奇抜な設定が特徴のエロティックコメディ
本作の舞台となるのはN県妙野町という架空の地方都市。ケガリチョタというモノノケの伝説を町おこしに活かそうと「ふしぎのまち おとぎの」というキャッチコピーを掲げている。桜の季節に行われる「おとぎのまつり」で、ケガリチョタに取り憑かれた高校2年生の女子、れなは、その日以来、突然「発情」するようになってしまう。最初のうちは一人で処理していたれなだったが、次第にエスカレートし、とうとう男の子の手を借りる事態に。そしてある日突然、お腹の張りを感じたれなは、長い触覚を持った小さな黒いネコのようなケガリチョタをたくさん産んでしまう。本作は女性を発情させるモノノケという奇抜な設定を軸に、エロティックな描写をふんだんに盛り込んだコメディ作品である。
妙野町に伝わる伝説
妙野町には「孕木ノ譚」という伝説がある。大昔のこと、孕木という安産を願う大桜があったが、それを一人の怪力女が切り倒してしまったという。その後女は、突然発情し村中の男と交わり、ついに妊娠してしまう。じつはその女には、ケガリチョタというモノノケが取り憑いていたのだ。やがて女は多数のケガリチョタを産み、それらがさらに周りの女性にも取り憑いた。色欲とモノノケであふれかえる妙野町だったが、そこに一人の上人が通りかかる。ケガリチョタはその上人によって孕木に封じ込められ、妙野に平和が戻ったという。「おとぎのまつり」で5年に1度行われる伝統行事が「チョタ払い」である。14歳から18歳の未婚女性が、巨木、孕木の前で厄払いをするのだが、この行事でれなは、ケガリチョタに取り憑かれたのだ。
ケガリチョタの敵?
れなから産まれたケガリチョタたちは、母体である彼女を守っている。1匹が常にれなにつきまとい、ピンチの際はたくさんの仲間を呼び寄せ、触覚で敵を攻撃するのだ。そんなケガリチョタに危険視されたのが、転校生の碇ジロー。れなの1年先輩で野球部に所属するジローは、初対面からいきなりれなの胸を揉むという奇行に走る。その後も会うたびにエッチなことを仕掛けてくるジローに、ケガリチョタは違和感を感じる。じつはジローの身体の中にはケガリチョタの敵が潜んでいた。そこでケガリチョタは、れなに想いを寄せる緒方つとむに、彼女とずっと一緒にいることを無理やり約束させるのだった。
登場人物・キャラクター
御前 れな (みさき れな)
高校2年生の女子。ポニーテールが特徴の元気な少女で、チアリーディング部に所属している。中学1年生の妹と共に、父が経営するスポーツクラブに通う。桜の季節に行われる「おとぎのまつり」で、伝説のモノノケ、ケガリチョタに取り憑かれ、たびたび発情するようになる。
緒方 つとむ (おがた つとむ)
高校2年生の男子。丸いメガネが特徴で、妙野町長の息子。れなの同級生で、密かにれなに想いを寄せている。祖母が若い頃にケガリチョタに取り憑かれていたことから、モノノケについて多少の知識があり、れなに協力することになる。
書誌情報
おとぎのまちのれな 1巻 講談社〈アッパーズKC〉
v.2
(2003-03-01発行、978-4063461909)
v.3
(2003-06-01発行、978-4063462050)
v.4
(2003-11-01発行、978-4063462203)
v.5
(2004-03-01発行、978-4063462418)
v.6
(2004-08-01発行、978-4063462548)
v.7
(2004-12-01発行、978-4063462661)
第1巻
(2002-10-01発行、978-4063461664)
おとぎのまちのれな 3巻 講談社〈KCDX〉
第1巻
(2007-07-01発行、978-4063723267)
第2巻
(2007-08-01発行、978-4063723397)
第3巻
(2007-09-01発行、978-4063723533)







