが、彼女がいないと、店に怪奇現象などを起こしてしまう。

アライさん

河野拓哉が肝試しを主催した際、偶然捕獲されたアライグマ。その後は半強制的に東田大輔が飼うこととなった。本来であればアライグマは駆除対象動物となっているため、飼うことを許されてはいない。そこで鎌倉志保の権力などを借り、特例で飼えるように取り計らわれている。

吉田 (よしだ)

足立正広の友人であり、バンド仲間である青年。髪を赤く染めており、いつも袖の伸びたシャツを着ている。能天気で明るい性格。オープンスケベだが「ユイちゃん」という名前の彼女がおり、自分の彼女に対してはかなりの純情ぶりを見せる。

その他キーワード

村主さゆりの笑顔 (むらぬしさゆりのえがお)

村主さゆりの見せる笑顔。普段無表情なさゆりの見せる笑顔であるうえ、その笑顔は筆舌に尽くしがたいほど綺麗であるため、これを見た者は挙動不審になってしまう。今までに斉藤大地と足立正広がこの笑顔を目撃している。

宮越華の手作りチョコレート

宮越華の作るチョコレート。見た目には普通のチョコレートだが、尋常でない不味さであるため、食べた者は確実に臨死体験を経験することとなる。その際には、聖バレンチヌスが降臨する。そのため、ファミリーレストラン「ワグナリア」では、「チョコ」という単語は半ば禁句のような扱いとなっており、日本語の不自由な斉木恒輝は「チョコ」のことを殺戮兵器だと認識していた。

SHARE
EC
Amazon
logo