最強ぼっち少女と不良四人組
本作の舞台となるのは私立大葵学園。全国の不良や問題児の最終集積地といわれる高校の1年E組に、虎沢愛子(虎子)が転校してきたことから物語は始まる。虎子は生まれつき超怪力の持ち主で、無意識に物を壊したり、人に怪我(けが)をさせたりしてしまうため、周囲から避けられ友達が一人もいなかった。すっかり臆病になってしまった虎子だが、転校を機に友達が欲しいと切に願っている。そんな虎子を迎えるのが、鷹野をリーダーとする不良四人組である。本作は、虎子を倒そうと躍起になる四人組と虎子が、ドタバタ騒動の末に絆(きずな)を深める姿を、お色気を交えながら描いていく。
学園で起こる、数々のセクシーハプニング
クラスメイトや教師を半殺しにした、熊を倒したなどの噂とともに、虎子は転校してくる。しかし、噂とは正反対に、震えながら自己紹介をする気弱な虎子に、不良四人組のリーダー、鷹野は喧嘩(けんか)を売る。一方的に殴られる虎子だが、鷹野の拳を止めていた手が滑り、鷹野の制服を破いてしまう。乳房が丸出しになった鷹野は、ゆっくりとしゃがみ、シクシクと泣き出す。突っ張っていても根っこは乙女なのである。こうしたハプニングによるお色気シーンの他、更衣室に下着泥棒が出没するといった、学園ならではのエピソードもある。
登場人物・キャラクター
虎沢 愛子 (とらさわ あいこ)
私立大葵学園1年E組に転入してきた女子高生。金髪、大柄な体格、巨乳が特徴。ビルを破壊したり熊を倒したりできる超怪力の持ち主。人を傷つけることを恐れ、臆病な性格になってしまった。なお、虎子の怪力を軽くいなす、少年のような外見をした35歳の兄がいる。怪力のせいで周囲から猛獣扱いされてきたが、転校をきっかけに友達を作ろうとする。担任教師の勧めで、鷹野が部長を務める「飼育部」に入部する。兎洞萌に「虎子」というあだ名を付けてもらったことをすごく喜んでいる。
鷹野 (たかの)
私立大葵学園1年E組の女子高生。黒のロングヘアーが特徴で、不良四人組のリーダー。猫を愛(め)でるだけの「飼育部」の13代目部長でもある。家は貧乏で、十人の弟妹の面倒を見ている。また、格闘技ジムに通っており、鋭い蹴りやパンチが得意技。虎沢愛子にたびたび勝負を挑むが、いつも返り討ちに合う。あだ名は「タカちゃん」。
兎洞 萌
私立大葵学園1年E組の女子高生。ワンサイドアップのロングヘアーと左目下のハートマークが特徴。鷹野をリーダーとする不良四人組の一人。猫を愛でるだけの「飼育部」の部員でもある。鷹野にローターを仕込まれていることから「ローター」と呼ばれる。明るく屈託のない性格で、虎沢愛子に「虎子」というあだ名を付けた。
猿間 (えんま)
私立大葵学園1年E組の女子高生。ツーブロックの髪型、ギザギザの歯、ライダーズジャケットなどが特徴。鷹野をリーダーとする不良四人組の一人。猫を愛でるだけの「飼育部」の部員でもある。友達思いな面があり、虎沢愛子(虎子)のせいでケガをした兎洞萌の仇(かたき)を討つため、虎子に勝負を挑む。あだ名は「エンマ」。
雀森 ことね (すずめもり ことね)
私立大葵学園1年E組の女子高生。ロングヘアーと特攻服が特徴の幼児体型のちびっこ。鷹野をリーダーとする不良四人組の一人。猫を愛でるだけの「飼育部」の部員でもある。エセ広島弁で相手を罵り、お小遣いを貯めて買った木刀の村正での攻撃が得意技だが、ケンカは弱い。あだ名は「スズメ」。
書誌情報
虎子、あんまり壊しちゃだめだよ 全2巻 白泉社〈ヤングアニマルコミックス〉
第1巻
(2017-11-29発行、 978-4592162216)
第2巻
(2018-08-29発行、 978-4592162223)