から騒ぎ

から騒ぎ

『先生!』や『高校デビュー』で知られる河原和音による短期連載作品で、ウィリアム・シェイクスピアの喜劇『空騒ぎ』を原案とした学園恋愛喜劇。現代日本の女子校を舞台に、男嫌いの戸部ありすと恋愛嫌いの辺嶺征久雄を中心に、高校生たちの友情や不器用な恋愛模様が描かれている。集英社「別冊マーガレット」2021年1月号から2021年4月号まで短期集中連載。

正式名称
から騒ぎ
ふりがな
からさわぎ
作者
ジャンル
ラブコメ
レーベル
マーガレットコミックス(集英社)
巻数
全1巻完結
関連商品
Amazon 楽天

マルガリート学院での空騒ぎ

本作は、ウィリアム・シェイクスピアの『空騒ぎ』をモチーフにした学園ラブコメディ。名門女子校「マルガリート学院」で毎年行われる合同文化祭を舞台に、悲劇と喜劇が交錯する恋愛模様が繰り広げられる。この文化祭の最中、犬猿の仲である戸部ありすと辺嶺征久雄の関係が変化する様子を、少女漫画ならではの繊細なタッチで描写している。個性豊かな登場人物たちが織りなすテンポの良い会話劇に加え、作者の河原和音が得意とする巧みな心理描写や、大胆なストーリー展開も大きな魅力となっている。

恋愛嫌いの副会長×男嫌いな副会長

マルガリート学院の生徒会副会長、ありすは「一人の方が楽で楽しい」「釣り合う男子がいない」と公言するほどの男子嫌いである。系列男子校との合同文化祭が始まり、校内は男子生徒たちとの交流で盛り上がっているが、ありすだけはその雰囲気に馴染めずにいる。そんな中、ありすは木菊学園の生徒会副会長の征久雄と久しぶりに顔を合わせる。以前から犬猿の仲であるありすと征久雄は、再会早々に嫌味を言い合い、系列校同士の交流どころではなかった。一方で、ありすの友人、内藤比呂と、征久雄の友人、黒羽一生は、すっかり意気投合している様子だった。

文化祭でのトラブルと友情の絆

男嫌いのありすは、友人の恋を邪魔したくないと思いながら、比呂と一生の恋を応援し、二人は無事に付き合うことになった。一方、征久雄は「ありすは征久雄のことが好きらしい」という噂を耳にし、動揺を隠せないでいた。いつも突っかかってくる彼女の意外な一面を知り、戸惑いを覚える。そんな中、今度はありす自身が「征久雄はありすのことが好き」という噂を耳にしてしまう。この噂をきっかけに、互いに意識し始めた二人。これまで顔を合わせるたびに繰り広げられていた喧嘩は次第に減り、ぎこちなく褒め合うような関係へと変わっていく。このまま文化祭は平和に終わるかと思われた矢先、ある事件が発生する。比呂になりすましたSNSアカウントが現れ、一生との仲を引き裂こうとしたのだ。犯人が、恋に浮かれる生徒たちを妬んだ木菊学園の男子生徒であることが判明すると、親友を傷つけられたありすは怒りに燃え、友人たちと協力して犯人を突き止めることを決意する。

登場人物・キャラクター

戸部 ありす (とべ ありす)

中高一貫の女子校「マルガリート学院」の高等部に通う女子。生徒会の副会長を務めている。ウェーブのかかった明るい茶髪をロングヘアにしている。男性に対しては辛辣な言葉を投げかける毒舌家で、恋愛や結婚には興味がないと公言している。特に征久雄に嫌悪感を抱いており、顔を合わせるたびに皮肉の応酬を繰り広げている。しかし、ありすはその考えを友人に押し付けることはせず、友人の恋愛を心から応援する思いやりのある一面を持つ。

辺嶺 征久雄 (べね いくお)

マルガリート学院の系列校である木菊学園高等部に通う男子。生徒会の副会長を務めている。青紫色の短髪をオールバックに整え、垂れ目が特徴。恋愛や男女交際には興味がなく、合同文化祭に浮かれる友人たちを冷ややかな目で見ている。特にありすとは犬猿の仲で、顔を合わせるたびに皮肉の応酬を繰り広げている。同じ生徒会に所属する一生とは親しい関係。

クレジット

原案

ウィリアム・シェイクスピア

書誌情報

から騒ぎ 全1巻 集英社〈マーガレットコミックス〉

第1巻

(2021-04-23発行、978-4088444833)

SHARE
EC
Amazon
logo