概要・あらすじ
「タイガー&ドラゴン」の異名を持つ不良高校生コンビ、松井竜哉と黒田大河が、練馬区石神井台にやって来た。彼らは、全国制覇を目指して各地でケンカをしていると噂されていたため、地元のヤンキーたちは、縄張りを守るため、二人を取り囲む。多勢に無勢ではあったが、「タイガー&ドラゴン」は強かった。ヤンキーたちをこてんぱんにした竜哉と大河は、その足で銭湯「たつの湯」に向かう。今も薪だけを使って焚いている「たつの湯」の熱いお湯は、疲れた心を癒やし、体の芯まで温めてくれるのだ。二人が浴槽で、熱い湯を堪能していると、先ほどの地元のヤンキーたちが銭湯に入ってきた。ヤンキーたちはいきり立つが、場所柄、ケンカはお預けになる。湯船から上がり、いっしょに中庭でくつろいだ地元ヤンキーと竜哉たちは、なんとなく和み「ケンカはまた今度」となった。ヤンキーたちはカンちがいしていたが、竜哉と大河の目的は「たつの湯」に来ることだった。彼らが目指しているのは「全国統一」ではなく「天下湯一(とういつ)」である。ケンカ上等の「タイガー&ドラゴン」の正体は、「上湯(じょうとう)」を求めて遠征する、銭湯大好き高校生だったのである。
登場人物・キャラクター
松井 竜哉 (まつい たつや)
高校1年生で、15歳の少年。リーゼントに学ランが特徴。黒田大河とのコンビで「タイガー&ドラゴン」と呼ばれている。ケンカ最強を誇るが、喋るのも得意で、口喧嘩でも無敗である。一年前、唯一ケンカで負けた銭湯帰りの男を捜しているうちに、銭湯にはまってしまう。以来、大河と共に、全国各地の銭湯巡りをする。
黒田 大河 (くろだ たいが)
高校1年生で、15歳の少年。オールバックの金髪に学ランが特徴。松井竜哉とのコンビで「タイガー&ドラゴン」と呼ばれている。ふだんは無口で、冷酷な殺し屋といった雰囲気を醸し出している。しかし、銭湯のことになると饒舌になり、湯船に使っているときは、仏様のようなほほ笑みをたたえた表情になる。一年前、竜哉と共に挑んだ銭湯帰りの男にケンカで負け、その男を捜しているうちに、銭湯にはまってしまう。以来、竜哉と共に、全国各地の銭湯巡りをする。