概要・あらすじ
小人族のお姫様であるポーは「新月の銀曜日にうまれた一千人めの女」で、次の女王となることが運命づけられていた。しかし、10年の間にひとりの人間をいけにえとして神に捧げるか、「虹の玉」をみつけないと、ポーの命はなくなり、小人族も滅んでしまう。ポーはある日、森の中で心優しい人間スコットと出会う。ポーが死ぬと小人族が絶滅するという事を知った二人は、小人族を滅亡から救うために奔走する。
登場人物・キャラクター
ポー
小人のお姫様。一族に伝わる新月の銀曜日に生まれた一千人目の女で、もうすぐ10歳の誕生日を迎える。好奇心旺盛で、森の小さな動物たちとなかよし。人を疑うことを知らない優しい性格。人を癒すことができる小人特有の不思議な力を持つ。人前で帽子をぬぐことを母親の女王に固く止められている。 一族を救うため、村の子供たちと協力して虹の玉を探すことになる。
スコット・フェリー
ポーが森で出会った人間の男性。ロンドンの町で小さな子供たちに絵を教え、内職で翻訳の仕事もしている。誰にでも優しく、特に子供が大好きで、お人好し。人に騙されたり、ポーの話に一緒に涙を流してしまったりする。父親のフュリーに対しては幼い頃から不信感を持っており、距離を置いている。
リルフィー
ポーの親友の小鳥でいつも一緒に行動している。ポーの話すことを理解でき、ロンドンまで飛んで運んでくれた。どんなに離れていても木の実の匂いを辿って飛ぶことができる。
女王
小人の女王で、ポーの母親。娘のポーに対して冷たく、ポーは自分が嫌われていると悩んでいた。自ら華美な生活をせず、庶民と同じように生活していることから、一族からの信頼は厚い。ポーが生まれる前は明るくてよく笑う女性だったらしい。一族の中でも能力が高く、誰かの体調を一時的に悪くしたり、大きな熊に命令することもできる。
クレア・マクヴィー
自称・スコットの恋人で、おせっかい焼き。お人好しのスコットを想って、時にはいじわるな言動をしてしまうこともある。ポーがスコットに会いにロンドンまでやってきた時に出会う。ポーに会った時に気絶してしまうほど驚くが、ポーのために人形用の服を買ってあげる優しさもある。 そばかすがチャームポイント。
フュリー
スコットの父親。毛皮商で、自分の利益を第一に仕事をしてきた。良質の毛皮を求め森を探索中にポーたちと共存していたキツネを大量に狩り、一族の恨みを買うことになる。自分が築いた事業をひとり息子のスコットに継がせたいと思っているが、うまくいっていない。小人一族の平和のため、女王に生贄として捕らえられてしまう。
クープ
ポーの友達で、小人の男の子。ヒナの小鳥の面倒をいつも見ている。少しなまっているしゃべり方が特徴で、ぼんやりとした外見に反し聡明。ポーの手伝いをすることを親たちに禁止された子供たちを集めたリーダー的な一面もある。
ピーター・スミス
12歳。ポーがロンドンで出会った少年。ポーを拾い、家に持ち帰ってしまう。貧しく、父親を早く亡くし、母親のアイリーンは病気で長い間伏せっている。絵を描くことが大好きだが、病気の母を支えるために、学校に行かずバイトの毎日を送っている。
アイリーン・スミス
ピーターの母親。実はピーターとは血のつながりはなく、父親と恋に落ち、夫婦から赤ちゃんを奪って逃走していた。ピーターに対する愛情は深く、ずっと一緒に暮らしたいと思っている。病気がちで長い間伏せっていたが、ポーの不思議な力で少しずつ回復してきている。
ポール・トルハースト
ポーとピーターがロンドンの公園で出会ったブロンドの髪の少年。いたずらっ子で、公園にいる人を母親をダシにだまし、募金を募っていた。ゲンコツで叱ってくれたピーターに感激し、弟子を申し出る。実は名家の子息。
シャーロット
ポーとスコットがスケッチ旅行中に川に流されたところを助けてくれた少年。儚く美しい少女のような姿をしているため、幼い頃村人に女の子の名前をつけられた。実は水の中に住む妖精だったが、追放されて人間界で暮らしていた。村で起こっている子供の神隠しに深く関係しているらしい。
ジュディ
心臓を患わっている女の子で、村には療養で訪れている。黒髪のカールが特徴で、明るく快活な女の子。ポーとスコットと村で出会い、彼女の病気を心配している。シャーロットのことをとても慕っていて、彼が住む家によく遊びに来る。
場所
森 (もり)
ポーたち小人の一族が住むイギリスの森。小人たちを女王がまとめ、人知れず村を作っているおり、めったに人は訪れない。小鳥を使って遠くへ移動したり、ネズミに荷車を引いてもらったり、キツネに抜け毛を分けてもらって布団にしたり、動物たちと共存して暮らしている。
その他キーワード
虹の玉 (にじのたま)
銀曜日にしか見えない伝説の玉。互いに完全に信じあう者同士にしか見えない。新月の銀曜日に生まれた一千人目の女が死ぬ瞬間、その部族は滅びると言われ、女が生きながらえるためには10年に一度人間の生贄を捧げなければならない。虹の玉があればそれを回避できると知ったポーたちは必死に探すことになる。