概要・あらすじ
マリーランドを消滅の危機に追いやり反省室に入れられていた クロミとバクは、ふたたび魔法道具を盗み、脱出して人間界へ逃亡する。マリーランドに戻っていたマイメロディは、クロミやバクの悪行を阻止するため、メロディ・タクトや新アイテムを渡され夢ヶ丘市へ向かい、ふたたび女子中学生の夢野歌の家に居候する。
登場人物・キャラクター
マイメロディ
ピンクの頭巾に花の飾りをつけたウサギの姿をしている。夢ヶ丘市で夢野歌の家に居候している。家事が得意で無邪気で女の子らしい性格だが、母親のマイメロディママから教えられた、大人っぽい格言を口にすることもある。 周囲がピンチに陥っても紅茶を味わっているなど、非常にマイペースである。また、マイメロ自身の行動により危機を引き起こすことも少なくない。悪夢魔法を使うクロミを阻止する役割を背負っているが、以前の頼りなさを心配され、メロディ・タクトに加えてお助けキャラを召喚できるタロットカードを渡されている。
夢野 歌 (ゆめの うた)
夢ヶ丘学園中等部に通う女の子。音楽部に所属している。ツインテールに巻き毛が特徴。マイメロディと再会し、以前と同じように一緒に暮らして協力している。夢野家の次女で、夢ヶ丘学園高等部に通う姉の夢野奏と、夢ヶ丘小学校に通う妹の夢野琴がいる。 父は紀行ライターのため不在がち、母とは死別しており、家では姉妹で過ごすことが多い。寝相が悪く、一緒に寝ているマイメロに被害を与えることがある。 先輩で天才ヴァイオリニスト柊恵一に憧れを抱いており、ある程度親密にはなっているものの、クラスメートの小暮駆や恵一の弟の柊潤から寄せられる好意には全く気がつかないなど鈍感な面もある。 また、同じ夢ヶ丘学園中等部の桜塚美紀や藤崎真菜とはそれぞれ幼稚園、小学校からの親友同士。
クロミ
尖ったデザインの黒い頭巾につり目が特徴のウサギの女の子。一人称は「アタイ」。マイメロディをライバル視している。もともとは素直な性格だったが、マリーランドでのマイメロとの交流ですれ違いが重なって逆恨みするようになり、反抗的な性格となり不良化していく。 「クロミノート」と名づけている、黒地にクロミの白抜きシルエットが描かれたノートに、マイメロから受けた屈辱的な出来事を書き連ね、事あるごとに記事を読み上げている。 マリーランドを危機に追いやったため、バクとともに反省室に入れられていたが、ふたたび脱走を企て、宝物庫から魔法道具を持ち出し夢ヶ丘市に戻る。これらの道具を使って悪夢魔法を発動し黒音符を集めるために夢を持った人間に近づいて騒動を巻き起こし、阻止しようとするマイメロや夢野歌たちと対立する。 天才ヴァイオリニストの柊恵一に恋しているが、そっけない対応をされ続けている。 恵一の弟 柊潤のギター演奏が魔力の源になるため、手を組む。
フラットくん
耳が大きな水色のネズミ。マイメロディのボーイフレンドで一番仲が良い、マリーランドからマイメロのサポート役として夢ヶ丘市にやってきて、小暮駆の家に居候している。駆が夢野歌を好きなことに気付き、恋が成就するよう駆をけしかけることも多い。 マイメロにアドバイスをしてピンク音符をとりやすくできるよう奮闘している。柊潤がクロミに加担していることを早いうちに気付いていた。
ウサミミ仮面 (うさみみかめん)
『おねがいマイメロディ くるくるシャッフル』に登場するキャラクター。ウサギ耳がついた全身ピンクのスーツ姿にバタフライマスクといういで立ちでヒーロー然とした振る舞いをするが、やる気がまったくない。マイメロディがメロディ・タクトを使う時、高い確率でカードが引かれ、お助けキャラとして必殺技の「イケメンビーム」や「お花ブーメラン」などを繰り出して戦う。 その正体は天才ヴァイオリニストの柊恵一であり、以前に世界崩壊の危機を招いた罰として、この姿になりマイメロを助けることになっている。 本人にとっては非常に不本意で、頑なに正体を隠しているが、断ると「バク族」の姿になってしまうため仕方なく従っている。 水色のヒツジ着ぐるみにサングラス姿の「シツジ仮面」が随行するが、その正体は恵一の執事のセバスチャンである。
小暮 駆 (こぐれ かける)
夢ヶ丘学園中等部の2年生で、夢野歌の同級生の男子。陸上部に所属し、短距離の走者。以前はケンカを仕掛けていたものの、歌への好意を自覚し、自分の不器用さに悩む姿も見せる。いざという場合には歌のために男らしく振る舞うこともある。 フラットくんを居候させ、友達となっている。クラスメイトとなった柊潤とは、歌が憧れる先輩柊恵一への敵対心から親友となっている。
柊 潤 (ひいらぎ じゅん)
ロンドンにいたが帰国し、夢ヶ丘学園中等部の夢野歌のクラスへ転入してきた。ロッカー風のファッションを好む。天才ヴァイオリニスト柊恵一の弟だが、完璧な兄に比べると劣る部分が多いことをコンプレックスに感じており、また恵一からも冷淡に扱われるため、仲が悪い。 恵一の執事であるセバスチャンの弟、セバスタンが執事として仕えている。ギターを弾くのを趣味としており、クロミがマリーランドから持ち出した魔法道具「メロディ・ギター」を弾き、魔力の源となる。 夢野歌に好意を寄せ、それをオープンにするが通じない。恋敵であるはずの小暮駆を親友として大切に思うなど、基本的には明るく友達思いな性格。
マイメロディママ
マイメロディの母親。水色の頭巾にエプロン姿のウサギ。マリーランドにてマイメロの父親のマイメロディパパ、マイメロの弟のリズム、およびおじいちゃん、おばあちゃんと暮らしており、家事の技能も高い。 マイメロの回想に登場し、たびたび格言をつぶやいている。かなりの毒舌家でもある。メロディ・タクトとともに渡されたカードにより、お助けキャラとしても舌戦で活躍する。
藤崎 真菜 (ふじさき まな)
夢ヶ丘学園中等部の2年生で、夢野歌 や桜塚美紀の親友。赤髪のショートカット姿で、動きやすいスパッツを愛用しており活発な性格。格闘の心得もあるボーイッシュでさっぱりとした性格で、関西弁を話す。かわいいものが苦手で、普通の女の子が好まないものに魅力を見出し、ソバージュネコメガエルの「コジロウ」を大切に飼育している。 そのため、マイメロディが近づこうとすると激しく拒絶する。強くなりたいと願う者には助力を惜しまない。
桜塚 美紀 (さくらづか みき)
黒いセミロングで前髪を編み込みにしている。夢ヶ丘学園中等部の2年生で、夢野歌とは幼なじみで親友。歌と恋話で盛り上がり、また、自作の一般人には理解しがたいセンスのポエムを披露して、歌や同じく親友の藤崎真菜を困惑させることが多い。 マイメロディの友だちのヒツジのピアノちゃんとはポエムや創作活動を競い合う仲で、学園での演劇について激しい意見を戦わせる姿もあった。以前は柊恵一が好きだったが、その後は自身のポエムを理解してくれる人を求めている。
バク
色・体型がなすびに似ており、腹回りの色は薄く、耳が垂れているのが特徴。語尾に「ゾナ」をつけて話す。耳を広げ、親分と慕うクロミを乗せて飛行することができる。クロミと反省室に閉じ込められていたが、ともに脱走し人間界の夢ヶ丘市にたどり着いた。 人間界では、人間の夢の匂いを嗅ぎつける能力や、ある条件で出現する黒音符を食べてため込む能力を発揮し、クロミの悪夢魔法を手助けする。しかしクロミほどにはマイメロディを敵視していない。 新聞配達のアルバイトに励む真面目な性格で、クロミの幸せを願う優しい心の持ち主。居候先であり、クロミが恋している柊恵一を嫌っている。多数の男兄弟の長男で、待望の妹バコを溺愛している。 入手したアイテム「負け犬メーター」に負け犬オーラを集めて満タンにすることで、ナスビ仮面に変身する能力を得る。
ピアノちゃん
かわいらしいピンク色のヒツジ。マリーランドで暮らしており、マイメロディと仲が良く、マイメロに協力するため夢ヶ丘市を訪れている。キーボードが得意でポエムの才能もある。「めえ~」「あぱあぱ」といった鳴き声で話し、人間には理解不能だが、ポエムを解する桜塚美紀たちには通じる。 美紀とはポエム仲間として、時に厳しい発言も含め、議論を取り交わしている。
柊 恵一 (ひいらぎけいいち)
夢ヶ丘学園高等部1年生で、夢野歌の姉である夢野奏の同級生。歌にとって憧れの先輩で、人気が高い。容姿端麗で、柊コンツェルンの御曹司、天才ヴァイオリニストとしても名高い。セバスチャンという名の執事に世話を任せている。 夢野歌に対し妹のような存在として認識しているが、それ以上の好意も抱いている。弟の柊潤とは仲が悪い。以前に世界を危機に陥れた罪を償うために、ウサミミ仮面に変身してマイメロディを助ける役割を強いられているが、本人はその姿を激しく嫌い、隠そうとしている。
夢ヶ丘学園 (ゆめがおかがくえん)
中等部と高等部があり、中等部には、夢野歌 桜塚美紀、藤崎真菜、小暮駆柊潤らが在籍し、高等部には柊 恵一や歌の姉である夢野奏が在籍している。マイメロディやフラット、ピアノらも登校し、ともに学校生活を送る日も多く、友情をはぐくんだり熱烈な好意を寄せたりする生徒もいる。 マイメロのライバルクロミによる悪夢魔法のため、騒動の現場になることも少なくない。[中等部の制服は、女子はオレンジとクリーム色のカーディガン、オレンジのチェック柄のスカート、男子は水色と青のカーディガンに緑のチェック柄のパンツ、高等部の制服は、女子はブレザーにネクタイ、男子は詰襟となっている。
場所
マリーランド
マイメロディやクロミ、マイメロディママたち一家や、フラットくん、ピアノちゃんたちなど動物キャラクターが住む牧歌的な世界。ゾウの王様・ゾウのお妃様が治め、モグラの大臣がいる。人間界にある夢ヶ丘市上空とホルンで繋がっている。 人間の夢により作られた世界とされる。マイメロの持っているメロディ・タクトのお助けカードにより、ここの住人が人間界へ呼び出され、マイメロを助けることとなった。
夢ヶ丘市 (ゆめがおかし)
人間界であり、夢野歌や柊恵一、桜塚美紀、藤崎真菜、小暮駆たちが暮らす市。歌たちが通う夢ヶ丘学園のほか、コンサートホールや美術館、遊園地などがあるごく普通の近代的な街。上空にマリーランドとつながる「ホルン」がある。
その他キーワード
ピンク音符 (ぴんくおんぷ)
人間やキャラクターの口から飛び出す小さなピンク色の音符。クロミの悪夢魔法により、悪夢を見せられた折、マイメロディに阻止してもらったことや、本当の夢を見つけるなど、マイメロへ感謝した際に対象者が出すもの。 1オクターブ分集めると一つ願いが叶うとされるが、マイメロ自身が積極的に集めるのではなく、クロミの悪巧みの阻止により入手するものとなっている。
メロディ・タクト (めろでぃたくと)
マイメロディがマリーランドの王様から渡されたもので、ピンク色でト音記号をモチーフにした形状をしている。一緒に渡された、タロットカード風のカードをシャッフルし、一枚選ぶことによって「お助けキャラ」をランダムで引くことができる。 クロミに負け続けた後は「ハイパーメロディタクト」に変わり、タクトを振りながら早口言葉を成功させるとカードを2枚引いて、お助けキャラを2組召喚できるようになった。 謎のヒーローウサミミ仮面が高い確率でお助けキャラとなるが、ほとんどのお助けキャラはマリーランドの住人であり、マイメロからお礼のキャンディをもらい食べることで帰還できる。
悪夢魔法 (あくむまほう)
『おねがいマイメロディ』に登場する魔法の名称。夢や願望を持つ、おもに人間のもとにクロミとバクが現れ、クロミがマリーランドから持ち出した魔法道具「メロディ・キー」を振り、天才ヴァイオリニスト柊潤がギターを弾く幻影を見せたのち、対象者の夢が何らかの形でかなうが、多くは暴走し、周囲を巻き込んだ悪夢と化してしまう。
黒音符 (くろおんぷ)
人間やキャラクターの口から飛び出す小さな黒い音符。クロミがマリーランドから持ち出したアイテム「メロディ・キー」を振ることで、夢や願望を持つ人間に対し悪夢魔法を発動させ、その悪夢魔法について肯定した対象者が出すもの。 1オクターブ分集めると一つ願いが叶うとされ、クロミはマイメロディへの仕返しのために奔走する。以前に世界崩壊を呼び込んだ「ダークパワー」とは無関係のものに見えたが、じつは深くかかわっていた。