概要・あらすじ
異星人文明探究のため、別の太陽系を訪れた福島達は、遂に文明存在の証拠となる磨製石器を発見する。しかし、リーダーの艇長は次の候補星へ向かうことを命令するのだった。人類の進歩と、異星人との接触を描いたSF短編。作品中に日本人のような名前、イカロスやライト兄弟を想起させる描写があるが、登場人物達の母星が地球であるとは明言されていない。
登場人物・キャラクター
福島 (ふくしま)
若い男性。少年時代より宇宙にあこがれ、ついに異星人文明探究計画の一員に選ばれる。一年余りの時間をかけ、遂に別の太陽系に到着。文明がある可能性の高い第三惑星へと着陸する。丹念な調査が行われたが、見渡す限りの緑と動物しか発見できない。しかし日没間際、宇宙船への帰投途中、福島は文明存在の証拠となる磨製石器発見するのだった。
艇長 (ていちょう)
禿げ頭の中年男性。福島達の乗る宇宙船の艇長。航空宇宙省に掛け合い、オデュッセイ計画を推進した人物でもある。福島が発見した磨製石器を見て、なぜかその惑星での調査を終了し、次の候補星へ向かうことを命令する。
乗組員
福島と同年代の男性。軽口を叩いてはよく福島とケンカをしている。安全性も確認されないまま、見知らぬ惑星で宇宙服のヘルメットを脱ぐなど、大ざっぱな性格をしている。
その他キーワード
オデュッセイ計画 (おでゅっせいけいかく)
異星人文明を探究するための計画。相対次元理論を応用した恒星間航行船で他の太陽系へ赴き、文明がありそうな惑星を調査する。国際間の緊張が高まっている中で発案されたこの計画に、航空宇宙省は予算を出すことを渋るが、艇長の巧みな駆け引きにより計画にGOサインが出る。福島達はこの計画を異星人とのコンタクトと捉えていたが、艇長にはさらに別の思惑があった。