概要・あらすじ
日本フェザー級のチャンピオンになった主人公の幕之内一歩は、次の防衛戦に向けて着々と準備を整えていく。また、鴨川ボクシングジムには期待のルーキーである板垣学が入門し、幕之内一歩のライバルである宮田一郎は、東洋太平洋フェザー級タイトルに挑戦することが決定するなど、周囲のボクサーも次のステップへと歩みを続ける。
そこに、先輩である鷹村守の世界タイトル挑戦の報が舞い込んできた。
歓喜に沸きあがる鴨川ボクシングジムの面々だったが、壮絶な鷹村守の戦いは、試合前から始まっていた。
登場人物・キャラクター
幕之内 一歩 (まくのうち いっぽ)
鴨川ボクシングジム所属のプロボクサー。階級はフェザー級で、現日本フェザー級チャンピオン。元いじめられっ子だったがボクシングに出会い、ついに日本チャンピオンにまで登り詰める。 ボクシングのファイトスタイルは、接近戦を主とするインファイター。ピーカブースタイルでガードを固め、至近距離から強打を連打する。パンチ力に定評があり、勝った試合のKO率が100パーセントという国内屈指のハードパンチャーでもある。 ボクシングの技術的なものはもちろん、チャンピオンとしての責任感や勝利に対する貪欲さも身に付けつつあるなど、精神面でも確実に成長している。
アーニー・グレゴリー (あーにーぐれごりー)
東洋太平洋フェザー級チャンピオン。オーストラリア出身。左右の強烈なフックを得意とする、幕之内一歩と同じくらいのパワーを誇るボクサーで「クロコダイル」の異名を持つ。 異名の由来は、強烈なパンチである左右のフックが、骨を噛み砕くワニの顎のように強いということからきている。また、相手のクロスカウンターが来ると肘を曲げることでパンチの軌道を変えつつ、アッパーで迎撃するカウンター返し「ブラッディ・クロス」を得意とするなど、カウンターパンチャーには相性の悪い相手でもある。 東洋太平洋フェザー級タイトルマッチで宮田一郎と対戦する。
宮田 一郎 (みやた いちろう)
川原ボクシングジム所属のプロボクサー。階級はフェザー級。デビュー前に幕之内一歩とのスパーリングで敗れたことで、幕之内一歩をライバルとして認めている。東日本新人戦で敗退し、幕之内一歩との「プロのリングで決着」という約束を果たせないでいるうちに、幕之内一歩は日本チャンピオンにまで成長する。 いつの間にかできた差を埋めるために海外修行に出発、確かな成長を実感して帰国した。 そして幕之内一歩と堂々と再戦するため、東洋太平洋フェザー級チャンピオンに挑戦する。ボクシングのスタイルは、自慢のフットワークとスピードを最大限に活かしたアウトボクサーである。 しかし、スタミナとパワー、耐久力の少なさが弱点。最大の武器は、相手の一瞬のスキを見逃さずに放つカウンター。宮田一郎自身もカウンターに強いこだわりを持っている。 なお、本来はライト級の骨格であるが、幕之内一歩との再戦にこだわりを見せており、過度な減量を科してまでフェザー級に留まっている。
板垣 学 (いたがき まなぶ)
鴨川ボクシングジム所属のプロボクサー。階級はフェザー級。アマチュア戦績を持ち、インターハイ準優勝という肩書を持って鴨川ボクシングジムに入門した。鴨川ボクシングジムを選んだのは、アマチュア時代に1度も勝てなかったライバルである今井京介に勝つことが目的のひとつだが、練習が厳しいこと、ライバルと同じインファイターである幕之内一歩と接することで、勝利へのヒントを掴むのも目的であった。 性格は明るく楽観的で物怖じしないタイプ。 社交性が高く要領もいいので、お調子者の側面もあるが嫌われることは滅多にない。また、ジムの先輩である鷹村守に対してもズカズカと物を言える人物。 ボクシングのスタイルは、常人離れしたスピードで攪乱して遠距離から一方的に打ち続け、隙を見つけてカウンターを叩き込むアウトボクサー。 極めて高いボクシングセンスを持っているが、相手を舐めてかかる部分もあり、思わぬ苦戦をすることも多い。幕之内一歩を「先輩」と呼んで慕い、尊敬している。
鴨川 源二 (かもがわ げんじ)
幕之内一歩が尊敬、信頼している鴨川ボクシングジムの会長。70歳を過ぎた年齢ながら、幕之内一歩を指導するトレーナーであり、試合ではセコンドを務める。幕之内一歩を「小僧」と呼んで厳しく指導するが、日々の練習や試合で成長していく姿を厳しいながらも温かく見守っている。 精神論や根性論を説きながら、最新のボクシング技術を取り入れた科学的な指導も行い、また対戦相手の情報を取り入れ、それに対応したトレーニングで指導する柔軟性も持ち合わせている。
宮田父 (みやたちち)
川原ボクシングジム所属のトレーナーであり宮田一郎の実父。元日本、及び東洋太平洋フェザー級チャンピオン。引退後は鴨川ボクシングジムでトレーナーをしていたが、息子である宮田一郎が幕之内一歩に敗れたため、宮田一郎と一緒に川原ボクシングジムに移籍した。 現役時代は華麗なテクニックと一撃必殺のカウンターを駆使するアウトボクサー。宮田一郎のトレーナーになってからは、自身のテクニックはもちろん、経験からの助言を与えつつ成長を見守っている。
リカルド・マルチネス (りかるどまるちねす)
WBA世界フェザー級チャンピオン。メキシコ出身。デビュー以来、無敗を誇るチャンピオンで、WBA世界フェザー級のタイトルを10年以上も防衛、保持している「伝説」とも称されるボクサー。 野性的な能力と科学的なテクニックの両方を高い次元で備え、完璧ともいえるほどのテクニックに加えてパワーも兼ね備えているなど、他のボクサーを圧倒する実力を誇る、完成されたボクサーである。 幕之内一歩は公開スパーリングでリカルド・マルチネスと相対するが、左ジャブだけで圧倒、事実上KOされるなど、まったく歯が立たなかった。世界フェザー級タイトルマッチで伊達英二と対戦する。
ブライアン・ホーク (ぶらいあんほーく)
WBA世界ジュニアライト級チャンピオン。アメリカ出身。アメリカのスラム街で育ち、ケンカに明け暮れていたが、トレーナーのミゲル・ゼールにスカウトされてプロボクサーになる。 持ち前の野性的なカンとケンカで培った殴り合いの才能を持ち、ボクシングの基本や常識にとらわれない変則的なスタイルと、ただの暴力ともいえる野性的な戦い、ただそれだけでチャンピオンにまで上り詰めた。 練習や努力が大嫌いで傲慢、暴力的、差別的、大の女好きなど、かなり歪んだ人間性の持ち主。世界ジュニアライト級タイトルマッチで鷹村守と対戦する。
鷹村 守 (たかむら まもる)
鴨川ボクシングジム所属のプロボクサー。階級はミドル級。幕之内一歩にボクシングを始めるきっかけを与えた人物。性格は豪快にして豪胆、しかし品性は最低で下劣、しかも女好きのスケベ。 派手好きで何事に対しても「自分が一番」じゃないと気が済まず、負けるのが大嫌い。一人称は「オレ様」。くだらない悪戯が大好きで悪知恵も働き、反撃を受けても生来の腕っぷしの強さでねじ伏せてしまう強引さで、周囲からは「理不尽大王」と呼ばれている。 一言で言えば「ガキ大将」そのものである。ただし、ボクシングに対しては真摯に向き合っており、辛いトレーニングや減量などに愚痴をこぼすことはない。ボクサーとしては本来の身体能力や格闘センスに加え、厳しい練習で築き上げた現代ボクシングの基礎と技術を兼ね備えており、全てにおいて高い次元でまとまった、どんな状況にも対応できる万能型でスキのないボクサーである。 自身を「天才」と呼ぶが、誰が見てもそれが偽りでないと感じさせる実力を誇る。 体格的にはヘビー級だが、国内ではミドル級が最重量級であるため、試合が決まると約20キロの減量をしてミドル級で戦っている。
ハンマー・ナオ (はんまーなお)
八戸拳闘会所属のプロボクサー。階級はフェザー級。幕之内一歩の2度目の防衛戦の相手。スキンヘッドに眉まで剃り落した風貌で、デビューから8戦全勝のボクサーである。スタイルは接近戦主体のインファイター。 被弾覚悟で懐に呼び込み、強烈なフックやアッパーで相手をねじ伏せていく。また、過酷な試合で身に付けた裏技(反則技)も、勝利のためなら使うという精神的なタフさも持っている。 ハンマー・ナオはリングネームで、本名は山田直道。かつて幕之内一歩に憧れて鴨川ボクシングジムに入門した練習生である。引っ越し後に八戸拳闘会に移籍、ハンマー・ナオとしてジュニアウェルター級でデビュー。 その後、幕之内一歩に挑戦するため、階級を下げながら「噛ませ犬」としての試合を全て勝ち抜き、わずか8戦でフェザー級7位にランクイン、チャンピオンである幕之内一歩の持つベルトへの挑戦権を得る。
クレジット
原作
はじめの一歩 (はじめのいっぽ)
主人公幕之内一歩が、プロボクサーとなって数々の強敵と対戦していくボクシング漫画。戦いを通して、強さとは何か?という哲学的なテーマと、登場キャラクターの人間ドラマが色濃く描かれている。講談社「週刊少年マ... 関連ページ:はじめの一歩