概要・あらすじ
黎明10年。人智を超えた未知の生物、超銀河霊長が地球に飛来するようになって10年が経過した世界。全寮制の中高一貫校の聖アグリッパ学園に入学した南るんなは、誰もが羨む優等生・鯨岡ミカと出会う。運悪く超銀河霊長の攻撃で命を落としたミカを助けたいというるんなの思いに呼応し、魔法の腕輪マブの力で2人は合身巨人ミカるんXに合大を果たす。
こうして2人は、地球を狙う超銀河霊長たちと戦う定めを負うのだった。
登場人物・キャラクター
鯨岡 ミカ (くじらおか みか)
聖アグリッパ学園高等部1年瑠璃組の女子生徒。文武両道・眉目秀麗の才媛。戦闘スタイルは空手。「最も優れた者であり続けろ」という義父ディオニス・カッシアスの育成方針のもと、超人的な努力で学力・体力学年トップを維持し続けている。10年前にイスラエルでテロに遭い、父が死亡。自身も瀕死の重傷を負うが、奇跡的に復活し、以来カッシアスの義娘となるが、義父のことは疎ましく思っている。 高等部に進級したその日、地球を襲撃した宇宙人に殺害されるが、マブの力で奇跡的に復活。同級生の南るんなと「合大」しミカるんXとなり、地球にやってくる超銀河霊長と戦うことになる。負けん気の強い性格で戦いにも積極的。 レズビアンかつ性豪であり、日々るんなに積極的なアプローチを仕掛けるが、嫌われるとすぐに傷つくナイーブな一面も。
南 るんな (みなみ るんな)
聖アグリッパ学園高等部1年瑠璃組の女子生徒。穏やかで明るい性格の平凡な女子高生だったが、夢の中の美男子ヒミツさんに貰ったマブの力で鯨岡ミカと「合大」、ミカるんXに変身し、地球にやって来る超銀河霊長と戦うことになった。争いを好まない性格のため、戦いには消極的だが、身の回りの人々を守るためなら強敵にも果敢に立ち向かう勇気を持つ。 福井県出身で、幼いころから福井県立恐竜博物館に通っていた熱烈な恐竜マニア。
臍矢 円弧 (へそや まるこ)
ボーイッシュな少女の姿をしているが、正体は超銀河霊長のペソマルク星人。宇宙でもっともあぶく銭を愛する種族で、地球人から金を巻き上げるために地球にやってきた。怪獣に地球を襲わせ、自身が助けに入って救済料金を請求するという詐欺を目論む。必殺技は浄化の光・ロンダリング光線。他の超銀河霊長同様長命で体も巨大だが、戦闘能力は低く、人を騙して金儲けをすることばかり考えている。 鯨岡ミカや南るんな、磐南みわ等との交流を通じて、次第に友情に目覚めていく。
超銀河霊長 (そうるぼいじゃー)
『ミカるんX』に登場する架空の異星人に対する呼称。暗黒物質の肉体を持ち、亜光速の速度で単身宇宙を旅し、その先々で惑星を侵略する。黒い異邦人の来訪を皮切りに、高い頻度で地球を訪れるようになる。地球に潜伏している際は人間の姿に化けていることが多く、中には正体を公表して人間社会に適応している者もいるが、頑強で数億年という寿命を持っているため、価値観や倫理観に大きな隔たりがある。
七宝洞 歌乃子 (しっぽうどう かのこ)
聖アグリッパ学園2年生の女子生徒。学園西寮の寮長で、CUBEの本部長でもあり、司令部にいるときは、いつも犬のハインリヒを抱きながら戦闘の指揮を執っている。いつも笑顔で、物腰の柔らかい美人だが、鯨岡ミカや南るんな等の助力を得ながら、自身の目的のため密かに暗躍するなど、腹黒い一面も持つ。 不死身の体を持ち、すでに何百年も生きている。
安生 安生 (あんじょう あき)
聖アグリッパ学園1年生の女子生徒。2学期からの転入生で、2本のおさげと爆乳が特徴。鯨岡ミカに拮抗する運動能力の持ち主で、戦闘スタイルはレスリング。非常に性欲が強く、かつミカと同じレズビアンでもあり、彼女をライバル兼性欲の対象として付け狙う。エキセントリックな性格で、普通や平凡を嫌うため、南るんながミカに愛されていることが気に入らない。 ミカを追いかけているうちに彼女らの秘密を知り、超銀河霊長との戦いに巻き込まれるが、るんなと易々と「合大」を果たすなど、戦闘への高い適応性を見せる。
磐南 みわ (いわなみ みわ)
聖アグリッパ学園1年生の女子生徒で、2学期からの転入生。体が非常に弱く、日の光すら毒になるため、いつも帽子を被り日傘を差して生活している。体育の授業を見学していた際、臍屋円弧と仲良くなり、彼女を「ボス」と呼び慕うようになる。おっとりしているが臍矢の正体を知っても全く動じず、彼女の力になるため密かに生体遊星・白色獣神ハイペリオンを調達してくるなど、並外れた行動力を見せることも。
鯨岡 飛鳥 (くじらおか あすか)
鯨岡ミカの実父で、「子連れ鯨」と呼ばれた凄腕のトレジャーハンター。宗教学・考古学の世界的権威で、聖遺物鑑定家としても知られていた。キリストを処刑するのに使われた聖ロンギニウスの槍を探し求めていたが、10年前にイスラエルでテロに巻き込まれて死亡している。
ヒミツさん
南るんなの夢に現れる白髪の美青年。初対面時に「名前はヒミツ」と自己紹介したことから、るんなに「ヒミツさん」と呼ばれている。古代の地球に栄えたイリアス王朝の王族だったが、地球を破壊した邪神セレーネに見初められ、マブで他者の魂を吸いながら不老不死を保つ夢魔に変えられた。 夢の中で幼いるんなに出会い、地球を救う可能性を秘めた彼女にマブを託した。
ディオニス・カッシアス
AVN財団東京市管理局長にして聖アグリッパ学園理事長。アメリカ陸軍に所属していた際、戦場でどんな致命傷を受けても瞬く間に再生する特異体質の持ち主ということで、「不死身のカッシアス」と呼ばれていた。ある目的を持って鯨岡ミカに近づき、父を亡くした彼女の養父となった。ミカには養育費を出す代わりに、「最も優れた者であり続けろ」と不断の研鑽を義務付けている。
ハインリヒ・コルネリウス・アグリッパ
七宝洞歌乃子がいつも連れている黒毛の犬。人語を解し、七宝洞と共にCUBEの指揮を執る。正体は16世紀のドイツの魔術師で、暗黒物質や超銀河霊長の存在を偶然知って以来、知的好奇心に溺れ、人類史の裏で密かに暗躍。自身を超銀河霊長に改造した。
ミカるんX (みかるんくろす)
鯨岡ミカと南るんながマブの力で「合大」して現れる巨人。ミカの姿をし、近接戦闘を主体とする「ミカフォーム」と、るんなの姿をし、魔法と長距離攻撃を得意とする「日本海フォーム」の二形態を使い分け、地球を襲う超銀河霊長たちに立ち向かう。「ミカフォーム」は全裸で、「日本海フォーム」は兎耳をつけた魔法少女の格好をしている。
ミカるんXX (みかるんだぶるくろす)
ミカるんXの進化した姿。「日本海フォーム」の魔法を利用し、次元の壁を越えて4次元世界に干渉できる存在へと進化した。悪魔のような装いの「デビルミカフォーム」は「ミカフォーム」の発展系。テレポートや分身で敵を翻弄する。「日本海の天使フォーム」は「日本海フォーム」の発展形。次元を操る超次元魔法を使えるが、魔力の消耗が激しく、使い過ぎるとミカるんXの「ミカフォーム」に戻ってしまう。
ミカるんGX (みかるんぐらんどくろす)
ミカるんXの進化した姿。邪神セレーネとの戦いで死亡したのち、宇宙の墓場から復活した鯨岡ミカと、ヒミツさんが姿を変えた新生マブの力が合わさり、「新生合大(ブランニュー・マブフラッシュ)」を果たした。ミカベースの形態のみが存在し、ゾンビのような外見で死者の霊魂を力に変えて戦う「アンデッドミカフォーム」と、青い光に包まれ地球の人々の信念を集めて力にする「ファイナルグリッターフォーム」の二形態がある。
ミカるんXXX (みかるんまきしまいざー)
ミカるんXの進化した姿。鯨岡ミカ、南るんな、安生アキの三人が「究極大合大(ラスト・エヴォルーション)」して誕生した。ミカベースの形態のみが存在し、物理攻撃を受け付けない炎の体と圧倒的な攻撃力を誇る「炎皇態(シャイニングブレイズフォーム)」と、黒い体のあちこちに鋭利な刃を備え、光よりも速く動ける「疾風態(ナイトメアフォーム)」の二形態がある。
ミカるんX ユニバーサル・メルカトルフォーム (みかるんくろす ゆにばーさる・めるかとるふぉーむ)
ミカるんXの進化した姿。改造され生体遊星となった地球である三ツ首焔龍プロミネテスに食われたミカるんXが、内側からその体を乗っ取り、「奪肉再生(ミカさんリバース)」した形態。地球の全てを受け継ぎ、超銀河霊長として生まれ変わった。全身を虹色の光に包まれ、手足には龍のような鱗と鉤爪が生えている。 腰部から生えた「グローバルウイング」は地球上の大陸の形をしている。
雷帝 (らいてい)
数多の超銀河霊長の中で最も強い力を持つとされる宇宙四天王のひとり。強大な力を持つ雷帝軍を率いて、数多くの銀河を侵略してきた。その支配領域は、最強最古の宇宙四天王・邪神セレーネを凌ぐとさえ言われている。正体は謎に包まれており、直近の配下である破天七星将も含め謁見したことのある者はいない。
宇宙剣聖ジュダン星人 (うちゅうけんせいじゅだんせいじん)
雷帝軍・破天七星将の右大将。宇宙剣法の開祖であり、卓越した剣技を持つ。超スピードでの行動を可能とする「宇宙時計停滞剣(コズミック・クロックワークス・スタッグネイション)」を使い、認知の外から相手を斬殺する。
宇宙機械人ナイトロウ星人 (うちゅうきかいじんないとろうせいじん)
雷帝軍・破天七星将の左大将。三角錐の頭部に、六角錐の胴体から細い触手を生やした奇妙な姿をしているが、雷帝軍随一の智将。宇宙剣聖ジュダン星人を倒し、雷帝魔城を訪れたミカたちに衝撃の事実を告白する。
集団・組織
CUBE (きゅーぶ)
『ミカるんX』に登場する架空の軍事組織。地球に飛来し、破壊活動を行う超銀河霊長を撃退することを目的とする。正式名称は「東京市営軍対地球外知性体特殊戦略本部」で、「CUBE」という呼称は、「球」と「部」を抽出した略称。AVN財団の下部組織であり、現場では本部長の七宝洞歌乃子が指揮を執る。最新鋭の兵器で武装しているが超銀河霊長には通用しないことが多く、隊員として加盟した鯨岡ミカと南るんなの協力を得て戦果を上げている。
AVN財団 (あーふぁうえんざいだん)
『ミカるんX』に登場する架空の財団。東京市の経営母体であり、ドイツのケルン市に本拠を構える。聖アグリッパ学園やCUBEは下部組織であり、ディオニス・カッシアスや七宝洞歌乃子は役員として財団に所属している。創設者は16世紀のドイツの魔術師ハインリヒ・コルネリウス・アグリッパ。
雷帝軍 (らいていぐん)
『ミカるんX』に登場する架空の宇宙人の軍隊。雷帝を盟主と仰ぐ宇宙侵略軍で、強大な力を持った7人の配下、雷帝軍・破天七星将と、天体を改造した生物の生体遊星によって構成されている。数々の銀河を滅ぼした宇宙最強の軍勢として恐れられ、彼らが地球に飛来してから多くの超銀河霊長が地球を脱出した。
雷帝軍・破天七星将 (らいていぐん・はてんしちせいしょう)
『ミカるんX』に登場する架空の宇宙人の軍隊。宇宙最強と名高い雷帝軍において、特に強者とされる7名の将軍。生体遊星を従え、地球に攻撃を仕掛ける。
場所
聖アグリッパ学園 (せいあぐりっぱがくえん)
日本国旧都東京市渋谷特区にある全寮制の中高一貫校。鯨岡ミカや南るんならが通学している。AVN財団の下部組織であり、ディオニス・カッシアスが理事長を務める。学園の地下にはCUBEの司令本部があり、七宝洞歌乃子やハインリヒ・コルネリウス・アグリッパ等によって統括されている。
その他キーワード
マブ
『ミカるんX』に登場する架空の道具。南るんながヒミツさんから譲り受けた魔法のブレスレットで、るんなの願いを叶えてくれる。死んだ鯨岡ミカを蘇生させ、2人を合大させた。本来はレプス星人邪神セレーネがエンディミオンの肉体を不老不死に留め置くために渡したもので、地球人の生命力を吸ってエネルギーに換える力を持つ。
合大 (がったい)
『ミカるんX』に登場する用語。鯨岡ミカと南るんながマブの力で合体&巨大化を果たし、合身巨人ミカるんXに変身することを指す。
生体遊星 (せいたいゆうせい)
『ミカるんX』に登場する架空の兵器。雷帝軍が侵略した惑星や彗星を改造し、強大な力を持った生物兵器として作り変えたもの。破天七星将の支配下にあるが、その実力は並の超銀河霊長を遥かに凌ぐ。
白色獣神ハイペリオン (はくしょくじゅうしんはいぺりおん)
『ミカるんX』に登場する架空の兵器。生体遊星旧一号とされており、起動実験中に制御不能となり破棄されたところを怪獣レンタル機構に回収され、搭乗可能な改装を施されてリサイクル販売されていた。臍屋丸弧の力になりたいと考えた磐南みわが宇宙パソコンを使って購入。以後、七宝洞歌乃子、安生アキ等が搭乗してミカたちの戦いをサポートした。 全身真っ白の猿のような姿をしており、他の生体遊星から小型ブラックホールまでなんでも捕食してしまう。
三ツ首焔龍プロミネテス (みつくびえんりゅうぷろみねてす)
『ミカるんX』に登場する架空の兵器。生体遊星第17号。その正体は暗黒物質を注ぎ込まれ、生体遊星に改造されてしまった地球。三つの竜頭と大きな目玉のついた巨大な翼を持っている。首の一本を切断されながらミカるんXを捕食したが、直後に体内から「奪肉再生(ミカさんリバース)」を受け、ミカるんX ユニバーサル・メルカトルフォームとなった。