概要・あらすじ
東京の下町にある丸子商店街 の昔ながらの喫茶店に出入りする、主人公の女子高生嵐山歩鳥。年配の店主の磯端ウキがメイド喫茶にして売り上げを伸ばそうと考えメイド喫茶シーサイドとして歩鳥をメイドにする。
歩鳥を目当てに幼馴染の真田広章が来店するが、彼目当てで歩鳥の親友辰野俊子もメイドになる。ほか、メイド喫茶シーサイドには商店街の面々も入り浸る。
女子高生探偵を目指す歩鳥は町で起こる事件を解決しようとするが、おおむね町の日々は平和に流れている。しかし、時にはSFめいた事件が入り込むことも匂わされる。
登場人物・キャラクター
嵐山 歩鳥 (あらしやま ほとり)
尾谷高校に通う女子高生。メイド喫茶シーサイドでメイドのアルバイトをしている。「タヌキ」「ちょうちんフグ」と評される容姿で、胸がないことを気にする様子もある。天然でドジを踏むことが多いが、ポジティブで天真爛漫な性格。 推理小説好きで女子高生探偵を目指しており、謎めいた事件があると首をつっこみたがり、たまに自由な発想による名推理をみせることもある。真田広章とは幼なじみで好意を寄せられているが、気づいていない。 担任の数学教師森秋夏彦に好意を持たれていると思いこみ、気にしているそぶりも見せる。騒ぎを起こし警官に追われることもあるが、丸子商店街では人気者である。
嵐山 猛 (あらしやま たける)
嵐山歩鳥の弟で小学生。姉の歩鳥と違い利発な性質を持ち、母親から歩鳥が犯罪を起こした時のために弁護士になるように言われている。カードゲームが得意。歩鳥の幼なじみ真田広章が、歩鳥を好きなことに気づいている。 同じクラスの女子の伊勢崎恵梨から好意を持たれている。
真田 広章 (さなだ ひろゆき)
尾谷高校に通う男子高校生で、嵐山歩鳥のクラスメイトであり、幼なじみでもある。丸子商店街にある鮮魚店の息子。歩鳥に恋しており、妄想を繰り広げて挙動不審になることも多いが、歩鳥本人には気づかれていない。 また、辰野俊子から恋愛感情を持たれているが気づいていない。
紺 双葉 (こん ふたば)
尾谷高校に通う女子高生で嵐山歩鳥の一つ上の学年。片耳にピアス、金髪のショートカットというスタイルである。男口調で話しており、歩鳥には初対面の折に、年下の美少年だと間違われたが、その後親しい友人となる。 一人暮らしをしているが、本当は両親を恋しく思っている。音楽好きでCDを多数所持しており、尾谷高校の文化祭では歩鳥、辰野俊子、針原春江とバンド「メイズ」を結成しベースとボーカルを務める。 キムリックというしっぽのない種類の猫を飼っており、コバンと名付けている。
針原 春江 (はりばら はるえ)
尾谷高校に通う女子高生で嵐山歩鳥たちと同学年の友達。歩鳥のクラスメイト辰野俊子とは同じ中学の出身。卓球部のエースで、「死神」の異名で呼ぶ者もいる。個性的すぎる容姿をしているが、温厚な性格で周囲から好かれている。 同じく卓球をしていた紺双葉が、下半身と腕の動きを鍛えるのによいとアドバイスしたため、ドラムを練習している。
辰野 俊子 (たつの としこ)
尾谷高校に通う女子高生で嵐山歩鳥のクラスメイト。成績優秀でスポーツ万能、とくに卓球が得意でバイオリンの演奏もこなすが、本人は「器用貧乏」と自称している。眼鏡をかけており、スタイルも良くグラマー。 同じクラスの真田広章に片思いしているが、告白できずに逡巡している。メイド喫茶シーサイドに彼が来ることを知ってメイドになる。
亀井堂 静 (かめいどう しずか)
丸子商店街にある古道具屋「アンティーク 亀井堂」の若き女主人。嵐山歩鳥と仲が良く、簡単なトリックで歩鳥をからかったり、推理小説の話や本の貸し借りをしたりしている。謎の品物を売りつけることもある。 自身で小説の執筆も行なう。
尾谷高校 (おやこうこう)
『それでも町は廻っている』の舞台の名称。嵐山歩鳥らが通う高等学校で、森秋夏彦らが教員として勤務している。制服は男女ともにブレザー、男子はネクタイにグレーのチェック柄ズボン、女子はリボンタイ、緑にチェック柄のプリーツスカートとなっている。 校則ではアルバイトをする場合、担任教師の承認が必要。 歩鳥や真田広章は路線バスで通学している。文化祭ではステージや模擬店などが行われる。
ジョセフィーヌ
嵐山家の飼い犬で、嵐山歩鳥によく散歩に連れられている。タヌキによく似た外見をしている。嵐山家においての格付けでは、歩鳥の父親を自分の下とみている。普通の犬だが、場面転換時のブリッジに登場する時には語尾に「ポコ」をつけて人語をつぶやく。
磯端 ウキ (いそはた うき)
メイド喫茶シーサイドの店主である年配女性。もともと普通の喫茶店だったシーサイドをメイド喫茶にしようと考え、嵐山歩鳥をメイドにする。自身もメイド装束に身を包む。夫とは死別している。
森秋 夏彦 (もりあき なつひこ)
尾谷高校の数学教師で嵐山歩鳥のクラスの担任。小学生時代の女性教師とのあるやりとりをきっかけに今の職を選んだ。眼鏡をかけており、堅物で女子生徒からのラブレターを数学的な回答でつっぱねた、との噂がある。 数学が苦手で遅刻癖のある歩鳥の言動に悩まされ、胃痛や脱毛を起こすことも少なくない。
場所
メイド喫茶シーサイド (めいどきっさしーさいど)
『それでも町は廻っている』の舞台の名称。嵐山歩鳥がメイドとして働く喫茶店。丸子商店街にある昔ながらの喫茶店だったが、女店主の磯端ウキが「流行っているからという理由でメイド装束を取り入れ、タダでカレーを食べさせていた歩鳥を無理やりメイドにした。 ウキのこだわりにより、メイド喫茶につきものの紅茶はなく、コーヒーしかない。丸子商店街の店の主人たちが、白昼からさぼり長居する風景がよく見られる。
丸子商店街 (まるこしょうてんがい)
『それでも町は廻っている』の舞台の名称。都内にあり、東京急行線丸子駅の駅近辺に広がる、下町の風情が漂う商店街。嵐山歩鳥らが働くメイド喫茶シーサイドほか、八百屋、魚屋、クリーニング店、古道具屋、駄菓子屋などが軒を連ねている。
クレジット
原作
それでも町は廻っている (それでもまちはまわっている)
商店街「丸子商店街」を舞台に、メイド喫茶でアルバイトする女子高校生の嵐山歩鳥とその周辺の人々が繰り広げる少し不思議な日常生活を、時にミステリー要素を交えて描いたコメディ。少年画報社「YK OURs(ヤ... 関連ページ:それでも町は廻っている