ハイブリッド鹿少女と元ヤンキー少女
都立日野南高校に通う虎視虎子は絵に描いたような優等生ながら、誰にも言えない秘密があった。それは中学生まで元ヤンキーだったことで、高校デビューと同時に過去の黒歴史を封印して優等生然として振る舞っていた。今の優等生としての立場を守るためにも元ヤンキーであることを徹底的に隠していた虎子だったが、ある日、謎の少女・鹿乃子のこと出会う。彼女は頭に鹿の角が生えた摩訶不思議な少女で、野生の勘によって一目で虎子が元ヤンキーであることを見抜く。しかも、のこが虎子のクラスに転校してきたため、のこの奇行に翻弄される日々を送る羽目になる。
シカ部の奇天烈な日常
本作は、鹿の世話をする部活「シカ部」を主な舞台にしたハイテンションギャグコメディ。しかし肝心の「シカ部」が世話をするのは、自分を鹿だと言い張るのこ本人で、本物の鹿はいっさい登場しない。そのため、シカ部に関しては「鹿」ではなく「シカ」と表記することが多い。のこの強引な勧誘で虎子はシカ部に入部し、奇想天外なのこの行動に虎子がツッコミを入れていくのが話の流れとなっている。ストーリーが進むにつれてシカ部の部員も増え、それに伴ってさらに話がカオス化していく。
シカ部vs生徒会
のこと虎子は、さまざな修羅場を乗り越えて無事進級し、優等生を演じている虎子は生徒会長にまで上り詰める。しかし生徒会のメンバーは、シカ部に強い敵意を抱いていた。のちにシカ部と生徒会による仁義なき戦いの火蓋が切られるが、自由奔放に振る舞うシカ部のメンバーに生徒会は翻弄され、両者の戦いは混沌の坩堝(るつぼ)と化す。また、生徒会のメンバーも曲者ぞろいで、彼らの思いもよらない奇抜な行動によって両者の暴走とギャグはさらに加速していく。
登場人物・キャラクター
鹿乃子 のこ (しかのこ のこ)
頭から鹿の角が生えている謎の女性。「鹿と人間のハイブリッドの鹿」を自称している。見た目は茶髪をボブカットにしたふつうの少女で、虎視虎子のクラスに転校してきた。つかみどころのない性格で、自由奔放で破天荒な言動が目立つ。虎子と初めて出会った際も、朝起きたらなぜか電線にぶら下がっていたと嘯(うそぶ)き、地味に命の危機に瀕していたところを虎子に助けられた。野生の勘が鋭く、その勘が発動するとなぜか角が光る。その野生の勘で虎子を一目で元ヤンキーと見抜いたため、虎子から警戒されている。鹿の世話をする部活「シカ部」を立ち上げ、虎子を強引に入部させた。なお、鹿乃子のこ自身はシカ部で「世話をされるシカ」のポジションのため、設立者にもかかわらず部長の座を虎子に任せた。奇行を繰り返しては虎子からツッコミを入れられているが、なぜかクラスメートからは好意的に受け入れられている。「のこたん」の愛称で呼ばれているため、虎子にも「こしたん」の愛称を付けた。好物のシカせんべいを前にすると見境がなくなる。角は着脱可能だが、角を外すと頭もいっしょに取れるなど謎が多い。また角は武器になったり、収納道具として使われたりする。
虎視 虎子 (こし とらこ)
都立日野南高校に通う女子。初登場時は高校1年生。金髪ロングヘアで、スレンダーな体型の美少女。眉目秀麗で品行方正な優等生としてとおっているが、実は元ヤンキー。高校デビューと同時に過去を封印し、優等生キャラを演じているため、元ヤンキーである事実を知られることを恐れている。登校途中、なぜか電線にぶら下がって鼻水をたらしていた鹿乃子のこを助けた際に、彼女に一目で元ヤンキーと見破られて動揺する。その後、のこが自分のクラスに転校してきたため、元ヤンキーであることがバレるのを恐れて心休まらない日々を過ごしている。当初は「こしたん」の愛称で呼ばれることを拒んでいたが、のこからの提案が「ヤンキーのお姉さん」か「こしたん」の二択しかなかったため、仕方なく「こしたん」の愛称を受け入れた。根は単純なために褒められたり、素直に好意を伝えられたりすることに弱く、のこが「シカ部」を設立した際も、おだてに乗せられてあっさり入部した。また、その際にのこに部長を押し付けられている。
書誌情報
しかのこのこのここしたんたん 5巻 講談社〈マガジンエッジKC〉
第1巻
(2020-07-17発行、 978-4065202456)
第2巻
(2021-02-17発行、 978-4065223307)
第3巻
(2022-02-17発行、 978-4065268513)
第4巻
(2023-02-16発行、 978-4065307878)
第5巻
(2024-05-09発行、 978-4065355749)
しかのこのこのここしたんたん 6巻 講談社〈シリウスKC〉
第6巻
(2024-07-09発行、 978-4065361658)