ギターを弾く少年に一目惚れ
中学生の立花志乃は、以前からなんとなく気になっていた同級生の瀬名瑞生が、一人でギターを弾いている姿を見て恋に落ちる。その後、意気投合してこっそり放課後のひと時を楽しむようになった二人は交際を始める。しかし瑞生が東京へ引っ越すことになり、「会えなくても平気なんて簡単に言えるくらいの好きじゃないから」というモヤモヤした言葉とともに別れを告げられる。そして大学生に成長した志乃は東京に上京し、大学で瑞生と再会を果たす。一度は別れたはずの志乃と瑞生が織りなす二度目の恋愛模様が、ラブコメディを交えて展開される。当初は志乃たちが住む静岡の田舎町が舞台で、彼女たちが大学生になってからは東京の大学が舞台となる。
初恋の元彼と二度目の恋
中学時代の志乃は、瑞生との交際を機に音楽に興味を持つようになる。瑞生と別れることになった志乃は別れたあとも彼への未練を引きずったまま、思い出を忘れられずにいた。4年後、東京の大学に進学した志乃は、楽しいキャンパスライフへの期待に胸を膨らませる。そんな中、偶然にも同じ大学で瑞生と再会し、軽音サークルの活動を通して頻繁に顔を合わせるようになるが、瑞生からは昔のような純粋さが失われ、冷淡な性格に豹変していた。志乃は瑞生の予想外の言動に翻弄されながらも、彼への思いが再熱してしまう。
サークル活動をとおして判明する瑞生の過去
アマチュアバンドで活躍している瑞生のライブを見た志乃は、一心不乱にギターを演奏する瑞生の姿に心を打たれ、中学時代に見た彼のギター演奏を思い出す。瑞生の性格が変わってしまった原因は、過去の家庭不和が大きく影響していた。音楽を通じて瑞生の気持ちを察した志乃は、昔のような関係に戻れなくても、彼との二度目の恋に向き合うことを決意する。本作は音楽もテーマの一つであり、志乃と瑞生のサークル活動やバンド活動をとおしての交友関係も見どころとなっている。
登場人物・キャラクター
立花 志乃 (たちばな しの)
とある大学に通う女子で、瀬名瑞生とは中学時代の同級生。静岡県出身。明るい茶髪をボブヘアにしている。中学3年の時にギターを弾いている瑞生に一目惚れして付き合うようになるが、瑞生が東京に引っ越すことになり、一方的に瑞生から別れを告げられる。4年後、瑞生との初恋をひきずったまま大学に進学したが、偶然同じ大学の軽音サークルで彼と再会する。瑞生に誘われて軽音サークルに入部し、ほかの新入生と共にバンドを組むことになる。かつて瑞生にギターを教えてもらったことで、高校生の頃から趣味でギターを始めたが、まだまだ初心者レベル。中学生時代とは別人のように変わった瑞生に戸惑いを覚えながらも、彼と二度目の恋に落ちる。
瀬名 瑞生 (せな みずき)
立花志乃と同じ大学に通う男子で、志乃とは中学時代の同級生。静岡県出身。黒髪短髪の爽やかなイケメンで、中学時代からクラスの中心人物だったこともあり、女子生徒から絶大な人気を誇っていた。一人でギターを弾いている姿を目撃した志乃に一目惚れされて付き合っていたが、東京への引っ越しが決まり、一方的に別れを告げた。しかし4年後、志乃と同じ大学の軽音サークルで再会する。アマチュアバンドで活動しており、熱狂的なファンがいる。東京へ引っ越したのは両親の離婚が原因で、中学時代は純粋な王子様気質だったが、現在は複雑な家庭環境から性格が大きく変わっている。しかし、音楽に対しては今も真摯に向き合っており、昔のような子供っぽい笑顔を見せることがある。
書誌情報
君を忘れる恋がしたい 3巻 集英社〈マーガレットコミックス〉
第1巻
(2024-02-22発行、 978-4088430027)
第2巻
(2024-05-23発行、 978-4088430102)
第3巻
(2024-09-25発行、 978-4088430515)