ほしのこえ

ほしのこえ

長峰ミカコは、中学生最後の年に宇宙に行くことが決まった。友達以上恋人未満の関係の寺尾ノボルとは、宇宙に行ってからもメールで連絡を取り続けていた。しかし地球から離れ続け、メールは次第に大幅に遅延し、思いを伝えられなくなっていく。新海誠のアニメーション作品『ほしのこえ -The voices of a distant star-』のコミカライズ作品。

正式名称
ほしのこえ
ふりがな
ほしのこえ
原作者
新海 誠
作画
ジャンル
その他SF・ファンタジー
 
悲恋
レーベル
KCデラックス(講談社)
関連商品
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概要・あらすじ

2046年。友達以上恋人未満の関係だった、中学生の長峰ミカコ寺尾ノボル。中学最後の年に、長峰ミカコは国連宇宙軍のトレーサーに搭乗することが決まり、宇宙に旅立つことになった。二人は携帯電話で密にメールで連絡を取り合っていた。しかし長峰ミカコの船がワープを繰り返すうちに光年単位で距離が離れ、メールは年単位で遅れるようになってしまう。

忘れられたのだと思った寺尾ノボルは、彼女への思いを振りきって自分を変えようと考えるも、年越し遅延のメールが着信。長峰ミカコが次は地球にメールが届くまで八年かかることを伝える。これを読んだ寺尾ノボルは、ある決意をする。

登場人物・キャラクター

寺尾 ノボル (てらお のぼる)

『ほしのこえ』の主人公のひとり。真面目な性格の男子生徒。長峰ミカコとは中学生時代に仲が良く、友達以上恋人未満の関係。剣道に打ち込んでおり、レベルの高い城北高校に進学した後も続けている。宇宙探索のタルシアンプロジェクトに中学生時代は興味があった。長峰ミカコがタルシアンプロジェクトのメンバーとして選ばれ、宇宙に行くことが決まってからは、彼女のことを思い続けながら、届くかどうか不安定なメールを送り続けていた。 しかしいつまでたっても戻ってこないメールに耐えられなくなり、部活を退部。自分も変わろうと決意し、着信を待つのをやめて、真枝若菜に誘われた弓道部に入部する。そこに長峰ミカコからの年をこえたメールが届く。 彼女が覚えていてくれたことに心動かされて、宇宙工学科への進学を決意する。

長峰 ミカコ (ながみね みかこ)

『ほしのこえ』の主人公のひとり。頭がよく、活発で運動神経も優れている女子生徒。寺尾ノボルとは中学生時代のクラスメイトで仲がよく、友達以上恋人未満の関係。宇宙探索のタルシアンプロジェクトのメンバーに選抜され、宇宙に行くことが決まる。宇宙船からは寺尾ノボルに、届くかわからないメールを送り続けている。リシテアでは同期のヒサと仲良くなるも、彼女は負傷して地球に送還。 距離が離れるたびに、メールの着信が1年単位でずれていき、時間も地球と大きくずれていくことに不安を覚え、孤独にさいなまれる。大幅ワープで8年以上のメール送信のズレがあることを知った時は、「宇宙と地上に引き裂かれた恋人同士みたいだね」と文面に綴った。

ミワ

リシテアに搭乗する、トレーサー編隊第八小隊の隊長。長峰ミカコの上官。ポニーテールで、動きやすいラフな格好をしていることが多い女性。長峰ミカコに対しては優しくも厳しい助言を送る。また新人いびりを受けた長峰ミカコとヒサを助けたこともある。第二期からのプロジェクトメンバーで、地球と時間が大きくずれていることを知りながら、地球降下せずに搭乗し続けている。

ヒサ

リシテアに搭乗する、トレーサー操縦士の、ロングヘアの少女。寺尾ノボルが入学した城北高校の生徒で、長峰ミカコの少し年上の、同期の新人。地球にいる寺尾ノボルにメールを送り続ける長峰ミカコに興味を持って話しかけ、すぐに意気投合する。寺尾ノボルを気にかけている長峰ミカコを見て、制服を交換しようと提案する。 戦闘時、負傷して地球に強制送還された。

真枝 若菜 (まえだ わかな)

ウェーブのかかった髪の毛の少女。城北高校の生徒。一年の一学期に寺尾ノボルと同じ委員会で、彼が剣道部をやめてから、一緒に学校から帰りたいと話しかけてくる。

その他キーワード

トレーサー

『ほしのこえ』の用語。地球外生命体タルシアンに対抗するために、国連宇宙軍が運用した人型探査機。大型ロボットで、人間が乗って操縦する。自らの力で空を飛び、宇宙空間でも戦闘ができる強靭な機体で、武器を扱った戦闘も可能。特別な操縦服を着用が不要で、通常衣装で搭乗できる。長峰ミカコやヒサのような中高生も、選抜メンバーとして地球からパイロットとして起用される。

タルシアン

『ほしのこえ』の用語。2039年に第一次火星有人調査隊が接触した、地球外知的生命体。火星にあるタルシス遺跡を作ったとされ、そこにあったテクノロジーで人間は科学的に大きな進歩をする。一方で第一次火星有人調査隊は消滅。タルシアンに壊滅させられたとされ、調査を続行するため、選抜された地球人が、トレーサーに乗って宇宙を探索、タルシアン群体と戦闘を繰り返している。 長峰ミカコも有人調査に選抜された一人。

タルシス遺跡 (たるしすいせき)

『ほしのこえ』の用語。地球の調査隊が発見した、火星の遺跡。地球人には未知のテクノロジーが存在しており、地球の科学を飛躍的に進歩させた。2039年に第一次火星有人調査隊がタルシス台地で、地球外知的生命体タルシアンに遭遇。以降彼らと戦闘を繰り返しながら、彼らの科学力の調査を進めている。長峰ミカコは第三次プロジェクト艦隊に所属。

リシテア

『ほしのこえ』の用語。国連宇宙軍が運用している、大型宇宙船。人型探査機トレーサーを載せて航行している。ハイパードライブを用いて1.5光年の距離をワープすることが可能で、地球から8光年以上離れたシリウス星系第4惑星アガルタに向かう。

シリウス星系第4惑星アガルタ (しりうすせいけいだいよんわくせい)

『ほしのこえ』の用語。地球から8光年以上離れた星で、長峰ミカコが搭乗したリシテアが目指す星。地球外知的生命体タルシアンがこの星に痕跡を残していたため、探索することになる。空も雲も海も地球によく似た構造で、動物も居住。タルシス遺跡とよく似た廃墟が残っている。

ハイパードライブ

『ほしのこえ』の用語。大規模宇宙船をワープさせる技術。国連宇宙軍のリシテアは1.5光年の距離をこの技術でワープできる。ワープゲートであるショートカット・アンカーを用いるとさらに長距離を移動可能。地球外知的生命体タルシアンは、火星からさらに8光年以上離れたシリウス星系第4惑星アガルタにショートカット・アンカーを作っていて、探索のため長峰ミカコたちが向かうことになった。

クレジット

原作

書誌情報

ほしのこえ 講談社〈KCデラックス〉

(2005-02-22発行、 978-4063349849)

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