あらすじ
第1巻
森の奥に住んでいるオオカミちゃんは、鳥さんと共に今日も「森のパトロール」をしていた。そこでオオカミちゃんは、人間のみあが森の奥に迷い込んでいる姿を発見し、みあを驚かせて元の場所に戻ってもらおうとする。しかし、圧倒的に迫力が不足しているオオカミちゃんに、みあはまったく動じることなく、そのままいっしょに遊ぶことになってしまう。そしてみあはオオカミちゃんに、なぜ自分は森の奥に来たのか、その理由を語り始める。(第1話。ほか、6エピソード収録)
登場人物・キャラクター
オオカミちゃん
森の奥に住んでいるオオカミで、耳と尻尾以外は人間の少女の姿をしている。聴力や身体能力は人間より優れている。幼い頃に両親と離ればなれになり、それ以降は一人で動物の仲間たちに囲まれて暮らしてきた。「森のパトロール」を生業としており、使命感に燃えている。しかし今一つ迫力に欠けており、どうすれば人間を怖がらせることができるのかと日々研究している。明るく前向きな性格で、誰に対しても社交的に振る舞うために友達が多い。
鳥さん (とりさん)
オオカミちゃんといっしょに暮らしている青い鳥。言葉を話すことはできないが、オオカミちゃんの言っていることは理解している。また、オオカミちゃんに頼まれて亀のおじいさんにジェスチャーで伝言を伝えるなど、知能は非常に高い。オオカミちゃんが「森のパトロール」をするために外出をする際には、頭の上に乗って移動する。
きつねさん
森の奥に住んでいるキツネで、森の守り神として崇拝されている。耳と尻尾以外は人間の少女の姿をしており、見た目はオオカミちゃんよりも幼い。ドライアド様のお使い役と、お世話役を務めている。かわいらしい見た目に反して冷静沈着なしっかり者で、ドライな言動を取ることが多い。
ドライアド様 (どらいあどさま)
森の奥にある樹齢数百年の大木の精霊で、美しい女性の姿をしている。また、見た目の年齢は自由に変えることができる。不思議な力を持ち、物知りであることから人々に崇拝されている。森の守り神でもあるきつねさんからも崇拝されており、彼女をお使い役とお世話役にしているが、きつねさんの天然気味な性格故に注意することが多い。オオカミちゃんと仲がよく、きつねさんの目を盗んで遊びに行っている。
フクロウさん
森の奥に住んでいるフクロウ。手が羽根になっている以外は人間の少女の姿をしている。穏やかな性格の持ち主で、森で一番の博識として知られており、頭脳明晰で誰にでも優しく接する。
ミミズクさん
森の奥に住んでいるミミズク。手が羽根になっており、羽角(耳)がある以外は人間の少女の姿をしている。亀のおじいさんなど森の住民から依頼を受け、森の偵察役として活動している。他者と言葉を交わすことはほとんどなく、ジェスチャーで気持ちを表現している。また、いっしょに行動しているうさぎさんからフォローを受けることも多い。
うさぎさん
ミミズクさんと共に行動しているウサギ。言葉を話すことはできないが、ミミズクさんの言っていることは理解している。他者と積極的に会話をしようとしないミミズクさんのフォローをすることも多い。
くまさん
森の奥に住んでいるクマ。性別は不詳。見た目はクマそのものだが、二足歩行で移動をする。言葉を話すことはできないが、オオカミちゃんたちの言っていることは理解している。オオカミちゃんやドライアド様たちと遊ぶことが多い。
亀のおじいさん (かめのおじいさん)
森の奥に住んでいる高齢の亀。見た目は白衣を着た二足歩行の亀で、オオカミちゃんたちと同様に言葉を話すことができる。頭にはシルクハットをかぶっている。森のお医者さんで、ケガや体調不良の動物を診ている。長く生きているために非常に物知りで、人間についても詳しい。
みあ
森の奥に迷い込んできた人間の少女。「森のパトロール」をしていたオオカミちゃんに見つかり、そのまま行動を共にして親しくなる。森の奥に一人で来た理由は、弟が生まれてから母親が自分に関心がなくなったと感じたため。母親と和解してからもたびたび森の奥に遊びに来て、オオカミちゃんを困らせている。
その他キーワード
森のパトロール (もりのぱとろーる)
オオカミちゃんが行っている活動。森の奥に迷い込んだ人間を驚かせ、人間たちが暮らす場所へと無事に帰らせることが主な仕事となっている。動物たちの住む場所を守ることがその大きな目的だが、森の奥には崖や危険な場所が多いため、人間にケガを負わせたくないという、オオカミちゃんの優しい思いも込められている。
書誌情報
ちいさな森のオオカミちゃん 全2巻 KADOKAWA〈MFコミックス アライブシリーズ〉
第1巻
(2019-11-22発行、 978-4040641409)
第2巻
(2021-02-22発行、 978-4040647036)