どくヤン!

どくヤン!

誰もが恐れおののくヤンキー高校に転入した野辺雷蔵が、本を通じてヤンキーたちとなかよくなっていく姿を描いたギャグ漫画。各話には多くの実在する書籍が登場し、各エピソードの最後には登場書籍のリストが掲載されている。「Dモーニング」2019年21・22合併号から連載の作品。

正式名称
どくヤン!
ふりがな
どくやん
原作者
左近 洋一郎
漫画
ジャンル
不良・ヤンキー
 
ギャグ・コメディ
レーベル
モーニング KC(講談社)
巻数
既刊2巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

授業料が無料という理由で毘武輪凰高校に転入した野辺雷蔵は、校内のヤンキーたちが熱心に読書していることに驚く。そんな野辺は、別のヤンキーから恐喝して本を奪う「ブッカツ(ブックカツアゲ)」を受ける。一度は本を奪われるものの、ブッカツを許さない獅翔雪太によって助けられる。そして野辺は、転入するクラスまで案内されると、そこには強面のヤンキーしかいなかった。(第1話「どくヤン」。ほか、8エピソード収録)

第2巻

毘武輪凰高校に転入して来た阿奈沢流人によって、毘武輪凰高校のヤンキーたちのあいだで急速にライトノベル(ラノベ)が広まっていた。阿奈沢はすべてのヤンキーに強制的にラノベを読ませようと活動を続けていたが、個人が好きなジャンルを読むことを大切にしている獅翔雪太地代康尚たちが猛反発する。多くのヤンキーが大喧嘩する中、ひ弱な野辺雷蔵は自分なりに争いを終わらせようと、ある行動を起こす。(第10話「ラノベを読め!」。ほか、8エピソード収録)

登場人物・キャラクター

野辺 雷蔵 (のべ らいぞう)

授業料が無料という理由で、毘武輪凰高校に転入して来た1年生の男子。身長160センチで、体重54キロ、誕生日は6月6日。好きな本のジャンルは特になく、最近読んだ本は『一切なりゆき 樹木希林のことば』『ノーサイド・ゲーム』。気弱で生真面目な性格で、最初は毘武輪凰高校のヤンキーたちを恐れていた。しかし、獅翔雪太に優しく接してもらえたことや、たまたまマニアックな本を所持していたことでクラスメイトから受け入れられ、少しずつ毘武輪凰高校に馴染んでいく。月1回提出が義務付けられている読書感想文では、文章を書くのが苦手なヤンキーたちに感想文の書き方を教えている。

獅翔 雪太 (ししょう せつた)

毘武輪凰高校に通う1年生の男子。身長181センチで、体重69キロ、誕生日は4月9日。好きな本のジャンルは私小説で、お気に入りの読書場所は病院の待合室。最近読んだ本は『根津権限裏』。いつも学生帽子をかぶり、外套を着ている。男気にあふれており、喧嘩も強いために1年生ながらも毘武輪凰高校のヤンキーの中心的な存在。病に蝕まれ倒れていった多くの私小説作家の生き様や死に様に傾倒した影響で、病弱な体質の持ち主。転入初日、恐喝して本を奪う「ブックカツアゲ(ブッカツ)」を受けていた野辺雷蔵を助け、以降も何かと野辺のことを気にかけている。

伽乃 桃春 (とぎの ももはる)

毘武輪凰高校に通う1年生の男子。身長170センチで、体重62キロ、誕生日は7月21日。好きな本のジャンルは官能小説で、お気に入りの読書場所は鍵のある部屋。最近読んだ本は『淫行時間割 わいせつ母(ママ)』『官能小説用語表現辞典』『ノルウェイの森』。スキンヘッドで耳、眉、鼻、舌に多数のピアスを付け、キレると折りたたみナイフで斬りかかる危険人物だが、野辺雷蔵にお勧めの官能小説を渡すなど優しい一面もある。濡れ場では必ず射精することを信条としており、射精せずに最後まで読める小説は官能小説と認めていない。

橙 併次 (だいだい ぺいじ)

毘武輪凰高校に通う1年生の男子。身長174センチで、体重70キロ、誕生日は1月21日。好きな本のジャンルはレシピ本で、お気に入りの読書場所はパントリー。最近読んだ本は『一汁一菜でよいという提案』『伝えていきたい日本の味』『料理が苦痛だ』。料理上手でいつもクッキング帽とエプロンを身につけており、読んだレシピの数は数万以上。暴走する猪の群れも食材と認識しており、一人ですべて撃退するほど腕っ節も強い。好きなジャンルのよさを語り合った末に、喧嘩を始めたクラスメイトに自慢の料理を振る舞い落ち着かせた。

阿符織 瞑 (あふおり つむる)

毘武輪凰高校に通う男子。身長183センチで、体重86キロ、誕生日は12月10日。好きな本のジャンルは箴言(しんげん)本で、お気に入りの読書場所は柱の陰。最近読んだ本は『侏儒の言葉』『一生使えるおさいほうの基本』。箴言集を読むだけでは満足できず、他人が感動したところを背後から襲い、箴言が載っているページを奪う「箴言狩り」を繰り返している。奪った箴言はいつも着ている特効服の裏側に刺繍しており、野辺雷蔵の箴言も奪おうと野辺に襲いかかる。

域狭間 刻 (いきざま きざむ)

毘武輪凰高校に通う1年生の男子。身長178センチで、体重71キロ、誕生日は8月9日。好きな本のジャンルは私小説で、お気に入りの読書場所は電車の中。最近読んだ本は『檸檬』『哀しき父 椎の若葉』。同じ私小説好きの獅翔雪太とは初対面ながら、意気投合して名前で呼び合う仲になる。家庭の事情で別の高校に転校したあとは、私小説を書いて賞に応募した。

夜見木 粕男 (よみき かすお)

毘武輪凰高校に通う1年生の男子。身長156センチで、体重82キロ、誕生日は11月30日。好きな本のジャンルは絵本で、お気に入りの読書場所は無印良品の木育広場。最近読んだ本は『ききみみずきん』。髪をモヒカンにして、学ランには多数の絵本のワッペンを付けている。ほかのヤンキーに絵本を読んでいることをバカにされるのが面倒なため、ブックカバーを探している時に野辺雷蔵と知り合う。面倒見がよくて、空腹で倒れた獅翔雪太の食べ物を探すうちに、野辺と共に毘武輪凰高校の無法地帯ともいわれる闇購買部に足を踏み入れてしまう。

阿奈沢 流人 (あなざわ るうど)

交通事故に遭ったことで毘武輪凰高校に転入して来た男子。身長177センチで、体重64キロ、誕生日は4月12日。好きな本のジャンルは異世界転生系のライトノベル(ラノベ)で、お気に入りの読書場所は荻窪の異世界カフェ。最近読んだ本は『デスマーチからはじまる異世界狂想曲 19』『チートスキル「死者蘇生」が覚醒して、いにしえの魔王軍を復活させてしまいました~誰も死なせない最強ヒーラー~』『THE KING OF FANTASY 八神庵の異世界無双 月を見るたび思い出せ!』。もともとはヤンキーではなくふつうの学生だったが、ラノベを読んでいることをヤンキーに毎日バカにされていた過去がある。その時の復讐として毘武輪凰高校に転入して言葉巧みにヤンキーにラノベを薦め、毘武輪凰高校の生徒の約半分をラノベ好きにした。

済馬 音雄 (さいば ねお)

毘武輪凰高校に通う1年生の男子。身長181センチで、体重80キロ、誕生日は10月1日。好きな本のジャンルはSF小説で、お気に入りの読書場所はサイドカー。最近読んだ本は『なめらかな世界と、その敵』『月の光 現代中国SFアンソロジー』『らせん』。SFに対して尋常ならざる情熱を注いでおり、SFを語らせると止まらなくなる。ふだんは温厚な性格ながら、SFの知識が乏しいにわかファンがSFを語ると激怒する。

四津谷 海太 (よつや かいた)

毘武輪凰高校に通う1年生の男子。身長173センチで、体重85キロ、誕生日は8月13日。好きな本のジャンルは恐怖小説で、お気に入りの読書場所は青木ヶ原樹海。最近読んだ本は『丘の屋敷』『ぼっけえ、きょうてえ』『仮面の本 作って広がる貴方の世界』。恐怖小説の本道は霊や怪異、モンスターなどが人間を恐怖させることだと考えており、人間の心の闇や人間そのものが一番怖いという結末の話は邪道扱いしている。月1回提出が義務付けられている読書感想文を、夜中2時までかかってようやく終わったクラスメイトたちに、それぞれが読んだ本から引用する形の百物語をやろうと提案する。

重本 刃辺留 (しげもと ばべる)

毘武輪凰高校に通う男子。身長185センチで、体重99キロ、誕生日は11月29日。好きな本のジャンルは物理本で、お気に入りの読書場所はレッグエクステンションマシン。最近読んだ本は『科学的に正しい筋トレ 最強の教科書』『大辞林 第三版』『大辞林 第四版』。物理本同盟の総長を務めており、図鑑や辞典といった重い本を読むにも耐えられる肉体を作るために日々トレーニングをしている。世界最大の本とされる重さ24トンのフォトブックを読むため、自宅に大規模なトレーニングセットを作っている。

奥野 外道 (おくの そとみち)

毘武輪凰高校に通う1年生の男子。身長177センチで、体重79キロ、誕生日は5月16日。好きな本のジャンルは旅行本で、お気に入りの読書場所はジャンボフェリーの屋外デッキ。最近読んだ本は『どくとるマンボウ航海記』『極北へ』『スペイン紀行』。長崎に行った修学旅行では自分の作成した本でクラスメイトを案内したり、現地の情報を短時間で調べた。ほかのクラスメイトと比べて、見た目はおとなしそうに見えるが、長崎のヤンキーとの喧嘩では野辺雷蔵を驚愕させる戦法を取った。

地代 康尚 (じだい こうしょう)

毘武輪凰高校に通う1年生の男子。身長178センチで、体重81キロ、誕生日は9月15日。好きな本のジャンルは時代小説で、お気に入りの読書場所は夏草が生い茂る草原。最近読んだ本は『八本目の槍』『黒龍の柩』『新書太閤記』。額に「愛」の文字を刻んでおり、学ランの下には和服を身につけ、口調がやや時代がかっている。冷静な性格で、すぐに熱くなるクラスメイトの抑え役を担っているが、喧嘩はめっぽう強くて仲間のためなら率先して喧嘩に加わる。幼い頃に両親が離婚して、今は母親と二人暮らし。司馬遼太郎が大好きながら、母親が司馬遼太郎を毛嫌いしているために自宅では司馬遼太郎の本を隠している。

場所

毘武輪凰高校 (びぶりおこうこう)

周囲のヤンキーが恐れおののくヤンキーたちが通う私立高校。授業料が無料で入学試験もないため、毎年1万人のヤンキーが入学するが「本を読む」というカリキュラムについていけず、99%が学校を去っていく。残った1%は読書好きのヤンキーとなり、「どくヤン」と呼ばれている。授業は「読書」のみだが、月に1回原稿用紙2枚の読書感想文の提出が義務付けられており、提出できないと即退学となる。

その他キーワード

どくヤン

毘武輪凰高校に通う生徒の総称。「読書ヤンキー」と呼ばれることもある。本を読めないヤンキーたちが、毘武輪凰高校のカリキュラムにより本をこよなく愛するようになる。どくヤンには、それぞれに好きなジャンルがあり、互いにジャンルのよさを語りあった末に、言い争いで喧嘩になることが多い。

クレジット

原作

左近 洋一郎

書誌情報

どくヤン! 2巻 講談社〈モーニング KC〉

第1巻

(2020-01-23発行、 978-4065182079)

第2巻

(2020-06-23発行、 978-4065196410)

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